
先に香港で行われた卓球のWTTファイナルズという世界ランキングトップ16人の選手による世界一を決める大会で、男子は張本智和、女子は王曼昱(中国)が優勝したが、女子はベスト4は全て中国選手となったものの、男子は、中国選手は誰も決勝に進めなかったという前代未聞の結果となった。世界ランキング男子1位の王楚欽は準決勝を棄権、女子1位の孫穎莎は、準決勝途中で棄権、混合ダブルスでは、王楚欽・孫穎莎の世界1位ペアが決勝で韓国ペアに負けるという惨憺たる結果に終った。
張本選手は、過去3回準優勝を経験しているが、優勝は初めてで、快挙といえるが、世界ランキングの1位の男女両選手がともに棄権するという異常事態に驚くとともに、そこには中国卓球界の闇があるという事実も明らかになった。両選手とも表向きは、怪我という身体的理由による棄権とされているが、プレッシャーという精神的負担の要素も大きいと分析されている。中国卓球協会が選手に課しているハードスケジュールや精神的圧力は想像以上であり、両選手ともそれに対する反発を訴えているともいえる。ニュースによると、中国卓球協会も選手の健康への配慮やケガや病気の予防体制を整備すると反省声明を出したようである。
中国では、「絶対負けられない」という使命があり、選手たちに過酷なプレッシャーを与えているようである。特に、ライバル視する日本に対する対抗意識は想像を絶する。卓球の王者中国にとって、絶対日本には負けられないのである。我々レベルの卓球でも、絶対に負けられないということから、日中親善戦のメンバーからインターライン卓球大会(1983年15か国参加)に出場するメンバーのレベルを一段アップして、大会に臨んできたことを目の当たりに経験したことがある。
もともとスポーツは、避けるべき戦争に代わって、誕生したものと聞いたことがあるが、まさにスポーツは一種の戦争・戦いである。相手を敵視して士気を高揚して戦いに打ち勝つことが使命であるから、中国が日本を敵視し、政治的、経済的にいろいろ仕掛けてくるのも理解できるし、スポーツの世界も同じである。今回、中国の成都で行われた混合団体ワールドカップと香港で行なわれたWTTファイナルズと続けて中国の都市で国際大会が開催され、中国卓球協会の体質、観客席で応援する中国人サポーターによる日本に対する露骨な敵意、マナーの悪さが全面的に露呈することになった。
張本選手の両親はもともと中国人であることから裏切者ということかわからないが、場内アナウンスで紹介されず無視されたり、得点するとブーイングされたり、ミスすると大きな拍手をされたり、集中的に仕打ちを受けている印象で、中国人のマナーの悪さは際立っていた。自国の選手を応援するのはまだわかるが、露骨に日本の対戦相手だけを拍手やヤジで応援するのはマナー違反である。習近平氏が日本叩きを堂々とやるのと同じメンタリティである。そんなアウェイの中、集中砲火を浴びながらも優勝したという張本選手の頑張りも高く評価されよう。
今回の一件で、世界ランキング1位の二人は中国卓球界からは引退することは確実と思われるが、二人とも日本人に似たおとなしく控えめなメンタリティを持っているので、個人的にも悪い印象は全くない。その実力は抜群であり、まだ若いので、中国以外のどこかで卓球を続けてほしいし、これからも世界の卓球界を引っ張っていってほしいものである。
中国卓球界の闇を分析した個人サイト:https://www.youtube.com/watch?v=U62jagEoyzo
Yahooニュース:
https://news.yahoo.co.jp/articles/b358397e205806e85a864a5d71b5eb3f14335c84
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