予約がとれた桂離宮がメインディッシュの一日。
なので、まずは嵐山へ行き、そこから南下してくるコースどりにしてみました。天龍寺の曹源池庭園、松尾大社は重森三玲による松風苑3庭、そして桂離宮と“お庭拝見”の一日です。
10月前半のこのタイミングでは、紅葉はところどころようやく色づき始めた程度でしたが。台風の連続攻撃がやっと収まっての絶好の行楽日和という事もあってか、嵐山は「祭りか!?」てくらい人が出てました。これが全山紅く染まる頃には・・・(もうぼちぼちいい感じですよね)その人出、考えただけでも恐ろしい(^^;

で、その天龍寺・曹源池庭園。素晴らしいもんですねえ。ここは中学の修学旅行でも来たような記憶がうっすら有るんですけど・・・その時にはあまり感じなかったなあ。銀閣寺は良いと思った記憶が(こちらはハッキリと)あるので、厨房時代とはいえ何かしらの感受性はあったはずなんですけど、開けた庭園空間の良さは大人になって理解できるようになったという事か?

「登竜門」の故事にちなむ滝石組「龍門瀑」。こういう石組みって、「登竜門」とか「鶴亀」とか、お約束みたいな読みが禅の修行にどう役に立つのか、いまいち分からない。ただこういう古いタイプのものは竜安寺とかの純然たる石庭に比べて「飼いならされてない感」というか、ワイルドさに魅力がありますね。アニミスティックなパワーみたいなものも感じるし。

ここは本当に借景が決まってますよね
本坊に上がるとお値段が上がっちゃうんですが(^^; お庭だけを所在なく歩きながら見るより、やっぱり縁に腰を下ろして寛いで見る方が目的に適っている気がします。ちなみに私が行った時にはキャノン提供・ボストン美術館所蔵の曽我蕭白「雲竜図」の高精細コピーを展示してました(終了)。





百花苑。タイミング的にはちとハズシていたか。百花苑側の出口から出て、

観光案内でもお馴染み竹林の道を進んで常寂光寺へ。こちら、竹林のそぞろ歩きに静かなひと時を過ごしたい人達で大層な賑わいです(大笑)。


常寂光寺。こちらも紅葉の名所ですが、当然まだ。なんで来たかというと、

藤原定家の「小倉山荘(時雨亭)」跡地(いくつか候補地があるうちの一つ)。
田渕句美子「新古今集 後鳥羽院と定家の時代」を読み、放送大学の「和歌の心と情景」「和歌文学の世界」という傑作授業を見て以来、このところ個人的に微妙に和歌ブームでして、どんなところだったのか、ちょっと見ておこうかなと。
しかしここ、けっこう坂のキツいところですけど・・・後鳥羽院の熊野詣に同行して道の悪さにブツクサ云ってた人がこんなところに別荘建てますかね(笑)?他にも二尊院とか厭離庵とか候補地はあるようですが、時間が無いので今回はここ一か所のみ。

そして「百人一首編纂の地」の碑。最近よく読んでる塚本邦雄さんの本の中では百人一首はボロクソいわれてるんで微妙に苦笑いが出るんですが、まあその選歌には問題があるにもせよ、日本の古典中の古典である和歌を国民のかなりの人が暗誦できる、出来ないまでも誰もが何首か聞き覚えているというのは素晴らしいことですよね。
ま、定家のというよりは百人一首をカードゲームにした人の功績ですがw

こちら上に登ると見事な眺め。坂は意外と急ですが。

おなじみ渡月橋
祭りレベルに賑わう嵐山をしばし歩いて渡月橋を渡り、阪急線に乗って一駅、松尾大社へ。ここまで来ただけで、まるで静かなもんです。

こちら霊泉「亀の井」があるお酒の聖地。ペットボトルを持ってなかったのは失敗でした・・・。

霊亀の滝
そのほか、平安初期からの神像を展示する「神像館」、現代日本を代表する作庭家・庭園研究家:重森三玲の晩年の代表作である3つの庭「上古の庭」「曲水の庭」「蓬莱の庭」を擁する「松風苑」も見どころ。こちらのお庭、なんといいますかね、完成が75年なんですよね、「上古」のバーバリアニズム的モダニズムといい、「曲水」のコンクリ固め感、「蓬莱」の(通路部分の)アスファルト敷き感といい、昭和というか、なかなかに高度成長期のテイスト(笑)。

重森は日本中の古庭、名庭を研究して日本庭園史の基礎を築いた人で、モダンなセンスを古建築・古庭にも巧みに馴染ませて現代の名庭を生み出してきていますが、ここでは一からの創作庭園という感じで、ある種ふた昔前の遊園地っぽいというか、すごーく時代性が出ている感じがしましたです(理解不足でしたらごめんなさいw)。
お昼はこの近所のおばんざいやさんで。嵐山からはわずか一駅なんですけど、このあたりホントに人いなくて。食事するにも静かで良いですよ。
つづいて桂へ・・・