これも今週末までの案件。同じく東博では「キトラ古墳壁画」展も今週末までやっているんですが・・・そっちはもう、入場までに2時間待ちなんて状況になっていて諦めました・・・orz
開山・栄西禅師 800年遠忌
東京国立博物館 ~5/18(日)
2014年は、日本に禅宗(臨済宗)を広め、京都最古の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師(1141-1215)の800年遠忌にあたり、栄西ならびに建仁寺にゆかりの宝物を一堂に展示し、栄西の伝えようとしたもの、そして建仁寺が日本文化の発展に果たした役割を検証を図る展覧会。

「明庵栄西坐像」
禅の美術というと、個人的には2007年の東博「京都五山」展の印象が強くて、歴代祖師像+書(特に遺偈)、に水墨画と茶道具関係が若干、みたいなイメージなんですけど、今回もそういうのもありつつ、桃山の絵画、特に海北友松が大充実で見ごたえありあり。それ以外もクオリティきわめて高くて満足度高いです。もうこの土日で終了ですが(^^; まだご覧になっていなければ、ぜひぜひ。先週末の段階では、意外と激混みではなかった。
展示構成は、
プロローグ 禅院の茶
第1章 栄西の足跡
第2章 建仁寺ゆかりの僧たち
第3章 近世の建仁寺
第4章 建仁寺ゆかりの名宝
で、まずは入ってすぐ、「四頭茶会所用具」の展示にびっくり!お堂ぶっ壊して持ってきたのかと思った(笑)。
ほんと、柱とか梁とかもわりと古げで(加工?)、建物ごと来たのかと思わせるくらい。と思ったら壁にかかっている海北友松「琴棋書画図」とかがすでに高精細コピーとのことなんで、さすがに壁面ごと持ってきたわけじゃないらしい(→あたりまえ)。
ほんと、柱とか梁とかもわりと古げで(加工?)、建物ごと来たのかと思わせるくらい。と思ったら壁にかかっている海北友松「琴棋書画図」とかがすでに高精細コピーとのことなんで、さすがに壁面ごと持ってきたわけじゃないらしい(→あたりまえ)。

「ぶらぶら」HPから借用(すみません・・・^^;)
「四つ頭の茶会」は、「初期の禅林の茶の形式を今に伝える」茶会として「茶道の歴史」関係の本では必ず取り上げられる有名なヤツで、そのしつらいをそのまま持ってきたってのが凄い。いま「しつらえる」と動詞で使う言葉ですけど、まさにその「しつらい」=「室礼」だった時の「しつらい」が体感できる空間てのはすごく貴重。
・・・この間の「京都」展での二条城展示といい、東博では空間全体の再現がホットなんですかね?
そして後半の見ものは、(もちろん「風神・雷神」もありつつ)なんと言っても海北友松。

海北友松「竹林七賢図」(重文)
海北友松って、ま、名前は有名でちょくちょく目にすることはするんですけど、こういうふうにまとまって、しかも大物ズラリ!で見るのって初めて。ていうか、普段めったに寺から出てこない大物、作家の最大作品にフルセットで出張していただいた形で、将来「大・海北友松展」があればもっと沢山の作品が揃うことはあっても、ワンセットとしてこれ以上にビッグな作品は出てこないわけですね。
そういう意味で・・・桃山のビッグネームではありつつ現在ポピュラリティという点で琳派・狩野派・長谷川派などに完全に水をあけられている海北友松としては、関東におけるファン獲得の最大のチャンスといえよう(笑)。
それにしても、「琴棋書画図」、「竹林七賢図」、「山水図」、「花鳥図」、「龍虎図」と、この大画面の襖絵がずらーっと並ぶお堂の様子ってのはなかなか豪壮なもんですよね。いかにもな金碧障壁画とは違うけど、やっぱり桃山のダイナミズム!
ちなみに前述のとおり「四つ頭の茶会」の展示で「竹林七賢図」の高精細コピーが壁面に並んでますので、いちおうその雰囲気を感じることもできます。

海北友松「雲龍図」(重文)
一番の見ものはこれか。後期の現在は右4面が展示中。
この障壁画、以前台風で方丈が倒壊した際に偶然別件で襖を外していて難を逃れたことがあって、それを教訓として 襖→掛軸 に移して京都の国立博物館保管にて今に至る、とのこと。で現在、京都文化協会とキヤノンが共同プロジェクトとして全50面の高精細コピーを制作して建仁寺に寄贈し、70年ぶりに方丈へ元の襖の姿に復元されて、一般公開になるんだそうで。
ま、ふつうコピー見てもあまり嬉しくはないわけですけど、現実の寺院空間にオリジナルな絵画空間が再現されるというのは非常に良いですね。次回京都に行ったら寄ってみたいです、建仁寺。

海北友松「山水図」(重文)
個人的には・・・玉澗の「破墨」のスタイルによるという「山水図」が好き。
この方丈障壁画のほか、今回はがほかにも初期作という「山水図襖」、「花鳥図襖」、重文「琴棋書画図屏風」、「人物花鳥押絵貼屏風」(展示終了)、重文「松竹梅図襖」などの海北友松作品が出品され、まさに海北友松の全体像を知ることができる展覧会になってます。
海北友松・・・エピソードとしては、本能寺の変~山崎の合戦後、晒された斎藤利三の首を力ずくで奪って寺に届けた、なんて絵師ながら戦国の男らしい熱い話がありましたね。去年「嵯峨本 伊勢物語」で盛り上がったついでに読んだ辻邦生「嵯峨野明月記」でも出てきた記憶が。
あと、一昨年京都・金地院では特別拝観で見た鴉の絵の屏風(だったかな)がこの方の作品。ガラスケース無し、ハンカチで口を押えつつの距離10㎝。ああいうのっていい経験です・・・。
そうそう、本館の7室「屏風と襖絵」コーナーにも海北友松作品が2点も(「山水図屏風」「琴棋書画図屏風」)が出てます。「琴棋・・・」の方は、建仁寺展の方にも出ていないカラフルな人物図。
そのほか。

俵屋宗達「風神雷神図屏風」(国宝)
今回の目玉、俵屋宗達「風神雷神図屏風」。これ見るのって「大琳派展」以来かな?今回の印象は・・・あれ、この屏風、意外と小さい?て感じ。ま、事実、屏風として特に大きくはないんですが、それにしても、ですね。
今回の展示は部屋を暗くして黒い壁面に屏風のサイズに合わせて窓を切るようにして作品を収めているんですけど、屏風の外側の空間が小さいことで、作品の持っている、画面の外に飛び出すようなエネルギーを消してしまっていたんじゃないかなあという気がするんですよね・・・。
第1章「栄西の足跡」は栄西の著作や書蹟がずらり。また書のことなんか分からないまま言いますがw「誓願寺盂蘭盆一品経縁起」(展示終了)を見ると、すごく立派な書。禅僧の書というと気合勝負で上手・下手は二の次、というイメージだったので、ちょっと意外。

栄西 筆「誓願寺盂蘭盆一品経縁起」(国宝)(展示終了)
第2章「建仁寺ゆかりの僧たち」、祖師像&書&袈裟と、ま、ここが一番禅宗寺院の展覧会っぽい。前半の展示では清拙正澄の遺偈「棺割の墨跡」も出てました(展示終了)。
第3章「近世の建仁寺」は桃山~江戸初期の建仁寺関係者の肖像や所用の品々、漆器など。「へうげもの」好きとしては、織田有楽斎の肖像画&木像というのが美味しい(肖像画の方は展示終了)。

狩野山楽 画・古澗慈稽 賛「織田有楽斎像」(展示終了)
第4章「建仁寺ゆかりの名宝」、上記の海北友松、俵屋宗達のほか、長谷川等伯もある(「松に童子図襖」「竹林七賢図屏風」)。それから若冲&芦雪もある(伊藤若冲「拾得および鶏図」「雪梅雄鶏図」、長沢芦雪「牧童吹笛図」)。会期前半は蕭白(「山水図」)もあって三すくみ状態だった。
あと、南宋~明・清の中国絵画もあるのが、禅宗のお寺っぽい。禅寺はながらく中国文化の牙城だったわけですからね。
と、いうわけで、今日・明日。今日は半分過ぎている。どうしたものか(^^; でもぜひ(爆)
今回の土産物。
白隠「百寿福禄図」てぬぐい基本、白隠てそんなに好きというわけでもないんですが、この手ぬぐいはオリジナルの掛軸の気分がそのまま生きていて、非常に良い^^
800円也。
ただ、ほんとに風呂場に持ち込むのは、ちと抵抗がある(笑)。
