昨日は途中から本文の話になってしまいました(^^;
ということで、もいっぺん展示構成をば。
ということで、もいっぺん展示構成をば。
1. 兼好と徒然草 - 2. 徒然草を描く - 3. 徒然草を読む - 4. 海北友雪の画業と「徒然草絵巻」
さて・・・ 1.「兼好と徒然草」 は「徒然草登場!!」という感じの章で、情報的な面ではここが一番面白い。
今でこそ“ザ・古典”な感じの「徒然草」も、鑑賞・受容が始まるのは本文成立の100年後(室町時代)からなんだそうで、まずは歌人・古典学者の正徹や、歌人&書家の三条西実隆などの日記のほか、「太平記」に「兼好といふとんせいじゃ(遁世者)の歌よみ」が登場する場面(を伝・海北友雪の「太平記絵巻」で)など、「徒然草」が世に出回り始めるころの文献等々を展示して兼好法師大ブレイクwまでの道筋を追います。
今でこそ“ザ・古典”な感じの「徒然草」も、鑑賞・受容が始まるのは本文成立の100年後(室町時代)からなんだそうで、まずは歌人・古典学者の正徹や、歌人&書家の三条西実隆などの日記のほか、「太平記」に「兼好といふとんせいじゃ(遁世者)の歌よみ」が登場する場面(を伝・海北友雪の「太平記絵巻」で)など、「徒然草」が世に出回り始めるころの文献等々を展示して兼好法師大ブレイクwまでの道筋を追います。
そんな中、「自筆の稿本とみなされている」という「兼好家集稿本」が「自筆だあ~(@_@;」と感動。

伝・海北友雪「太平記絵巻」(第七巻)
(左上の場面)塩冶高貞の妻に懸想した高師直は「兼好といふ とんせいじゃ
の歌よみ」に恋文を代筆させる。 ・・・もちろん失敗に終わる(笑)。
(ちなみに「仮名手本忠臣蔵」には兼好は出てくるんでしょうか?)
これも海北友雪(伝ですが)。
さらに、「徒然草」原典の基本ソースである「正徹本」「常縁本」「幽斎本」&「烏丸本(流布本)」の古写本4種のほか、「徒然草」需要に大きな役割を果たした初期の注釈本、古活字本など。やっぱり出てくる「嵯峨本」。雲母(きら)刷りの料紙が美しい。
嵯峨本「徒然草」は去年の五島「光悦」展にも出てましたよね。嵯峨本の中でも、「徒然草」は特に雲母刷りが豪華らしい。「・・・ただし本文の書風は光悦流のおもかげをほとんど留めていない(光悦展図録)」とのこと。
あと「嵯峨本」というと、去年の出光「源氏絵と伊勢絵」展で、嵯峨本「伊勢」の挿絵がその後の「伊勢絵」のパターンに大きな影響があり、だけでなく「源氏絵」にまで影響した、というのが面白かったんですが、「徒然草」の場合は、(嵯峨本は挿絵無しのようで)その後の“徒然絵”を規定したのが松永貞徳の注釈書「なぐさみ草」の版本(の挿絵)だったとの事で、似たようなパターンなんですね。やっぱ印刷ってのは大きいってことか。
「徒然草」伝・小堀宗甫、本阿弥光悦、松華堂昭乗、近衛信尹 書継合作
1章。「寛永の三筆」+能筆の大名茶人・小堀遠州(伝ですが)という
豪華筆者陣による写本。2冊のうち“定家様”のが遠州かな?
「伊勢物語」と「徒然草」って、カラーは全然違うわけですけど、こういう美術品を多く生み出し、出版を行い、現代まで繋がる「日本の古典」鑑賞の方向性をつくり、と、桃山・江戸初期の古典ブームって、大きな文化運動だったんだなあと思います。
この章に絡んでくる人たちというのが、正徹、東常縁、松永貞徳、林羅山に北村季吟、室町~江戸初期の歌道・歌学の有名人ずらりで、うーん凄い、でもよく考えたら、名前は知ってるけどそれぞれの著作は一つも読んだことがない(爆)
「奈良絵本 徒然草」(第一段)
てことで、2. 「徒然草を描く」では「なぐさみ草」の構図を引き継いだ「奈良絵本」を起点に、絵巻、屏風などなど。住吉派あり、狩野派あり、土佐派あり。奈良絵本を切り貼りした屏風もあり、あるいは「なぐさみ草」の影響の見られない作品もあり。

英一蝶「御室法師図」
おもろい絵が描きやすいらしく、何度も出てきた“徒然絵”の定番、53段の「御室法師」。宴会で受け狙いに足鼎(あしがなえ)を被って舞ったら確かにウケは取ったが、結果抜けなくなって大騒ぎ。流血の事態に・・・
ハメ外すなという教訓が趣旨なのは明らかですが、実は本文には戒め的なことは一言も書いてません。やっぱりさらっとしてます。
このしょーもない話を・・・実に綺麗に描いてます、英一蝶。ややムダ感があるのは否めない(笑)。
3. 「徒然草を読む」については、そんなわけで。
ラストの 4. 海北友雪の画業と「徒然草絵巻」。ま、海北友雪の「絵巻」をがっつり見せた「ついでに」って事でもあるかと思いますが(笑)、4章で友雪の画業の概観も得られるようになってます。この点も素晴らしい。
海北友雪、この春の東博「建仁寺」展で海北友松の大作がずらり並んでましたが、友雪はその息子なんですね。Wikipediaを見ると、父親の「影響は終生友雪画の細部描写に見て取ることができる」とありますが、あちらはなんと言っても大画面の水墨画だったんで、印象は全く別物。

海北友雪「一の谷合戦図屏風」
屏風の地と扇形を左隻・右隻で 金⇔青 の反転させて、熊谷直実は陸、敦盛は海の中というのをオシャレに表現してるのが素敵。4章。
つまり・・・「徒然草」をテーマとした美術の展覧会でありつつ、「徒然」受容史の展示でもあり、古典の「絵解き講読」でもあり、かつ海北友雪回顧展でもあるという、多面的でボリューム感もあり、よくできた展示なんですね。
ま、あえて言うなら・・・絵自体は、上質ではあってもパンチには欠けるかな、というのはありますか(ま、徒然草の絵ですからねえ・・・)。
特にアートと古典文学に同時に触れられる素敵な企画、できたら中高(大)生の自由研究用に夏休みにもやってほしかった。古典の中でも「徒然草」はわりと読みやすいですしね。
ということで、明後日7/21(月・祝)まで。この3連休、つれづれわぶる人は(笑)、ぜひお運びあるべし。

尾形乾山「兼好法師図」
・・・(笑)。尾形乾山、やっぱすげーwww (1章)
本日のお言葉。
「 改めて益なき事は、改めぬをよしとするなり」 (「徒然草」第127段)
うちの会社に入った経営コンサルの方とかに読んでお聞かせしたかった(笑)。
