えーと、例によって織部展の件が途中なんですが、こちらを先に。
といってもコレも既に一週間たっちゃってるんですが(^^; なにしろこの秋一番の見もの聴きものですから、一応書いておかないと。こちら、もともとは音楽ブログのつもりだったんで(苦笑)。
 
実際のところ、開演18:30というのは会社を早抜けしないと不可能な時間でして、なかなかキビシイものがあったんですけど・・・さすがにコレ行かないわけにはいかんなと思い、行ってまいりましたですよ。会社、午後半休扱いにして(17:30過ぎまで働いたのに(T△T))・・・が、やっぱ行って良かった^^
 
 
モンテヴェルディ: 歌劇「ポッペーアの戴冠」(ナポリ稿) ~コンサート形式
 
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ラ・ヴェネクシアーナ
指揮・音楽監督: クラウディオ・カヴィーナ
ポッペーア:ロベルタ・マメリ(S)
ネローネ:マルゲリータ・ロトンディ(MS)
オットーネ: ラファエレ・ピ(CT)
オッターヴィア: セニア・マイヤー(MS)
セーネカ: サルヴォ・ヴィターレ(Bs)
アルナルタ: アルベルト・アレグレッツァ(T)
乳母/兵士/執政官: アレッシオ・トシ(T)
ドルシッラ/ヴィルトゥ: フランチェスカ・カッシナーリ(S)
ヴァレット/フォルトゥナ/ヴェネレ/パッラーデ: アレッサンドラ・ガルディーニ(S)
アモーレ/待女: フランチェスカ・ボンコンパーニ(S)
兵士/ルカーノ/自由奴隷: ラファエレ・ジョルダーニ(T)
メルクーリオ/警史/執政官: マウロ・ボルジョーニ(Br)
 
エフィックス・プレオ(Vn) / ダニエラ・ゴディオ(Vn) /ルカ・モレッティ(Va) / 懸田貴嗣(Basso di Vn) / アルベルト・ロ・ガット(Violone) / ガブリエレ・パロンバ(archiliuto) / キアラ・グラナータ(Hp) / クラウディオ・カヴィーナ(Cem)
 
2014年 10月15日(水) 初台・東京オペラシティ コンサートホール
 
素晴らしい演奏でした・・・。最初はわりと「いかにも演奏会形式」で、しずしずと進んでいたのが、中盤にポッペア:マメリ嬢が見事なピアニッシモで聴かせたあたりから、みんな歌も演技も力が入ってきて、最後はなんだかんだ、がっつり「オペラを見た感」がありました。本を読んでいたら、いつの間にか登場人物が立ち上がって動き出していた、みたいな。
         ロベルタ・マメリ(ソプラノ) Ribalta Luce Studio
歌手陣、皆さん丁寧に歌い、語り、演じていてみんな良かったんですけど、声そのもので魅了するという意味では、やはりロベルタ・マメリ(S)が図抜けてましたですね。しかも美人。言う事なし(笑)。
そのほか、ポッペアの乳母アルナルタ役のA.アレグレッツァ(T)がコミカルな演技で大受け。コメディリリーフとして、けっこうおいしい役なんですよねー。
皇帝ネロ(ネローネ)のM.ロトンディ(MS)は・・・わりと普通だったかな。意外とヒステリックじゃない暴君ネロ。これはマメリがネローネを歌ったCDでも同様で、カヴィーナの意図なんでしょかね。
オットーネのR.ピ(ぴ?ぺ?)(CT)、非常に安定して上手い。演技も後半↑↑。
CD同様アグレッシヴだったのが皇后オッターヴィアのX.マイアー(MS)。「伯爵夫人」(フィガロの)系の深い声の方が多いこの役でのこの歌唱、これもカヴィーナ組の色ですね。これはネロが浮気したくなるのもわかる←
哲学者セネカのS.ヴィターレ、安心の上手さ。
通奏低音はリュートが活躍。ハープはやはり色づけとして。カヴィーナのチェンバロも意外と(失礼)上手かった。
 
 
・・・ま、音数的には極々シンプルな作品で、こういうのは演奏者の力量で決まる要素が多いはずだと思うんですけど、それでも、やっぱり「ポッペア」という作品自体が凄い!と思わせるものがあって、なんなんでしょうね、この作品から伝わるパワー・・・。
 
要因の一つには、台本の強烈なインパクトがあるのは確かで、あれで相当惹き込まれるんですよね。バロックとかロマン派とか問わず、いわゆるオペラ台本とは一味違いますよね。なにしろ倫理的基準からして違う(^^; その意味では20世紀オペラの本の方が近いか、というような。
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 そして、それを余すところなく表現するモンテヴェルディの音楽・・・。別にメロディというほどにもなっていない、半音上がって下がるだけみたいな動きが途方もなくエロかったり、苦悩や絶望に満ちてたり。なんだか圧倒されるほどの表出力。
で、そういうシリアスなところに対してコミカルな部分がまた残酷なまでにきっつい対比を見せていて、こういうのが「トラジコメディア」なんですかね。笑えるけど・・・けっこう苦いもんですよね。そんなところも好き。

そんなこんなであのシンプルな音楽がまったく退屈させない2時間半。繰り返しますが、当然演奏の質あってのことではある。
 
 
そのほか。
 
・カヴィーナ
指揮・チェンバロのカヴィーナのおすましぶりが相変わらず。オペラ終演後の大喝采というはっちゃけ気分の中でもブレ無しなのが凄い。
 
クラウディオ・カヴィーナ(カウンターテナー、今回は指揮とチェンバロ)
・カヴィーナ②
歌手に背を向けての指揮&Cemb。キョロキョロ振り返るわけでもなく、それでも息はぴったり。自身も名C-Tであり、歌手の立場でヴォーカルアンサンブル:ヴェネシアーナのリーダーでもあり、音楽の呼吸もメンバーの呼吸も完全に手の内に入っているという事か。
 
・コンサート形式(^^;
序盤、小姓が皇后オッターヴィアにセネカの胡散臭さを訴える場面で、小姓のソロが始まったらオッターヴィアもセネカも引っ込んじゃって、誰に何を力説してるんだか、さっぱり分からない情景になってしまい(大笑)。実際には私も含め、筋が完全に頭に入っている客が大半だったような気もするので(聞こえてくる会話がわかってる人ばっかw)、ホントにちんぷんかんぷんな人は少なかったかと思いますが。
上述の通り、後半はそれぞれに演技が入ってきて、いい感じに。コンサート形式としても、あのくらいの身振り手振りがむしろ自然だと思います。特に初期オペラは語り要素が強いだけに、ジェスチュアがゼロだと声優がアフレコしてるみたいな図になりますからね。
 
・乳母
そういうわけでアレグレッツァ歌うポッペアの乳母アルナルタは熱演だったんですが、オッターヴィアの乳母の方はやや普通。かつてカウンターテナーのドミニク・ヴィスが(ヤーコプス盤CD以降?)この役で怪演をみせて、ちょっとした当たり役だっただけに、ついつい期待してしまう役どころなのですが。カヴィーナ組CDでは日本人Tの櫻田亮さんが歌っていて(けっこう激演)、今回それが聴けなかったのは、やや残念。
 
・乳母(×2)
ちなみに、ヴィスの乳母役というと、98年の(15年以上になりますかorz)パーセル・クァルテットの来日公演では彼がオッターヴィアの乳母とアルナルタの二役をこなしていて(^^; 二役となると出演時間が倍近くなるし、例の声&表現に加えて現代設定の衣装でもろ女装という見た目のインパクトもあり(^^; ラストのポッペア&ネロのデュエットが来るまで「主役はドミニク・ヴィス」といっていい状態で、「面白いが、まちがっとるwww」と思った記憶があり。難しいところではあります。
 
「サビナ・ポッパエア」 フォンテーヌブロー派・16世紀
・カット
「ポッペーアの戴冠」なのに戴冠式の場面カットとかw
 
・デュエット
もちろんラストの聴かせどころ。歌を導くチェンバロの和声付けがCD同様ちょっとPOPS風味。特にマメリ嬢の声が美しいし、いいことはいいんですが・・・やはりCD同様、さすがにちょっと崩し過ぎでは・・・
 
・マメリ
ネットを見てると、翌日のHakujuホールのリサイタルも非常に素晴らしかったらしい。いきたかったー
 
・マメリ(OA info)
で、そのリサイタルは12/17にNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」で、OA予定とのこと(!)。要チェック。
 
・う゛ぇね・・・
ヴェネ - クシ - アーナじゃなくて、ヴェネシアーナ、ですよね?
 


こちらはCD。マメリ嬢はネローネ役。ポッペーアはエマヌラ・ガッリで、ヴェネシアーナが誇る2トップでの“Pur ti miro”が聴けます。
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クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)
クラウディオ・カヴィーナ指揮 ラ・ヴェネシアーナ