しかし、この男・・・本当にその価値が有るのだろうか?
あの剣豪の考えることは本当にわからん。
本来ならこのまま終わりにしてしまっても良いのだが・・・
しかしこのまま話が平行線を辿るのも癪にさわる。
それならせめて・・・

「青年よ」

「は、はい?」

「ヒントを与えよう」

「・・・ヒ、ヒント?」

先程まで只の傍観者だった老人がいきなり青年の味方となる――
多少不自然ではあるが、致し方ない。

「人を困らせる英雄・・・それは存在すると思うかね?」

青年は当たり前のように
「そんなの居るわけがない」
と答える。

「そうだな、人のためにならなくては英雄とは違う。・・・しかし、救世主、ヒーローについてはどうだ?」

「それも同じ・・・」

「違うんだよ。」

「え?」

「それも極端に、な。」

ドアの向こうでドタバタと音が聞こえる。おのれ、荒川め。
この青年に私が伝えられるのはあと少し。
あとは青年による。
少々楽しくなってきたな。
「ヒーローや救世主は、いつでも表裏一体なのだ。その力に溺れ、堕落。または闇に紛れ、世界の敵となる者も居るだろう。それを乗り越えた者が、英雄と言われる存在なのだよ。」

「・・・それで?」

「・・・・・・何故、君はヒーローや救世主を正義だと決め付けるのだ。それは君自信が正義だから?・・・いや、正義だと思い込んでるからだ。」

ドアの向こうで「スーパー・エレクトリック・ディバイン・デストロイ-弐式改を発動!」と声が聞こえた。
荒川め、減給は覚悟しておけ。

「君の中にある 本意 はなにかな・・・?」

これが最後の問いだと、青年も気づいているようだった。


⇒「K」 ~「人魂」~