しかし、誰にはめられたんだ? 川瀬さんか? それとも、神流崎さんか? ひょっとして、二人ともか?
そういえば、俺が彼女達と別れて、自動ドアに向かって歩いているときに、こんなことがあった気がする。
「韃靼蕎麦の踊り」
背後で、川瀬さんが小さな声で、何かをつぶやいた。
俺は彼女のほうに振り向き、尋ねる。
「ん、何か言いましたか?」
「い、いえ。何も」
彼女は何事もなかったかのように振る舞っているが、顔には焦りの色が浮かんでいる。
「あ、そうですか」
結局、俺はそう答えて、ドアのほうに向かっていったのだ。
そう、あのときだったのだ! 彼女が「韃靼蕎麦の踊り」とつぶやいたあのとき! あのとき彼女がつぶやいた言葉が、自分をこの不思議な世界へといざなったのだ。
そこで、俺は何かに違和感を覚えた。
何だ?
何だ!?
思い出せ!
思い出せ!!
⇒「バイザー」~「原画展」~