「あれが俺だって・・・?」

俺はそう言わずにはいられなかった。
俺が桐生さんに刃を向け、切り掛かり、サムライに目の前で殺された――
そんなことが信じられるか。

「信じないなら良い。」
サムライは冷たい声でそう言う。
その冷たさはいつの間にか降り始めた雨さえも凍りそうな勢いだ。

「しかし、こんなこと信じてたら・・・」
と俺が全てを否定しようとした時。
突然サムライが声を荒げ、

「金華猫、それが在る場所へ行け。真実は全てそこから連鎖する。」
と言った。

気がついたらサムライは降っていた雨と共に消えていた。



―――金華猫・・・そうだ、じいちゃんに聞いたことがある。
たしかあれは小学生のころ行った、美術館の――。


そして一時間後、俺は閉館間際の美術館の扉に手をかけていた。


今思い返せば、浅はかな行動だったのだろう。











こんなくだらない人形劇に惑わされるなんて。


:第一章 完

⇒「K」 ~「がんじがらめ」~