園長通信～こころ～ №２３３
部活動指導員
2025.5.9
この５月から、新しいことを始めた。「部活動指導員」である。とはいっても、昨年度も外部コーチとして同じようなことをやっていた。中学生からすれば、さほどの変化を感じることはないだろう。 福島市が、昨年度の７月から、教員の長時間労働の対策として国の制度を利用し、市の職員が中学校の部活動指導を兼業で行えるようにする取組を始めた。それが、部活動指導員である。部活動指導員自体は、今までも配置されてきている。それを市の職員でもできるようにしたわけである。 現在は、福島市立の幼稚園に勤務しているため、市の職員である。だからこそ部活動指導員をやることができるわけである。だが、毎日部活動に行くわけではない。本来の仕事が終わってからの話になるため、指導時間も短い。したがって、さほどのことはできないかもしれない。それでも、忙しい顧問の先生の代わりや専門的な技術指導はできる、いや、やらなければならない。先生方の負担軽減と長時間労働の改善、教材研究や生徒と向き合う時間の確保がねらいである。 気持ち的には、今までお世話になった学校や先生方へのちょっとした恩返しのつもりである。自分を育ててくれたソフトテニス（軟式庭球・軟式テニス）界へのご奉公もある。今まで小学校、中学校、高校と経験してきた。小学校は、幼稚園のすぐ脇にあるため、その様子はわかる。それに、中学校から離れたくない思いもあるのかもしれない。 ５月１日、久しぶりにテニスコートに行ってみた。私の姿を見つけたらしく、すぐに部員である中学生たちが整列し、待っていてくれた。入部したばかりの１年生もいる。部活動指導員とは何なのか、どんなことをするのかなどについて簡単に話をした。そして、とりあえず練習の様子を見ることにした。 この日は、森合のテニスコートで、教え子がやっているクラブチームの練習があった。部活動指導員の初日を終え、そのまま森合へと向かった。こちらも、久しぶりに来てみた。そこでは、中学生のクラブチームの練習や高校生の部活動が行われていた。以前と変わらない光景である。 教え子のクラブチームには、小学生と中学生がいる。中学３年生が一人、別メニューで練習をしていた。ラケットを持つ手の位置がずれてしまっているということだった。ソフトテニスを長らくやっていると、起こりやすいことの一つに挙げられる症状である。娘もソフトテニスをやっており、同じようなことがあったため、よくわかる。 こういった場合、本人は悩む。それも中学３年生である。焦りもあることだろう。見ているうちに、自然とアドバイスをするようになった。今の状態を説明し、こうすればよくなるとアドバイスを送った。ボールを打っているうちに、徐々に、本来のボールが増えてきた。練習が終わる頃には、連続していいボールが打てるようになってきた。何かをつかんだのだろう。間に合ってよかった。一度、アドバイスをした以上は、こちらにも責任が生じる。 部活動指導員に求められているのは、より専門的な指導である。教え子のクラブチームに来たおかげで、そのことを意識することができた。おかげでスイッチが入った。これから、多くの中学生とともに、ソフトテニスを通して部活動のよさを味わっていきたい。そして、中学生の傍らで、その成長を見守っていきたい。