N中ソフトテニスの軌跡 No.31

                  打ち納め

                                       2025.12.23

 

   「打ち納め(うちおさめ)」とは、年末に、1年の締(し)めくくりとしてソフトテニスを楽しむ機会のことです。12月26日(金)19:00から20:00が、その時間となります。では、年の初めにボールを打つことを何というでしょうか。「打ち初め(うちぞめ)」と言います。その年の最初に行うことを、よく「○○初め」と言います。

 12月26日(金)は、19:00から19:30までの30分間、自分たちで練習をするようになります。練習メニューは、次の通りです。

 

 ①   乱打 3分×3コース    

      シュートボールでどんどん打ち合う。

    ②   正面ボレー 1分

     前でボレーする。まっすぐボレーする。ワバウンドして後衛に届くように。  

 ③   ファオボレー・バックボレー・スマッシュ 3分×3か所  

     フォアボレーとバックボレーはミドルをねらう。

     スマッシュの上げボールは、前衛が3歩下がってスマッシュできるように。

 ④   サーブ・レシーブ 5分×2

     レシーブをしてラリーを続ける。前衛がレシーブしたボールはミドルをねらっ

     て攻める。レシーブを待っている前衛は、後ろにきたボールを返す。

 

 この数か月で、練習内容でもラケットでも何でも、試してみることが重要だということを学びました。もっとうまくなるために、もっと強くなるために、できることをやってみる。チャレンジしてみる。変えてみる。どんどん行動してみることが大切だということです。 

 打ち納めの日は、19:30から20:00まで試合をする予定です。この1年で、みんなは大きく成長しました。技術とともに心も成長してきました。人は変われるかどうかです。変われる人がすばらしいのです。9月からは、どんどん強くなって

きました。打ち納めの30分の試合では、その強くなった姿を互いに見せ合いましょう。

 

 

 

N中ソフトテニス部の軌跡 No.30

                 ラケットの違い

                                                 2025.12.22

     昨日の体育館練習では、驚(おどろ)くべきことが起(お)こりました。娘が使っていたラケットが6本あります。そのうちの1本は、私が使っていますが、あとの5本は家に置いてあるだけです。

 ラケットによって違いがあることを知ってほしくて、選手たちに貸(か)し出すことにしました。使ってみた結果、やっぱり自分のラケットのほうがよいと思えばそれでいいし、自分のラケットよりもよければ、そのまま貸しておくつもりでした。

 5人の人たちが、借(か)りたラケットで乱打を始めました。3人の人たちは、今までとは違うボールを打っています。違いは明らかでした。こんなにも違うのかと驚かされました。まるで別人のようです。正面ボレーとサービスもやってみましたが、やっぱり借りたラケットのほうがいいのです。

 そこで、考えました。3人が使っている自分のラケットは、軽いわりにはガットの張りが硬(かた)いのです。28で張っている人がいます。娘のラケットは、28で

張っていたものが緩(ゆる)くなってきています。教え子のクラブチームの指導者と

話したところ、今はガットが変わってきているのか、25か26で張っている選手が多いとのことでした。娘のラケットは、少し重くてガットが緩めなのです。3人にとっては、それがよかったようです。

 1人は、2本使ってみましたが、自分のラケットのほうがよいとなりました。これはこれでいいのです。ラケットによって違いがあることがわかればいいのです。もう

一人は、借りたラケットと自分のラケットと、どちらがいいのか、はっきりしませんでした。では、どうしたか。一応貸してくださいということで、3本のラケットをもっていきました。ついでに、新品のラケットケースも借りていきました。

 運よく、また全国2位の小学6年生が来てくれました。これはチャンスということで、後衛の選手と乱打をしてもらいました。ラケットを借りた結果、いいボールを打つようになった選手です。小学生には、本気で打ってと言っておきました。果(は)たしてどうなったのか。打ち負けないのです。どんどん深くいいボールを打っていきます。どんどんよくなっていき、途中からは、ワンバウンドしたボールが跳(は)ね

ていました。体育館では、本当にいいボールを打つと、ワバウンドしたあとに跳ね上がるのです。

 ラケットを借りた前衛の2人は、今までボールがとばずに苦労していました。ところが、深いボールがいくようになりました。ボレーも長いボレーができるようになりました。今まで、技術が安定しないなどと言っていましたが、その原因がラケットにもあったのかと思うと、申し訳ない気持ちになってきます。

 娘は、ラケットをかえても、さほど変わらないタイプの選手だったので、これほどまでにラケットが影響(えいきょう)することがわかりませんでした。ラケットはあと3本あります。そのうちの2本は、まったく同じラケットです。娘は2か月くらい

でガットが切れる選手でした。ガットはいつ切れるかわかりません。試合中に切れるかもしれません。大会前に張り替えればいいわけですが、その間は違うラケットを使うようになります。大会前の大事な練習で、違うラケットを使うわけです。それはよくないので、まったく同じラケットを2本用意することにしました。特別注文、カスタマイズでつくるのです。値段(ねだん)は少し高くなります。全体の重さ、バランス、グリップの太さなどを指定してつくります。2本あれば安心なのは確かです。

 乱打を見ていたある保護者は「覚醒(かくせい)した」とおっしゃっていました。確かに覚醒という言葉があっているかもしれません。教え子であるクラブチームの指導者は、N中の練習を見て、うまくなったと言っていました。そして、「中学から始めたんですよね」とも言っていました。

 借りたラケットで、別人のように安定した深くいいシュートボールを打つようになった選手を見ていると、「これなら、クラブチームと戦える」と思ってしまいます。なぜそうなったのか。これが、9月や10月であれば、こうはならなかったと思います。フォアストロークレベル1のような練習をしてきたからだと思うのです。いい打

ち方を身につけるための努力を重ねてきたからです。打ち方がよくなったところに、技術を安定させてくれるラケットが登場したわけです。

 ラケットは、あと3本あります。使ってみて、もし、今使っているラケットよりもよければ、そのまま使ってください。N中ソフトテニス部が、ますます楽しみになってきました。

園長通信~こころ~ №366
                         老人脳
                                                                                         2025.12.23
                                                                            
    日本は、世界有数の長寿国である。だが、平均寿命と元気に生活できる健康寿命との間には、まだ隔たりがある。年齢とともに活力が衰えていく「老人脳」というものがある。その一方で、スーパーエイジャーと呼ばれる年齢よりも20歳以上若い脳をもつ高齢者がいる。その方々に共通しているのが、いつまでも学び続けている点である。
 また主観年齢が若い方もいる。80歳でも50歳のつもりで、いろいろなことに挑戦している。主観年齢と血管年齢を調べた研究もある。主観年齢が低い人ほど血管年齢も若かった。            

     問題は、年齢とともに活力が衰えていく老人脳である。これには、5つのタイプがある。        

     一つは、やる気脳の老化である。やる気に関わるドーパミン神経は10年ごとに約10%落ちていく。そのため、だんだんと新しいことに取り組むのが億劫になったり、遠い所へ行くのが面倒くさくなったりといった傾向が出てくる。                                        二つめは、記憶脳の老化である。会った人の顔を覚えられなかったり、スケジュールをすっぽかしたりする。                                                                              

     三つめは、客観・抑制脳の老化である。これは、脳の司令塔といわれる前頭前野の衰えから生じるものである。振り込め詐欺の被害にあったり、よくキレたりする人は、これにあてはまる。      

    四つめは、共感脳の老化である。人の気持ちを理解する力を司る前帯状皮質が老化することで、周りを気にしなくなってしまう。若いときは、スーパーへ行くときも身だしなみに気を配っていた人が、パジャマで出かけたりする。                                                      五つめは、聴覚脳の老化である。人の話が聞きづらい、テレビのボリュームを上げないと聞き取れないというのも老人脳の重要なサインである。                                                     この中であてはまるのは、会った人の顔を覚えられない、人の話が聞きづらいの2つだろうか。以前は、一度会えば、名前と顔を覚えていた。ところが、コロナ禍を境にして、顔を覚えることができなくなった。どうやらマスクで顔が半分隠れた状態の人を覚える術をマスターできなかったことが、今に影響しているように思う。ただの言い訳かもしれないが。人の話も聞こえづらくなってきた。本当は聞こえていないのだが、話を合わせるしかないときもある。                        

     今年も、まもなく終わろうとしている。老人脳といっても、今のところは、それほど困ってはいない。ただ、以前のようにはいかなくなっている自分を認めるしかないとは思っている。来年は、今まで以上に新しいことにチャレンジする必要がありそうである。老人脳がどうしたこうしたもあるが、そのほうが楽しくおもしろい人生になりそうである。                                  
 

園長通信~こころ~ №365
                      タイポグリセミア現象
                                                                                         2025.12.22
                                                                            
  「みさなん こんちには おんげきですか?」                                               

    よく見ると、おかしな日本語だが、多くの人は自然と「みなさん こんにちは お元気ですか?」と読めてしまう。私もその一人である。これは、「タイポグリセミア(Typoglycemia)現象」と呼ばれるものである。                                                                            タイポグリセミアとは、単語の最初と最後の文字さえ正しければ、途中の順番が入れ替わっていても問題なく読めてしまうという、ちょっと不思議な現象である。                 なぜ読めてしまうのか。単語を形状やパターンとして捉えているため、人間は文章を読むとき、一文字ずつではなく単語全体をかたまりとして認識する傾向がある。また、最初と最後の文字や文脈から単語を瞬時に予測し、自動的に正しい意味へ補正して理解している。この脳内補正のおかげで、多少の誤字があってもスラスラ読めてしまう。                                            

 便利な脳の補完機能だが、その一方で誤字脱字を見落としやすくなるという弱点もある。特に、校正作業では要注意である。脳の自動補正に惑わされないようにしなければならない。            

 数年前からだろうか。どうやら脳の自動補正の精度が上がったらしい。自分の文章の校正ができなくなった。ひらがな一文字の誤字脱字を見つけることができない。「校長室だより~燦燦~」や「園長通信~こころ~」のミスのパターンが、ひらがな一文字なのである。講話や講演の資料にも同じような傾向が見られる。                                           最初は、目がわるくなったせいかと思っていた。老化現象のせいにしていた。あるいは、文字を打ち込むキーボードとの相性に要因を求めていた。だが、どうやら違うらしい。実際に冒頭の「みさなん こんちには おんげきですか?」を疑いもなく読んでしまう。
 脳の補完機能といえばそうなのだが、思い込みのような気がする。間違っているはずがないという先入観である。そうならないように、自分の文章には、間違いがある。それもひらがな一文字。そう頭に入れて校正作業をするのだが、見つけられないときがある。タイポグリセミア現象に打ち勝つことができない。                                     
     富山県にある、どら焼きの老舗が出した広告がある。                                                                  

     みまなさに だじいな おらしせ。こたのび ぜたっいに ばれないように どやらきの

     リニュアールを おなこいました。                                                                                                 

     変だとは思っていても、補正しながら読んで意味を理解してしまう。きっと、この園長通信の読者の皆さんも、私のミスを補正しながら読んでくださっているのだろう。これからは、今まで以上にタイポグリセミア現象に負けないようにしたい。もし、この原稿にもタイポグリセミア現象で読めてしまう箇所があった場合にはご容赦願いたい。                                          
 

N中ソフトテニス部の軌跡 No.29 

                冬休み中の練習

                                                    2025.12.21

 

    ある1年生に聞かれました。「先生、冬休みは家でどんな練習をすればいいですか」なるほど、いい質問です。「それは、~」と説明をしました。すると、今度は別の1年生が言いました。「それをブログに書いてください」

 そういうわけで、冬休み中に、家でできる練習を紹介します。

(1)フォアストローク

  ①   低くかまえる。 → 右足を後ろに引くのと一緒にラケットを上げる。左腕は

      肩の高さまで上げる。これをゆっくり30回くりかえす。

  ②   低くかまえる。 → 右足を後ろに引くのと一緒にラケットを上げる。左腕は

      肩の高さまで上げる。   → 左足を前に踏み込む → ラケットを腰の高さで  

      左足の前で止める。 これをゆっくり30回くりかえす。

  ③   低くかまえる。 → 右足を後ろに引くのと一緒にラケットを上げる。左腕は

      肩の高さまで上げる。   → 左足を前に踏み込む → ラケットを腰の高さで

      振り右腕を首に巻き付ける。左腕は肩よりも下がらないようにする。 

       → 最後におへそが打ちたい方に向いているか確かめる。腰が回転していれ

      ばそうなる。これをゆっくり30回くりかえす。

(2)ファーストサービス

  ①   左腕でトスを上げる。投げるのではなく押し上げるイメージで。 

      →  上がったボールを頭の上で左手でつかむ。頭の上か、頭よりも少し前で

      つかめれば合格。つかむときにひざが少し曲がればなおいい。これをゆっく

      り30回くりかえす。

(3)バックストローク

  ①  右足を斜め前に出すのと一緒にラケットをうしろのほうまで引く。

     → 腰を回転させながらラケットをひざの高さで右足の前でとめる。これを

    30回くりかえす。

  ②  右足を斜め前に出すのと一緒にラケットをうしろのほうまで引く。

     → 腰を回転させながらラケットをひざの高さで右足の前でとめる。

     → そのまま腰を回転させて、とめたラケットをボールをとばすほうに向け 

       る。 → 打ち終わったら低くかまえる。これを30回くりかえす。

   大切なことは、1回1回考えながらゆっくりやることです。回数が大事なので

  はありません。正しい打ち方、きれいな打ち方を身に付けることが目標です。

    (1)から(3)まで15分かかったとします。これを1日に何回かやるよう

  にします。1日に1回やるのと、1日に4回やるのとでは全然身に付き方が違い 

  ます。学校の部活動がなくても、家でやれることはたくさんあります。冬休みの

  自主的(じしゅてき)な取り組みに期待しています。