ここで僕が信号機の前でこの二人に話しかけられたということを思い出して欲しい。
当然、赤信号で止まっていたのは僕だけではなかったのである。
気が付いたら僕は、立ち去ろうとする紺色たちにこう言っていた。
僕「何故この人たちのことも調べないのですか?もしかしたら犯人かもしれないじゃないですか?」と…
乗りかけた自転車から降りてこちらに近づいてくる紺色たち。
僕「これはおかしくないですか?何故僕だけが疑われて、彼らのことは調べないのですか?ここは公平に全員を調べるのが筋というものではないのですかね」
何も言わない紺色。目は真っ直ぐ僕に向けられている。
いつにもなく相手の目をしっかりと見て、なおも僕は続けた。
「コレはおかしいですね。ここで僕を調べるなら同時に、近くの人も調べる。そうすれば、より市民の安全を守れるんじゃないのですかね。何より、僕に対してあまりにも失礼すぎじゃありませんか」
ついに本音をもらした僕(笑)
そして紺色たちはヤレヤレといった面持ちで話し始めた。
「私たちはけっしてあなたを疑って調べたわけではありません。あなたが自転車の電気をつけていなかったので、それを注意するためにまず止めて、そのついでに調べさせてもらっただけです。当然他に同じような人がいれば、同じ行為をしています」
なかなかイイ返しをしてくる紺色A。
「それは説明になっていないですね。あなたは警官ですが、一人の人間として考えて見てください。ここにいる数人のうちで自分だけが疑われるってことはどれだけ非道なことかを。人間としておかしくないですか(警官としては正しいかもしれないけれど)。止まっているついでに全員に聞いて回ることも出来たはずです。しかし、何故あなたたちはそれをしない。それは明らかにおかしいですね。ついでにやればよかったじゃないですか」
今度は見かねた紺色Bが話してきた。
「私達はいまパトロールの途中です。まだ他にも回るところがあるので、全員を調べていては回りきれないのです。自転車の電気をつけていない人がいれば全員に注意していますし、調べもしています。決してあなただけのことを調べたわけではないのです」
ここで僕の頭に一筋の光が降りてきた。もう少しはやく気が付いていれば、よかったと今は思います。
『僕は犯人像と一致するのかもしれない』ということを。
たしかにまわりにいる男性二人は中年のオッサンと身長165cmぐらいの若者だけである。
もし犯人像が180cmぐらいの痩せ型。
もしくはメガネ姿も加われば自分そのものではないか、ということを。
更に頭は空転かもしれない回転を続ける。
そういえばいつもは防犯登録を確認するときに必ず名前を聞かれるけれど、今日は聞かれなかった。
これは明らかにはじめから荷物検査をするために仕組まれた罠だったのかもしれない。
コイツらよくもいけしゃあしゃあと抜かしやがってくれたな。
頭の中で自己完結し、妙に納得した僕はこう言った。
「そうですか。わかりました。わかればいいんですよ。ではこれからも頑張って下さい。お疲れ様です」
「いえいえ、こちらこそご協力アリガトウゴザイマシタ。では」
再び自転車に乗り込み立ち去る紺色たち。
信号は赤と青を繰り返す事4回、その間そこを通りかかった人は8人ぐらいだったと記憶している。
今日も寒い夜でした。
↓ロボの方がマシだぜ(笑)
ロボコップ 〈特別編〉
