252 One Foot in the Grave ★★★★★ | ローリング・サンダー・レビュー

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One Foot in the Grave: Deluxe EditionOne Foot in the Grave: Deluxe Edition
(2009/05/25)
Beck

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BECKがヒップホップ調の『Mellow Gold』でポップ・ミュージックのひとつの扉をぶち壊したとき、こっそりとインディーズで出されていたのがこの『One Foot in the Grave』。墓に片足を突っ込んで、なーんて洒落たタイトルのこのアルバムは、ヒップホップから遠く離れたブルース調。適当にガーガーと鳴るギター、力の抜けたボーカル、すべてがロー・ファイのきわみ。まるで近所の兄ちゃんが吹き込んだような「生々しさ」。80年代に失われた音の生々しさを復活させたのは間違いなくBECKだ。それにしても、適当でありながら、いや適当であるからこそなのかもしれないが、このアルバムは本当に素晴しい。適当なギターも、歌も、心地よく格好いい。このアルバムを聴くたびに、BECKの音楽の根底に流れるブルースの重さを感じる。『War Child Heroes』というチャリティーアルバムで、BECKはボブ・ディラン自身の推薦によりディランの「Leopard-Skin Pill-Box Hat」を歌っている。ブルースはかたちを変えながら着実に次の世代に受け継がれている。