199 誰も守ってくれない ★★★★★ | ローリング・サンダー・レビュー

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むちゃくちゃ良い映画だった。
モントリオール世界映画祭最優秀脚本賞受賞作品。

監督・脚本の君塚良一は「踊る大捜査線」で有名だけど、僕は「ラブ・コンプレックス」という君塚脚本のドラマに衝撃を受けた。もう断然に凄かった。きわめて実験的かつエンターテイメント。この君塚脚本の面白さは今回の映画においても健在である。mixiレビューを見ていると、「リアリティがない」などの批判が多く見受けられたが、この「ありえなさ」こそが君塚脚本の本質、過剰がグルーヴを生み、物語は予定調和にならず、はるか彼方へととんでゆく。

現代社会を揶揄したようなシーンが多く、それにひっかかる人が多いのもわからんではないが、この映画はあくまで映画なのであって、加害者の家族の人権がどうのとか、マスコミがどうのとか、そんなもんは表面的な、材料のひとつにすぎない。それについての解答が欲しければ、映画なんか観ずに本を読むべきだろう。

役者も非常に良い。
主演の佐藤浩市は僕は大変好きな俳優で、この人はいるだけで映画になってしまうからすごい。志田未来も非常によく、チョイ役の松田龍平が良い味を出している。

誰もが悲しみを背負いながら、悲しみを乗り越えていくラストシーンの美しさは圧巻で、「いかにも」なシーンや説教臭いセリフなどどうにも気にならないくらい、映画には目に見えない何かが映っている。