![]() | ラストエンペラー (2001/06/21) ジョン・ローンジョアン・チェン 商品詳細を見る |
清国最後の皇帝、愛新覚羅溥儀。
3歳で皇帝になり、61歳で庭師として死んだ。
皇帝になったのも、庭師になったのも、
なろうとしてなったわけじゃない。
すべての人の、すべての人生は、
運命という偶然にのみ動かされるが、
彼ほど左右に大きく動かされた人間はいない。
紫禁城を貸し切って行なわれた撮影は、
広大な中国にふさわしいスケール感をもち、
しかしひとつひとつの部分がおそろしく芸が細かい。
人と馬と人力車と自転車と自動車とが城内を行き交うさまは、
それだけで時代を感じさせる。
映画として、やはり巧いと思う。
ノンフィクションを映画にするのは、
それが現実であるがゆえに、脚色を交えずには難しく、
脚色によって得られる面白さと、失われるリアリティと、
それを天秤にかけて判断する必要がある。
フィクションとノンフィクションの狭間で、
この映画はノンフィクションのリアリティをとった。
溥儀という激動の人生には、これが正解。
ただ、登場人物が中国人なのに英語でしゃべるのは、
どうにも違和感があるけれど、これはやむなしなんだろうなあ。
何が何でも中国語にして英語字幕にすべきだったと思うけど。
高度な技術と、莫大な金と、映画のような人生と。
これらをつぎ込んで完成した大作は、
何が撮りたかったのかがよくわからない面があるが、
確かに古典として残る水準の映画であった。
