中学二年生になった娘に手紙を送りました。
おじいちゃんが、おとうになぜか、子どもの時、 予防接種をいっさいさせなかったことがありまし た。
それは、おとうが赤ちゃんの頃、なんの予防接種かわからないけど、注射をした日の夜中、ひきつけを起こして、おとうは意識がなくなり、おじいちゃんはそれをみて、「あぁ、この子はもう駄目かな」って思ったそう。あきらめかけていた時に おとうは息を吹き返したそう。
それから、おじいちゃんは、もうこんな想いはしたくないと、おとうが大人になるまで、いっさいの予防接種をさせませんでした。
だから、おとうの左腕には注射の跡がありません
おとうは小学校のころ、予防接種の日は、仲の良い友達からは、「おまえばかり注射しないでずる い」ってさんざ言われました。
当時は、保健室で年輩のお医者さんが予防接種を行っていましたが、お医者さんは、おじいちゃんの手紙をみて、真っ先に「注射は控えましょう」って言いおとうに注射をしませんでした。
それから、学校の先生からは、おとうは落ち着きがなく、ほかの生徒と違うから、先生からそれは 、「予防接種をしてないから」と差別を受けました。
その後、おとうはクラスメートから村八分のいじ めにあって、小学校の五年生の時に大宮小学校の 屋上から飛び降りようと決心し、靴を揃えて飛び 降りようとしたら、下降から、生暖かい空気と枯 れ葉が舞ってきて、無条件に「あぁ、こんなことしてはいけない」って反省し、家に帰りました。
その後、おじいちゃんや兄貴に「どこ行ってたっ」 ってさんざ叱られ、 泣きながら布団に入ったことは今でも、忘れられません。
それから、中学に入ったばかりにも、同じ奴から いじめにあいました。
そのいじめは、プロレスごっこから始まり、後ろから首を絞められて、おとうは「影くん、もうやめて、死んじゃうよ」って泣きながら訴えまし た。
影○くんは、笑って「死んじゃえ」って言った。
おとうは視界が真っ白になりました。その時、あまり覚えてないけど、「必死に死にたくない」って心の底から湧き上がるものがあり、 気が付いたら、影くんの体へ馬乗りになっていて、顔面を強打していました。影山くんは泣きながら、「もうやめて」って言ってたけど、おとう は「さっき人殺ししようとしてたよね」って言って 、顔面腫れあがるまで殴った。
その時、偶然教室に入ってきた担任がそれをみて 、「芹澤、何やってんだ」って、おとうを殴り蹴り 飛ばし、おとうは顔面をぼこぼこにされた。
家に帰ると、おじいちゃんが、おとうをみて、「 なんだその顔は」...
「階段から落ちた」...
おじいちゃんは、おとうの左手の脈をみて、「早く休め」って家に入れてくれた。
おじいちゃんはおとうを守るのに必死だった。
親は子の命が何より尊い。
結ちゃん、それは、おとうも同じです。
いつかかならず
その言葉の奥にあるものに
娘さんが気づく
そして その想いは
時を経て
世代を超えて
繋がっていく
と
和多志は思うよ
たくさんの愛のカタチ
どれも根っこは繋がってるからね