「偏食」はどうしようもない理由が多い | 美食家じゃない人の食ログ集積所

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美食家ではない。
ただ食べるのが好きなだけ。
そして、どうせ食べるなら美味しいのが食べたい。

敢えて名乗るなら、「多食家」かもしれない人の食の履歴です。

最近、他のところで「旅先の食に困るとき」にどうしたらよいか?というのを書いているんですけどね。


旅行を抜きにしても大切なことがあるなと思ったのと、より多くの「聞いてほしい人」に届きそうなのがアメブロだと思ったので、この話を書きます。


関連note貼りますね。


https://note.com/takacchie/n/na69488117473




「偏食」が十把一絡げにできないものだ、なんて知ってる人はどれだけいるんですかね。


幼い子の「ピーマンにがくてきらい」…なんていうのは、発達段階として普通です。


歳を重ねるにつれ苦味を嫌なものと感じなくなる、それが味覚の発達というわけなんですが、そのサポートが「食育」です。食育でフォローしやすいのはこういうケースです。

歳を重ねると味覚の刺激を受け取る力も調整されていく(苦味への感受性も低くなる)ので、「ピーマンは食べ物」という認識が育っていればやがて食べられるようになっていく。一般にはそういう流れが生まれるものです。


でも、偏食が強く出る人の場合は特に、そうはなりません。


五感のどれかが、他の人がどうでもよいか感じないような何かを極度に感じ取ってしまい、脳が「食べ物ではない」と受け取ってしまう。そういうのがあるんですよね。


子供にとってピーマンがいくら苦いと言っても、他の風味の部分ごと無理に感じるというわけではないはずです。その風味を覚えさせるのが「食育」で、それがやがて「ピーマン食べてみたけど意外に美味しく食べられたわ」という体験に変わっていくのでしょう。人によっては、苦味が少ない品種なら子供のうちから美味しく食べられるかもしれません。


ですが、そんなピーマンの苦味でさえ舐めると火傷する劇薬のように感じてしまうとなれば、話が変わってきます。

そうなるとピーマン本体の味もなにもないですし、食育は成り立たないでしょう。もちろん、それでもやがて食べられるようになる人もいるでしょうが、他の子より運要素が強くなると思います。


嗅覚過敏でいうと、「松茸の香りが嫌い」なら日常生活でほとんど困りませんが、「青臭いもの全部嫌い」級になると逃げ場が極端に減ります。ビタミンCの供給元の大部分が潰れますからね…。


触覚でいうと「白米は口の中でねっちゃりしてくるから嫌い」とか。なお、幼い子はこういう触覚にまつわる表現ができないので、養育者にとってはよりわかりにくくて厄介なようです


このくらいになると本人の努力も家族の努力もあったもんじゃないですよね。




加えて、余計に話を面倒にするものに、「トラウマ」があります。


舌が育っても、例えば「子供の頃強要された記憶」で食べられないというケースもあるのです。


偏食が多い子ほどトラウマも植え付けられる場面が多いですから(今は改善されたようですが、昔の給食の時間なんてトラウマ製造機でしたよね)、中には「食べること自体が苦痛」となっている人もいることでしょう。


ちなみに「トラウマ」は嫌な食べ物の強要だけではなく、たとえば「親子丼をマーライオンした奴を目撃して以来、半熟玉子系が駄目になった」という人もいるので、好き嫌いの少ない人でさえどこでどう植え付けられるかわからないものです。


私にも「とろろがけごはん(麦トロ丼も含む)」という嫌いなものがあるのですが、これは何をどうやっても、味わわずに飲み込むしか対処ができません。


温かいとろろそばであれば食べられるので、他人よりシュウ酸カルシウムに過敏なせいかもしれませんが、親が好きなせいで食卓での強制イベントが何度もあり、その度に酷い目に遭ったというトラウマが確実にあります。


偏食の人を責められる立場ではないですよ。




ここに「実は体質的に駄目でした」(牛乳でおなかを壊す乳糖不耐症とか)も混ざると面倒なことになるので、「偏食」って無理して直す方が問題を起こすのではないか?と今は感じています。


私の場合、昭和〜平成初期の給食観の中で、とりあえず給食で困ることはない程度に食べられるようにはなりました。


ですが、「昼休み(以降)まで給食を食べさせられる生徒」はいましたし、「そこまでするものなのだろうか?」とも思いました。


今ならはっきりと「そんなことはするな、虐待だ」と言えますし、それよりはどのルートから過不足のない栄養を摂るかを全力で検討した方が良いです。


ていうか、体が大きくいつも走ってるような少年と、華奢な少女を一緒にするなよなと思いますし、なんなら私のような低身長の生徒に同じだけの量を早食いさせたら、そりゃ肥満にもなるだろうが!とか言いたいことはありますね!(私怨ここまで)


強固な偏食を持っているお子さんを育てている皆さんは、いかにその子に栄養をつけるか全力で考えて試行錯誤されているのでしょう。

偉大です。本当に。