ヒゲの日。
ヒゲの八の字は、8月8日の「8」と「8」で、「パ(8)パ(8)」にも通じることから、ヒゲ剃り用品メーカーの日本ワーナー・ランバート株式会社(東京都品川区上大崎に本社を置く、現在のシック・ジャパン株式会社)が1978(昭和53)年に制定。因みに、3月3日の「耳の日」、8月7日の「鼻の日」、10月10日の「目の愛護デー」と合わせて、「日本四大顔面記念日」と呼ばれることもある。ヒゲ(髭)は、ヒトの顔から顎の下にかけて生える毛のことで、くちひげ(髭)、あごひげ(鬚)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分ける。英語においても、同様に使い分けられている。一方、日本語の「ひげ」のように、3者を統括した漢字や英単語は存在しない。人種、個人により、ヒゲ濃さにはかなりの差がある。また、髭の生える理由については今もって不明である。他の体毛と比べると大変硬く、同じ太さの銅線に匹敵すると言われる。そのため、髭を剃る時には、蒸しタオルや湯等で髭を柔らかくしておいた方が良い。髭の有無やその容態は、その人の印象に大きな影響を与える。近世以降の日本、現代の欧米やその文化的影響を受けた地域の殆どの成人男性は、カミソリ、電気シェーバー等を用いて、髭の手入れを日常的に行なう。日本では、中世から江戸時代初頭にかけて、武士は髭を蓄えることは当然とされ、髭のない武士は嘲笑された。そのため、髭の薄い者(豊臣秀吉が有名)には、付け髭を付けることが行なわれた。この髭を生やす流行は、江戸時代初期まで続いた。江戸幕府が安定期に入り、江戸時代中期の文治政治(江戸幕府第4代将軍徳川家綱から江戸幕府第7代将軍徳川家継までの間の政治)の時期に入ると、戦国の気風が幕府に対する謀反の心として警戒されるようになり、大名に髭を剃ることが奨励され、「風紀を乱す」として禁止されるに至った。多くの武士も髭を剃るようになり、月代(江戸時代以前の日本に見られた成人男性の髪型において、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃り上げた部分)と髷(日本髪で、髪を束ねて折り曲げた部分)と共に、17世紀中葉までに定着するようになった。江戸時代には、髭を蓄えることは、降職した武士等の一種の服喪の表現であり、髭を蓄えた人間はどこかしら「卑しい人間」というイメージがあった。西洋では18世紀頃から、特に、ヴィクトリア朝イギリスで髭を蓄えることが流行し、日本でも、明治時代にはその影響から、地位の高い男性の間では再び髭を蓄えることが流行した。現代の文化においては、髭は無用の長物に過ぎず、相手に必ずしも好印象を与えるものでもないため、生やす者よりも剃る者の方が多い。特に、中途半端な髭の生やし方は「無精髭」という俗称で呼ばれ、不衛生と感じる人もいる。概ね、高等学校段階までの大部分の学校では、髭を生やすことを校則で禁止している。また、大部分の企業でも、食品製造業、飲食業では衛生上の観点という口実から、その他の業種でも接客業を中心として、対外的イメージの観点から髭を生やすことを、就業規則や服務規程で禁止していることが多い。但し、髭を生やすことを就業規則や服務規程で禁止していない場合、髭を生やしていることを理由に、昇格・昇給等の査定で不利益な扱いをすることや、解雇・停職・降格・減給等の懲戒処分をすることは、人権侵害という判例がある。
タコの日。
広島県の南東部に位置し、「浮城」の異名を持ち、瀬戸内海を軍事的に掌握する為に建てられた、三原城の城下町を起源とする広島県三原市は、広島県福山市・尾道市・三原市、岡山県笠岡市・井原市等の備後都市圏の中心都市の1つとして、その一翼を担う。広島県三原市の観光振興を目的とする三原観光協会(現在は、一般社団法人となっており、所在地は、広島県三原市城町)が、8月8日の「8」と「8」で、タコの足の数が8本であることに通じる、として制定。三原市は、タコの名産地としても知られ、タコ漁は、江戸時代より代々、世襲制で引継がれている。この日には、タコフェスタ(タコの料理教室等)や、タコ供養(三原市内の寺院での供養)等を行なっている。タコの種類には、「マダコ」「イイダコ」「ミズダコ」「ヤナギダコ」「テナガダコ」「ワモンダコ」「ウデブトダコ」「ムラサキダコ」等があるが、三原で獲れるタコは「マダコ」が殆どとなる。「マダコ」は低水温に弱く、適水温は概ね、15℃から23℃と言われる。砂礫底に多く、岩礁や砂泥底には比較的少なく、岩のくぼみや人工の壺等に隠れる習性がある。三原市では、タコ産卵礁として、1963(昭和38)年から毎年、タコ壺を海中に投入し、タコが産卵し易い環境を整備している他、築いそとして、1987(昭和62)年から毎年、自然石を海中に投入して、タコが成長し易い環境づくりも行なっている。タコは、手近で美味なたんぱく質の供給源として、世界各地の沿岸地方で食用されており、日本でも食生活に深く根付いている。タコ類は、多様な種が知られているが、日本では一般的に「タコ」と言えば、食用等で馴染み深い「マダコ」を指す場合が多い。タコは、海洋棲の軟体動物で、主に岩礁や砂地で活動する。淡水に棲息する種は知られていない。日本人とタコの関係は古く、池上・曽根遺跡(大阪府和泉市池上町から大阪府泉大津市曽根町に跨る地域にある弥生時代中期の環濠集落遺跡)等の大阪府下の弥生時代の遺跡からは、蛸壺形の土器が複数出土している。加熱調理されることが多く、多くの種は茹でると鮮紅色を呈する。料理では、刺身、寿司、煮だこ、酢だこ、酢味噌和え、おでんの具材等に用いられる。たこ焼きやその原形とされる明石焼きの具材としても親しまれている。また、瀬戸内海周辺地域等では蛸飯に供される。なお、下処理として、表面のぬめりを取るために塩揉みされることも多い。 低カロリーで、たんぱく質、特にタウリンが豊富である。また、亜鉛も多く含む。夏場のものが特に美味とされる。日本では、その形態、生態が極めて特徴的でユーモラスでもあり、また、茹でると真っ赤になる等といった性質から、漫画・映画・テレビ番組等でキャラクター化されることが多い(しばしば、胴体に鉢巻を巻いた姿で描かれる)。単純に馬鹿にする言葉としても、「タコ」という呼称が使われ、転じて、馬鹿や初心者を指して「タコ」という表現もあちこちで見られる。同じ墨を吐く動物として、イカと対比されることが多い。なお、関西地方では、7月2日頃の半夏生にタコを食べる人が多い。それは、タコに多く含まれるタウリンがスタミナを付け、夏バテ防止になるからと言われる。タウリンは生体内で重要な働きを示す分子であり、タウリンには「身体、細胞を正常状態で保つ作用」がある。そこで、7月2日頃の半夏生の日を、タコについてさまざまな研究を行なっている蛸研究会が、「蛸の日」と定めている。
子ども会の日。
3月3日の「ひな祭り」と5月5日の「端午の節句」を足した日が、8月8日となることから、東京都文京区大塚に本部を置く、56の都道府県と市等の子ども会を会員として組織された社団法人、全国子ども会連合会(現在は、公益社団法人となっている)が制定した。全国子ども会連合会の主催による行事の他、毎年、各地で催し物が行なわれている。子ども会は、小地域で組織され、保護者や育成者の下、子どもの健全育成を目的として、異年齢の子どもが集まる団体で、「○○クラブ」「○○少年団」等と呼称されることも多い。公益社団法人全国子ども会連合会は、子どもの心身の成長発達、異年齢の集団による仲間活動、子どもの遊びを捉えた活動等を行なっている。子ども会の活性化や、子どもの健全育成・指導者養成もその役割で、公益財団法人日本レクリエーション協会(東京都台東区台東に本部を置く、日本のレクリエーション活動を推進する団体)と共に、子どもの楽しむレクリエーション活動を行なっている。