7月10日 記念日 その3 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

ウルトラマンの日(続き)。
ウルトラマンの活動時間は、「3分間」と視聴者に認知されているが、『ウルトラマン』の劇中において、3分間と言及されている訳ではない。劇中に於いて、「ウルトラマンのエネルギーは3分間しか続かない」と初めて明言されたのは、1971(昭和46)年4月2日から1972(昭和47)年3月31日にTBS系で、毎週金曜19:00 - 19:30に全51話が放送された特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』の第1話である。なぜ制限が3分間であるかについて、円谷プロの満田かずほ監督は、予算を大量に浪費する特撮・格闘シーンを30分番組の1割に当たる3分間に収める、という約束事がなされたため、と語っている。また、当時の人気格闘技ボクシングにおける1ラウンドの試合時間、長嶋茂雄の背番号等からヒントを得たとしている。撮影費用の掛かる特撮部分の経費削減と、ウルトラマンが完全無欠のヒーローであり過ぎると話に面白みが欠けるので、子どもにも判り易い弱点を作ることが目的で、当初のデザインでは存在していなかったカラータイマーと、変身時間の制限が導入されたと言われている。カラータイマーの点滅については、当時主流であった白黒テレビを考慮しての面が大きい。カラータイマーは、デザイン上の要請とは無関係に考案されたものであり、デザイン担当の彫刻家、成田亨はこれを嫌い、自身が作成したウルトラマンの絵画や塑像には、カラータイマーを付けていないことも多い。また、ウルトラマンの変身・巨大化時の右手を宙空に突き上げたポーズの人形には、カラータイマーが付いていない。しかし、ウルトラマンに不可欠なデザイン上の特徴として、以後のウルトラシリーズに継承され、他の類似作品にも大きな影響を与えた。成田亨は、次作『ウルトラセブン』をデザインする際に、このことを見越して、ウルトラセブンの額に小さなランプを予め盛込んでおり、実際にシリーズ中盤から活動限界を知らせる機能が追加されている。ウルトラマンのデザインは、前作『ウルトラQ』でも、怪獣や宇宙人のデザインや、セットの美術デザインを手掛けた成田亨が担当した。仕上げの最終段階で平面上の作業に見切りを付けたため、デザイン画の決定稿は存在しない。成田亨の指示の下、美術スタッフの佐々木明が、粘土による造型作業を繰返す中で、マスクと身体の模様ができ上がった。成田亨のデザインイメージでは、ウルトラマンはマットなシルバー塗装ではなく、メッキ加工による銀であったという。造形は、演技者の古谷敏の体型を採寸し、ライフマスク(生きている人間の顔の形を写し取ったマスク)を取って、完全に古谷敏専用として作られており、他の演技者が着用することは考慮されていない。古谷敏の体型が八頭身であることから、大きめのマスクを着けることで、成田亨が人体の美の理想とする七頭身になるとしている。『ウルトラマン』終了後、『ウルトラマン』の流れを汲む作品群「ウルトラシリーズ」が制作され、各作品のヒーローは「ウルトラマン」と総称されるようになった。その後、作中世界においても、2006(平成18年4月8日から2007(平成19)年3月31日まで中部日本放送(CBC)・TBS系列で全50話が放送された『ウルトラマンメビウス』の物語冒頭で、ウルトラの父がウルトラマンに対し、地球人が光の国の戦士達を「ウルトラマン」と呼ぶと語り、光の国の戦士達の総称として、「ウルトラマン」という名称が定着していることが、物語にも反映された。その姿は基本的に、ガラス繊維等の繊維をプラスチックの中に入れて、強度を向上させた複合材料である繊維強化プラスチック(FRP)製のマスクと、ウェットスーツをベースにしたスーツで造形され、銀と赤を基調としたデザインや、胸部の発光器等の特徴がある。しかし、それぞれの要素に例外が多く、全員の共通項を示すのは難しい。当初は、M78星雲光の国と呼ばれる特定の星の出身と設定されていたが、シリーズが続くにつれて、ウルトラマンレオやウルトラマンジョーニアス等、M78星雲出身でないウルトラマンや、ウルトラマンガイアのように宇宙人でないウルトラマンも登場し、出自の設定も多彩になっている。『ウルトラQ』と『ウルトラマン』は、制作時点では一応、別の物語として作られた。『ウルトラQ』と『ウルトラマン』の繋がりは、明確に語られていない。ただ、『ウルトラQ』のタイトルを破壊して『ウルトラマン』のタイトルになる演出自体が、『ウルトラマン』が『ウルトラQ』の第二期の作品である点を示している、とも言える。また、『ウルトラマン』では、『ウルトラQ』第20話「海底原人ラゴン」に登場するラゴンの存在や特性が、最初から科学特捜隊の隊員達に知られていることや、『ウルトラQ』第19話「2020年の挑戦」に初登場したケムール人が、『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」に登場した際には、2代目とされていること等、劇中に登場する怪獣や宇宙人の一部が、劇中では語られていないところで、何らかの形で現れていたことになっており、『ウルトラQ』との関連が示唆されている。現在では、『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』は、同一の作品世界とされることが多いが、制作当初は、別の作品世界として制作されていた。この当時の設定を引継いだ作品として『平成ウルトラセブン』(他のウルトラシリーズと関連しない形での『ウルトラセブン』の続編)が制作されている。『平成ウルトラセブン』第1作『太陽エネルギー作戦』では、一部他作品の設定を含めた描写があるが、ウルトラセブン以外のウルトラ戦士や、ウルトラ警備隊以外の防衛チームについては言及されていない。また、『ウルトラセブン』と『平成ウルトラセブン』の間には、長い空白期間が設定されている。『ウルトラセブン』の劇中音楽は、合唱曲、特に、児童合唱のための作・編曲が多い作曲家、蒔田尚昊(映画やテレビの音楽を担当する際は、冬木透の名前を使っており、ウルトラシリーズ等が著名で、特に、1971[昭和46]年から放映された特撮番組『帰ってきたウルトラマン』の防衛隊、MATのテーマで流れる男性コーラス「ワンダバ」は、その後のウルトラシリーズの防衛隊音楽に大きな影響を与えた)が担当した。ジャズ編成の劇伴(伴奏音楽)が多用された『ウルトラマン』(音楽は、初期ウルトラシリーズのイメージ作りに、音楽面で大きく貢献した作曲家、宮内國郎が担当した)から一変して、オーケストラ編成主体の楽曲が多くなっている。蒔田尚昊(冬木透)は、奥行きのある世界観を表現するために、多くの楽器や編成を用いる形で検討した結果、シンフォニックな(管弦楽によって演奏される、多楽章構成の大規模な楽曲、交響曲的な)スタイルに至った、としている。また、音楽の面では、クラシック音楽志向が覗われる。『ウルトラマン列伝』は、テレビ東京系列で2011(平成23)年7月6日から2013(平成25)年6月26日まで、全104話が放送された、円谷プロダクション制作の特撮テレビ番組である。1966(昭和41)年に『ウルトラマン』のテレビ放映が開始されてから、2011(平成23)年で45周年になることを記念し、『ウルトラマン』以降、45年間に放映された昭和・平成全ウルトラシリーズのエピソードの中から、これまでの名作・傑作エピソード、人気怪獣・宇宙人の登場エピソードを厳選し、再編集した他、歴代ウルトラマンの活躍を纏めたスペシャル総集編等も放送された。