2月22日 記念日 その2 | スズメの北摂三島情報局

スズメの北摂三島情報局

2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

猫の日。
2月22日の「222」を、猫の鳴き声「ニャン、ニャン、ニャン」ともじって決められた日で、イギリス文学者・翻訳家・随筆家の柳瀬尚紀ら、愛猫家の学者や文化人が「猫の日制定委員会」を発足して、1987(昭和62)年に制定し、ペットフードメーカーにより組織された業界団体、一般社団法人ペットフード協会(事務局所在地は、東京都千代田区神田須田町)が主催する。公募が行なわれ、約9,000通の応募の中で約3割を占めた、「2」が3つで猫の鳴き声「ニャン、ニャン、ニャン」となる2月22日に決定した。この日には、猫のコンテスト等の行事が行なわれる。2010(平成22)年の「猫の日」は、平成では22年であったことから、「22.2.22」となった。そのため、茨城県水戸市の郵便局3局では「平成ぞろ目の日記念」と題して、猫の記念小型印が当日使用された。猫の日は、世界各国でも制定されており、ロシアでは3月1日、アメリカ合衆国では10月29日である。また、8月8日は、国際動物福祉基金(IFAW)とその他動物団体が2002(平成14)年に定めた「世界猫の日(International Cat Day、World Cat Day)」とされている。日本における猫の日は、「猫の日実行委員会」が、一般社団法人ペットフード協会の前身である任意団体、ペットフード工業会と協力して、「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫と共にこの喜びをかみしめる記念日を」という趣旨で制定された。猫は、狭義にはネコ目(食肉目)- ネコ亜目- ネコ科- ネコ亜科- ネコ属- ヤマネコ種- イエネコ亜種に分類される小型哺乳類であるイエネコ(家猫)の通称である。人間によく懐くため、イヌ(犬)と並ぶ代表的なペットとして世界中で広く飼われている。より広義には、ヤマネコやネコ科動物全般を指すこともある。イエネコの起源は、ネズミを捕獲させる目的で飼われ始めた(狭義の)ヤマネコの家畜化であり、分類学上はヤマネコの1亜種とされる。イエネコは、形態学的分析を主とする伝統的な生物学的知見によって、以前からアフリカ北部、中近東、アラル海までの西アジアに生息していたリビアヤマネコが原種とされてきた。 また、20世紀後半から発展した分子系統学等による新たな知見も、従来説を裏付ける形となった。愛玩用家畜として同じく一般的な犬に比して、猫は飼育開始の時期が遅いが、これは家畜化の経緯の相違による。犬は、狩猟採集民に猟犬や番犬として必要とされ、早くから人の社会に組込まれたが、猫は、農耕の開始に伴ない鼠害(ネズミの害)が深刻にならない限り有用性がなく、むしろ狩猟者としては競合相手ですらあった。その競合的捕食動物が人のパートナーとなり得たのは、穀物という「一定期間の保管を要する食害を受け易い財産」を人類が保有するようになり、財産の番人としての猫の役割が登場したことによる。また、伝染病を媒介する鼠を駆除することは、結果的に疫病の予防にもなった。さらに、記録媒体として紙等の食害され易い材料が現れると、これを守ることも期待された。日本へは、穀物倉庫の番人として渡来したと考えられている。体の大きさは、現生するネコ科の他の殆どの動物に比べて小さく、体重は約2.5kgから約7.5kgの範囲に収まるものが多いものの、大型のものでは、体長(頭胴長)約75cm、尾長約40cm、肩高約35cmに達する。樹上生の傾向が強く、また、待伏せ型捕食者の典型である猫の特性は、様々な身体的特徴として見ることができる。非常に優れた平衡感覚に、柔軟性と瞬発力の極めて高い体の構造、武器である鋭い鉤爪や牙を持ち、足音が非常に小さく、体臭が少ないことも挙げられる。 また、爪を自由に出し入れできることは、その鋭さを常に保持できることを意味し、殆どのネコ科動物に共通する特徴である。爪は何時も研いで鋭くする。長く追うことで疲弊させる、或いは、組織的な罠によって追詰める追跡型捕食者であるイヌ科動物とは対照的である。吻部(眼窩下部から口先、若しくは鼻先までの部位)が突出していない丸い頭部を持ち、正対視するのに有利な前面に眼窩(がんか)が開いている。このことは、猫とヒトに共通の身体的特徴で、眼による感情表現が豊かであることも意味し、これがヒトが猫に対して抱く親近感の理由ではないか、とも考えられている。他のネコ科動物にも見られる「ゴロゴロ」と喉(のど)を振動させる音のメカニズムには複数の説があり、はっきりとしていない。この音は、親子間のコミュニケーションにも用いられる。猫の知能は、哺乳類の中でも高い部類に属し、人間とのコミュニケーションもかなりできることが、犬と並ぶ愛玩動物の地位を獲得した要因となっている。根気よく繰返して教えれば「ごはん」「おやつ」「遊ぶ?」のような簡単な言葉を聞き分け、意味を理解できるようになる個体も存在する。俗に「ネコは頭が良い、イヌは賢い」とよく言われるが、これは知能というよりも、人間の都合からみた従順さである。また、メインクーン等に代表される、体長1m前後に達する大型種は、人間に従順で、時に犬のようにふるまう。これは、猫と共通の祖先を持つ犬にも見られる傾向であるが、大型種自体が少ない上に、犬の種別間程はっきりした体格差はないことから、特に日本では、大型種の存在とその性格についての認知度は低い。猫は犬と同様に、人間に身近な動物であることや、擬人化し易いことから、漫画や文学作品等のフィクションのキャラクターとしても数多く登場する。また、猫の性格は気まぐれとされ、行動・習慣はむしろ頑固で、多分に自己中心的であり、犬が飼い主のしつけによく反応し、強い忠誠心を示すこととは対照的である、とされている。これは、犬が元来群れを形成する動物であり、飼い主を群れの仲間(多くの場合は、自分よりも上位)と認識するのに対して、元来単独で行動する猫では、そのようなことがないのが原因、と言われる。また、猫の飄々とした性質や姿形から、幻想的な象徴として描かれることも多い。農家にとって鼠を捕る猫は、豊穰と富を象徴する生き物であったが、豊穰というものは連続する再生(生産)であり、そのための死(消費)をも意味する。猫の特徴として、光の量によって大きさの変化する瞳が挙げられるが、これは月の満ち欠けに擬えられた。月もやはり、死と再生を繰返すと考えられていた存在である。後世では、この死を司るという特質が強調されるようになり、中世ヨーロッパでは、魔女の使い魔とも見做されるようになった。イスラーム世界では、イスラーム教の開祖である預言者ムハンマドが猫を可愛がっていたと伝えられており、現在でも猫は好まれる。昔から日本では、猫が50年を経ると尾が分かれ、霊力を身に付けて猫又になると言われている。それを妖怪と捉えたり、家の護り神となると考えたり、解釈はさまざまである。この「尾が分かれる」という言い伝えがあるのは、猫が非常な老齢に達すると背の皮がむけて尾の方へと垂れ下がり、そのように見えることが元になっている。猫又に代表されるように、日本では「3年、又は13年飼った古猫は化ける」、或いは「1貫、若しくは2貫を超すと化ける」等と言われるのは、付喪神(日本に伝わる、長い年月を経た道具等に神や精霊[霊魂]等が宿ったもの)になるからと考えられている。 肥前国佐賀藩で起こったお家騒動『鍋島騒動』を始め、『有馬の猫騒動』等の講談で語られる化け猫、山中で狩人の飼い猫が主人の命を狙う『猫と茶釜のふた』や、鍛冶屋の飼い猫が老婆になりすまし、夜になると山中で旅人を喰い殺す『鍛冶屋の婆』、歌い踊る姿を飼い主に目撃されてしまう『猫のおどり』、盗みを見付けられて殺された猫が、自分の死骸から毒カボチャを生じて怨みを果たそうとする『猫と南瓜』等は、こういった付喪神となった猫の話である。他にも、日本人は「招き猫」がそうであるように、猫には特別な力が備わっていると考え、人の側から願い事をするという習俗があるが、これらも民俗としては同根、或いは類似したものと考えられる。