12月23日 記念日 その5 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

東京タワー完成の日(さらに、続き)。
東京タワーは、その時代や、東京という地理的背景を説明するためのシンボルとして、建設以来、実にさまざまな小説や映像作品の中に登場している。『東京タワー』は、童話作家・作家・翻訳家・詩人、江國香織による長編恋愛小説で、この作品を原作にした映画『東京タワー Tokyo Tower』が、黒木瞳、岡田准一主演で2005(平成17)年1月に公開され、約16億3,000万の興行収入を記録した。『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』は、イラストレーター・エッセイスト・作家で、他にも非常に多種多才な顔を持つマルチタレント、リリー・フランキーの実体験を基にした、自身の母親との半生を綴った長編小説である。2006(平成18)年と2007(平成19)年にテレビドラマ化(単発ドラマと連続ドラマ)、2007(平成19)年に映画化、舞台化されている。『ALWAYS 三丁目の夕日』は、深い人間観察と郷愁表現を持ち味とする漫画家、西岸良平の漫画『三丁目の夕日』(1955[昭和30]年から1964[昭和39]年までの「夕日町三丁目」を舞台としている)を原作とした2005(平成17)年の日本映画である。主演は、子役出身の俳優、吉岡秀隆で、1958(昭和33)年の東京の下町を舞台とし、「夕日町三丁目」に暮らす人々の温かな交流を描くドラマに仕上がっている(当時の東京都港区愛宕界隈[東京タワーが所在する東京都港区芝公園の近隣]を想定している)。建設中の東京タワーや上野駅、国鉄C62形蒸気機関車、東京都電等、当時の東京の街並みをミニチュアとVFX(CG)で再現した点が特徴である。昭和30年代の街並みが再現されたコンピュータシミュレーションでは、東京工科大学メディア学部の研究室が協力した。映画に出てくる、三丁目の住宅、商店、街並みは全てセットで再現されており、東宝第2ステージ、9ステージ、及び、群馬県館林市大西飛行場に建設されたオープンセットで撮影された。三輪自動車ミゼット、家電、店内の商品等は、殆どが各地から集められた本物である。視覚効果(VFX)ディレクターでもある山崎貴監督によると、当時の現実的情景の再現以上に、人々の記憶や心に存在しているイメージ的情景の再生を重視したようである。多くの映画賞を受賞し、高い評価を得ている。2005(平成17)年12月22日、第29回日本アカデミー賞において全部門(13部門)でノミネートされ、2006(平成18)年3月3日、日本アカデミー賞の最優秀賞発表では、この13部門の内、12部門で最優秀賞を獲得した。漫画『三丁目の夕日』を題材にした2007(平成19)年11月3日公開の日本映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編)では、前作で完成した状態で登場し、また、吉岡秀隆が演じる主人公、茶川竜之介の書いた小説では、怪獣(ゴジラ)に壊されている。テレビの勃興を脅威に感じる映画界の人々を描く異色作『マンモスタワー』は、1958(昭和33)年11月16日の21時15分から22時35分までに、ラジオ東京テレビ(現在のTBSテレビ)で、『東芝日曜劇場』(現在の『日曜劇場』)枠で放映されたテレビドラマである。東京タワーは、新興メディア、テレビの象徴として描かれる。聳え立つ東京タワーの下、映画会社の重役達はテレビの将来性を黙殺する。『東芝日曜劇場』としては、TBSテレビに現存する最古のテレビドラマとなっており、当時としては、非常に高価で貴重であった、放送用2インチVTRで保存されている。また、日本映画界の若き才能として活躍していた脚本家、白坂依志夫による脚本で、第13回芸術祭奨励賞を受賞した。出演者は100名以上に及び、当時の名優が揃っており、映画フィルムとは違った雰囲気を観ることができる。怪獣と東京タワーは縁が深い。最初に東京を襲った大怪獣はゴジラであるが、その際には東京タワーを破壊していない(第1作の公開は1954[昭和29]年であり、東京タワーは竣工すらしていないからである)。しかし、その後は東京タワーを倒す怪獣が数多くなり、特に、テレビで怪獣ものが流れるようになってからは、頻繁に倒されるようになった。なお、日本の怪獣映画のスターであり、最初の怪獣映画でもある初代ゴジラが東京タワーを倒した、との印象が広く浸透している。例えば、SFテーマへの取組みや内向的な作風によって、地味ながら通好みの漫画家として評価された、清原なつのの少女漫画作品である『ゴジラサンド日和』では、リバイバルのゴジラを見に行ったかつてのカップルを描写したシーンで、ゴジラが「うりゃっ」という掛け声と共に東京タワーを叩き折っているシーンが出てくる。1961(昭和36)年7月30日に公開された、東宝製作の怪獣映画『モスラ』では、モスラの幼虫が成虫になるため繭を作る。これが、怪獣によって東京タワーが破壊された最初の例となる。ただ、東京タワーが破壊された直接の原因を「モスラを狙った自衛隊の砲撃」と解釈する向きもある。1966(昭和41)年に放送された特撮番組で、ウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)の第1作、『ウルトラQ』第19話「2020年の挑戦」において、巨大化した誘拐怪人ケムール人に、神田博士の発明した「Kミニオード」から発せられる「Xチャンネル光波」を、東京タワーより照射して倒す。これは、東京タワーによって怪獣が倒された、唯一の例と言われる。また、『ウルトラQ』第16話の「ガラモンの逆襲」では、東京タワーは、宇宙怪人セミ人間によって造られたロボット怪獣、ガラモンに倒されている。なお、東京タワーは、他のウルトラシリーズ作品でも多く登場している。その他にも、1964(昭和39)年12月20日に公開された東宝の長編映画『三大怪獣 地球最大の決戦』や、1972(昭和47)年3月12日に公開された東宝の長編映画『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』、2004(平成16)年12月4日に公開された東宝の長編映画『ゴジラ FINAL WARS』、東京都江東区三好に所在する、現代美術専門の公立美術館、東京都現代美術館で、2012(平成24)年7月10日より開催された展覧会「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」で初公開され、2012(平成24)年11月17日より、『巨神兵東京に現わる 劇場版』のタイトルで、長編アニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と同時上映された、特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』(制作会社は、映画やテレビ作品の特殊効果[SFX]や視覚効果[VFX]を手掛ける株式会社特撮研究所、アニメ制作会社の株式会社カラー[代表取締役は、爆発的なアニメブームを巻起こしたオリジナルSFテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』等で知られる、アニメーター・映画監督の庵野秀明]、アニメ制作会社の株式会社スタジオジブリ)等、数多くの怪獣映画において東京タワーが登場し、かつ、破壊されている。星新一、筒井康隆と共に「御三家」と呼ばれる、日本SF界を代表するSF作家で、1973(昭和48)年に刊行されたSF長編小説『日本沈没』が、社会現象にまでなったことで知られる小松左京も、SF短編小説『地球になった男』で、どんなものにも変身できる能力を持った男が、気晴らしにゴジラに変身し、東京タワーを破壊する、というシーンを登場させている。