AOC コルトン・シャルルマーニュのワイン その2 | ろくでなしチャンのブログ

AOC コルトン・シャルルマーニュのワイン その2

      AOC コルトン・シャルルマーニュのワイン その2

         AOC Corton Charlemagne
                    Commune  Aloxe Corton
                    Commune  Ladoix Serrigny
                    Commune Pernand Vergelesses 

 

◎ 注目生産者


〇 Domaine Bonneau du Martray~ドメーヌ・ボノー・デュ・マルトレ

 

 どこからみてもコルトン・シャルルマーニュを代表するドメーヌ。当主ジャン・ル・ボー・ド・ラ・モリエールによれば、ドメーヌの大区画にはシャルルマーニュ大帝が持っていた畑が含まれるという。アン・シャルルマーニュとル・シャルルマーニュの畑の真ん中という抜群の位置を考えると、いかにもそうだと思われる。コルトン・シャルルマーニュを数本並べてみると、ボノー・デュ・マルトレのものは必ず上位を占める。みずみずしく、独特の触感を持ち、あくまでも芳醇という、まさに期待通りの味わいで、また熟成ぶりも見事である。いつも素晴らしいコルトン・シャルルマーニュの一つだろう。

 

   ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

 

 60 Louis Latour~ルイ・ラトゥール

 

 コルトン・シャルルマーニュの総本山ともいうべき存在で、10㏊もの区画を持つ大地主。当然のことながら、ラトゥールのそれは世界中で最もよく知られている。たいていの人はこれを飲んで初めてコルトン・シャルルマーニュを知り、時にこれ以外を知らない。それで良かったとも言えるし、良くないとも言える。赤白を問わず、全てのラトゥールのワインは作風が軽めになっている。だからといってワインが本来の特徴やメリハリを持たないということはなく、むしろ豊かなほどである。が、もっとあっても良いと思うのは、ワインに薄まった感じがするからで、このことはコルトン・シャルルマーニュにも当て嵌まる。つねに満足のゆく出来栄えではあるものの、ほかの模範的作品を並べて味わってみると、モノラルからステレオにかわるようである。これは残念なことだ。ルイ・ラトゥールにはコルトン・シャルルマーニュ最高の作り手と目されるチャンスも歴史的背景も申し分なく揃っているのだから。

   ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

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〇 Bouchard Pereet Fils~ブシャール・ペール・エ・フィス
 ブシャールはコルトン・シャルルマーニュに3㏊余りの区画を持つ大地主で、良いワインを造るが、見事とは言えない。本来の特徴と深みを持たないことが多いからだ。コルトン・シャルルマーニュは生まれつき豊かな味わいを持つので、これだけ飲む分には満足は行くのだが、収穫年をそろえてボノー・デュ・マルトル、トロボー、コシュ・デュリらのものと競い合うと、どうしても遠く及ばない。

   ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著
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〇 Domaine Jean Francois Coche Dury~ドメーヌ・ジャン・フランソワ・コシュ・デュリ
 ムルソーの作り手だが、1986年に0.33㏊の畑を買った。ごく狭い区画から生まれるコルトン・シャルルマーニュは、底知れない深みを持つ。コシュ・デュリのいかめしい作風をうつして、育つのにかなりの熟成を要することが明らかだが、早くも濃密な味わいと、鮮やかな輪郭までが感じられる。但し残念なことに異様に高値がついている。コシュ・デュリの評判のせいだが、正直なところ取引業者ががめつく儲けすぎだろう。
ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

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〇 Joseph Drouhin~ジヨゼフ・ドルーアン
 コルトン・シャルルマーニュはドルーアンが誇る白ワインの一つで、柔らかいが張りのある作風は、見事にこのワインと調和する。驚かれるかもしれないが、同じ年の、ボーヌ「クロ・デ・ムーシュ」と比較試飲するのも為になる。両者は別物だけれど、不思議な近親相似がみられる。

  ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著
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〇 Joseph Faiveley~ジョゼフ・フェヴレ
 ニュイ・サン・ジョルジュのネゴシアンだが、目の覚めるようなコルトン・シャルルマーニュを作る。絢爛たる味わいは濃厚で、しかもはりがある。ただ惜しいことに極めて量が少ない。フェヴレには0.30㏊の区画があり、知る限りワインはこの自社畑だけから生まれる。
ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

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〇 Hospices de Beaune~オスピス・ド・ボーヌ

 オスピスではコルトン・シャルルマーニュの寄進畑を一つだけ仕込んでいるが、このため競売会ではどうしても最高値が付く。地積台帳によれば、アン・シヤルルマーニュの畑にある0.47haの区画である。ワインはたいていとても優れている。キュヴェ・フランソワ・ド・サラン

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〇 Louis Jadot~ルイ・ジャド
 ジャドは素晴らしいコルトン・シャルルマーニュの作り手だが、ワインにはやはりその作風が如実に表れる。若いうちは固く閉ざされているようで寄り付きにくく、長い熟成がいる。ボノー・デュ・マルトレやトロ・ボーのそれのように煌びやかな感じはないものの、このワインらしいクリームのように滑らかな舌触りがあり、なによりも繊細な味わいと、テロワール特有の風味を持っている。ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

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〇 Domaine Georges Roumier~ドメーヌ・ジョルジュ・ルミエ
 シャンボール・ミュジニのドメーヌだが、ベルナン・ヴェルジュレスに入る西向きのアン・シャルルマーニュに、わずか0.2㏊の狭い畑を持つ。クリストフ・ルミエが残念そうに認める通り、この立地からは真に絢爛たるコルトン・シャルルマーニュを作ることはできない。それでもルミエは並みのはずれた腕を振るって、優れた個性あふれる張りの強いワインを作っている。だが、量の少なさも並ではない。
ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

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〇 Domaine Tollot Beau~ドメーヌ・トロ・ボー
 見事な赤のコルトンの方がはるかに有名だが、コルトン・シャルルマーニュは誠に忘れがたいものの一つ。あくまで緑がかった黄金色をたたえ、甘美この上なく、深遠な味わいで、石を感じさせる後味はいつ果てるとも知れず、望むだけ続きそうだった。トロ・ボーの所有畑は0.24㏊。
ブルゴーニュ・ワインがわかる。マット・クレイマー著

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AOC コルトン・シャルルマーニュのワイン その1

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