AOC サントネのワイン その1   | ろくでなしチャンのブログ

AOC サントネのワイン その1  

      AOC サントネのワイン その1  

        AOC Santenay                     

                       Commune Santenay 

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県    名  コート・ドール     Cote d'Or
地 区 名  コート・ド・ボーヌ   Cote de Beaune
栽培面積   赤 283.43ha 内プルミエ・クリュ 110.12
ha
          白  45.29ha 内プルミエ・クリュ  12.90ha

基本収量      赤   40hl/ha
                     白   45hl/ha
最低アルコール濃度
    赤 10.5% プルミエ・クリュ又は区画名付き11%
    白 11%   
プルミエ・クリュ又は区画名付き11.5%

葡萄品種   赤 ピノノワール。シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ以上
              3種で15%以内
         白 シャルドネ、ピノ・ブラン
飲 み 頃  赤 5年から10年、プルミエ・クリュ良年のものは15年まで
         白 6年から10年、
良年のものはさらに長く


村名ワイン
  ◯ AOC サントネ(基本収量 赤40hl/ha、白45hl/ha)

  ◯ AOC サントネ・コート・ド・ボーヌ(基本収量40hl/ha)

      歴史的経緯により、赤ワインに限りコート・ド・ボーヌ全16村は
      コミューン名+コート・ド・ボーヌを名乗れる。

地方名ワイン

  ◯ AOC ブルゴーニュ (基本収量 赤55l/ha、白60hl/ha) 


ワインの特徴
赤ワイン 際立つ紫紅色、黒いチェリー色に光り輝いている。バラ、芍薬、スミレや赤い果実のアロマは、甘草の香りを伴う。アタックは力強い。引き締まった控えめなタンニンは、しなやかなコクと骨組みを組み立てる。味わいは繊細で、後味にブルーベリーの風味が戻る。果実味にあふれ、ゆっくり熟成する。 フランスAOCワイン辞典
 

赤ワイン サントネの赤が不人気であるわけを考えると、土臭いテロワールの風味がきついことに思い当たる。評論家がある種のブルゴーニュを『野良くさい』というときは、さだめしサントネのことを言おうとしているのだろう。この特徴は、というか、それが特徴なのだが、食卓に上っているのがこのワインだけであれば、じつはあまり気にならない。サントネはおおかたのブルゴーニュにもまして、もっぱら料理との相性の中で判ずべきワインだといえる。
 生産者のスタイルにかかわりなく、こう言って差し支えないと思うが、サントネは荒削りなワインである。押しが強く、ちょっと粗野で、タンニンも強く、保ちがよい。どこかフランス人がソヴアージュと呼ぶ野性味がある。若い間サントネは閉じていて、ヴォルネのような悩ましい香りもなければ、ヴォーヌ・ロマネやコルトンにうかがえる奥底の深さもない。が、とっておくうちにサントネはゆったりとしたワインに変じ、味と香りのぢちらにも土のような風味を持つ。良いものは年を追って育ち、15年にわたり楽しむことが出来る。
 ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー

赤ワイン サントネは軽視されてきた。ニュイの持つ高貴さ・洗練さ、他のボーヌのもつソフトさなどの魅力に欠けていて、垢抜けしないというか、野暮ったいところがあるからかもしれない。しかし逆もまた真なりで、押出が強く、野性味といえるような荒削りの逞しさがある。繊細・複雑さこそない代わりに、こせこせしない大らかさがある。ブルゴーニュのなかでもいわば『おいしい』ワインの一つなのである。ブドウは南の陽光をたっぷり浴びているから、ワインは薄っぺらなところがなく、コクがあり、飲みでがある。もともとワインの生地は悪くないので、上手に仕立てれば、筋目の通ったワインになる。
 サントネは末位とはいえやはり、まぎれもないコート・ドールとしての素性をきちんと備えている。ここから南の先になるシャロネーズのワインと飲み比べてみると、やはりコート・ドールは違うなという毛並みの良さを見せてくれる。

   ブルゴーニュワイン 山本博著

白ワイン 明るく澄んだ輝きのあ薄い黄金色の色調を呈する。ミネラルと花のアロマが豊かで、シダとヘーゼルナッツの香りに満ちている。味わいは生き生きとし、ボディが厚く力強い。 フランスAOCワイン辞典

 畑は南北に長く伸びているから、土質は一様ではない。この村のトップと目されるのは1級畑でも北の部分となる。グラヴィエールの斜面はなだらかだ。しかし、外見ではわからないが、その名の通り表土の下が厚い砂利層になっている。その上のラ・コムとボールガールは、傾斜が急で小石だらけである。昔から評判の良かったパスタンになると、畑の向きは真南になる。この部分から生まれるワインはサントネとしては洗練さを備える同時にスケール感が大きく、ある種の堅さというものがあって長命である。
 村の中央近くになるマラディエールは『病人』という奇妙な名前だが、温泉に近いから病人向きなのかもしれない。北の1級もののように精妙さとか、したたかさというものを持っていないが、しなやかで優美になる。ブルゴーニュワイン 山本博著

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根拠法 
 2011年12月2日政令第2011-1765号に於いて、AOC Santenayに続き premier cru表記が認められています。


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 注目の生産者
〇 Domaine Adrien Belland~ドメーヌ・アドリアン・ベラン
 サントネを代表する作り手の一人。村名格の畑にはクロ・ジュネ、レ・アート、コム・ドスュなどが並ぶ。その自信作、1級ラ・コムはシャサーニュ・モンラッシュとの村境にあり、0.89haの区画から、強壮で味の深いワインができる。また、クロ・デ・グラヴィエールはこれよりも気持ち軽めで、一歩譲が、とても美味い。 ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
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注 1996年アドリアン・ベランは引退し、ジャン・クロードJean Claude Bellandがドメーヌを引き継ぎ、ドメーヌ名はアドリアン・ベランからジャン・クロード・ベランに変更。

〇 Domaine Joseph Belland~ドメーヌ・ジョゼフ・ベラン
 サントネに複数いるベランの一人で、みな親戚なのは言うまでもない。ジョゼフ・ベラン(法人名G.F.A.Saint Joseph)のドメーヌは、クリオ・バタール・モンラッシュ、シャサーニュ・モンラッシュ『シャン・ガン』『クロ・ピトワ』を擁する素晴らしいものだが、その本領はサントネにあって、レ・グラヴィエール、ラ・コム、ボールガール、パスタン、クロ・ルソーなどに畑を持つ。試飲したワイン数点からはどれも、新鮮な果実味が輝くような、しかも濃密さのある作風がうかがえた。ぜひ注目したい。ドメーヌ・ロジェ・ベランとは提携関係にある。(ロジェはジョゼフの子、アドリアンの甥) ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
21
     64-1
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〇 Domaine de La Buissiere~ドメーヌ・ド・ラ・ビュシェール
 サントネ最高のドメーヌの一つ。クロ・ルソーは強壮な味が楽しい。クロ・デ・ムーシュも大変優れている。そのワインはいつも堅牢で強い強い構えを持ち、花開くのに数年の熟成を擁する。 ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
3-1

〇 Jessiaume Pere et Fils~ジュシオム・ペール・エ・フィス
 レ・グラヴィエール約4.85haの最大区画をもち、これを看板ワインとするが、ワインのつくりはとても古臭い。ワインは決まって色が濃く、(果梗を全部入れるせいで)タンニンも強く、若いうちは言うことを聞かない。ブルゴーニュの赤が軽すぎるという向きにはこういうのが良いだろう。私はもう少し洗練身があればと思うが。 ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
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〇 Mestre Oere etFils~メストル・ペール・エ・フィス
 フイリップ・メストルはサントネを代表する人物の一人で、ほぼ1級ばかりで11haに上る畑を持つ大地主。シャサーニュにも畑があって、ラ・グランド・モンターニュの古区画は「トントン・マルセル~マルセルおじさん」の名がある。素晴らしいパスタンと頼りになるクロ・フォバールとは、ともにメストルの定番である。レ・グラヴィエールはやや軽いが、とても美味い。しいて難を言えば、オークの味がややきついという声がある。1級パスタンの畑から白のサントネというチンピンも作るが、まだ味わう機会がない。  ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
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〇 Domaine Prieur Brunet~ドメーヌ・プリュール・ブリュネ
 ここが有名なのはラ・マラディエールというワインのおかげだが、これは病人という意味で、なんとも食欲をそぐものの、ドメーヌは畑全体のうち5.18haをもつ最大の地主である。しかもこんな名前だが、むしろ気分を高揚させてくれる。畑はサントネの中心部、町のすぐ上にあり、ワインはラ・コムのような頑丈さも、レ・グラヴィエールのような微妙なあやも持たないけれど、やはり飲みごたえがある。また、ほかに比べ熟成も早い。ごく上等なものに限るが、ソーセージむきに造られたブルゴーニュなんてものがあるとすればこれだろう。ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
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〇 Dpmaine de La Pousse d'Or~ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドール
 名高いヴォルネの作り手だが、そのサントネは現在最も洗練された上品なものと思われ、クロ・デ・タヴァンヌとレ・グラヴィエールにあるそれぞれの区画から生まれる。(プス・ドールのワインは中国のからくり箱のように区画の中に区画があり、たとえばクロ・デ・タヴァンはレ・グラヴィエールのかたわれで、ヴォルネ・ソワサント・ウヴレがカイユレの飛び地であるのに似ている。しかもプス・ドールはこれら4種すべてを造る)。ワインにはヴオルネの影響が見て取れ、あきらかにジェラール・ポテルは、サントネ固有の粗さを削ぎ落そうと苦心している。その成功ぶりは立派である。クロ・デ・タヴァンヌはことに素晴らしく、全サントネの中で最高のワインかもしれない。ブルゴーニユワインがわかる マット・クレイマー
注 ポテル氏は1997年御逝去。パトリック・ランダンジェ氏が購入。レ・グラヴィエールの区画は売却されました。
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 クリマの表記 Premier Cru  
〇 Beauregard~ボールガール 17.91ha

〇 Beaurepaire~ボールペール

〇 Clos des Mouches~クロ・デ・ムーシュ 1.57ha

〇 Clos Faubard~クロ・フォバール 5.13ha

〇 Clos Rousseau/Petit Clos Rousseau
    ~クロ・ルソー/プティ・クロ・ルソー 15.90ha

〇 Grand Clos Rousseau~グラン・クロ・ルソー 7.92ha

〇 La Comme~ラ・コム 22.06ha

〇 La Maladière~ラ・マラディエール 13.58ha

〇 Les Gravières~レ・グラヴィエール 23.39ha

〇 Les Gravières-Clos de Tavannes
    ~レ・グラヴィエール-クロ・ド・タヴァンヌ 

    ~レ・グラヴィエールの副区画 
〇 Clos de Tavannes~クロ・ド・ダヴァンヌ 5.31ha

〇 Passetemps~パスタン 11.46ha
20-1
30-2

 

AOC サントネのワイン  その1 こちらへ

AOC サントネのワイン  その2 こちらへ 

AOC サントネのワイン  その3 こちらへ

Cote de Beaune AOC索引 こちらへ

 

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