ノーカントリー | あきすとぜねこ☆映画とか食べ物とか日常とか☆










監督:ジョエル・コーエン 、イーサン・コーエン

出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン











怖ええーーーーーーーーーッッッ!!!!!

指の間から映画見てる状態ですよぉぉぉーーーッ

シガー役のハビエル・バルデム怖すぎ。

今後髪型が変わってもあの鼻のライン、目の形、もう忘れないでしょ。

これから彼が出てたらシガーを彷彿させること間違いないでしょ。

シガーが出てくると、彼に全神経が集中しちゃうんだから・・・。

これだけ怖い怖い言ってますが、すごく面白かった!!

ちょっと興奮しています(笑)

















ここからネタバレです>








一旦ベッドに入ったのに、モスは水を運びに現場に戻る。

戻らなきゃ良かったのに!と思ったけど、今思えば戻らなくても同じこと。

金の入ったバッグを持ってる限り、どっちにせよ殺されてた。

「大金より安泰でしょがーーー!」と思う人はどれくらい居るのかな。

私は金なんか捨てて妻と静かに暮らしなよぉと思った根っからの小市民です。


 


 








シガーは独自ルールで動く人間で、まともに話をしても通じない。

コインの裏表で人を殺すかどうかさえ決めてきた。

高圧ボンベに繋いだ家畜用エアガンの威力の怖いこと!

ドアの錠ぶっ飛ぶぶっ飛ぶ。

トレーラーハウス管理人のおばちゃんは立派だったなぁ。

毅然として「個人情報は教えられません!」管理人の鑑だ!

殺されちゃうかと思ったけど、おばちゃんは無事でよかったね・・・。























モスとの銃撃戦で大怪我しても、自分で見事な手術。

シガーって一体何者なんだ?

途中から出てきた伊達男の役立たずぷり!いったい何しに出てきたのか・・・。


 








モスの殺され方、意外でしたしあっさりやられてしまいました。

モスの妻とシガーの会話。

彼女は、コイントスを拒否し、「決めるのはあなただ」と言う。

一目見て狂人だと判断した彼女なら、「決めるのはあなた」と言ったら

殺されてしまうのは分かっていたんじゃないかと思うのだけど、

それでもモスに対し自分で考え行動することを説いた。

そんな彼女の殺害を、マットで靴底を拭くシーンで表現するセンスは好きです。


 


 








彼女を殺したシガーは帰り道で交通事故にあう。

自転車の少年に上着を売ってくれと頼む。

「タダでいいよ」「いいから取っておけ、その代わり何も見なかった」

人助けで服を差し出した少年だったが、その後、お金をめぐって些細な口喧嘩になる。

モスの逃亡でも上着を買うシーンがあった。

「その上着、500ドルで売ってくれ」法外な値段で取引し「そっちのビールもくれ」

すると呑み掛けにもかかわらず、「いくらだ?」「タダでやれよ」

興味深い対比、皮肉になってるシーンでした。


 














そんなシガーと全く絡むことなく終わる保安官エド。

エル・パソのモーテルのシーンで絡むかと思ったけど、結局絡まなかったですね。

絡んだらあっさりやられちゃうとこでした(笑)

シガーが強烈なので忘れかけましたが、主役はこっち。

エドは代々保安官の家で、ちょっと前の保安官までは銃も持たなかった。

エドは「最近の犯罪は理解できない」と言う。

舞台は1980年ですが、アメリカってこの辺から急激に治安が悪化したの?

ベトナム戦争後って話が出てきたけど、そういうのが関係してるのかな。


 





アメリカの映画で時代も違うけれど、最近の日本の犯罪に思いを馳せながら見てました。

「誰でも良かった」「人が死ぬのを見たかった」など、シガーのコイントスにも似た、

不条理殺人が多いことを。

感情も感じさせないような殺人が何故起こるのか。


 

「原因は1つじゃない」ってセリフがありました。


凶悪犯罪者が出現する原因は1つじゃない。

産まれてからの様々な環境が起因していて、それは一人の人間だけではどうしようもない。

犯罪に対する恐怖と無力さを感じました。