英国王のスピーチ
 現イギリス女王エリザベス2世の父アルバート王子(後のジョージ6世)は、子供のころから吃音に悩み、内向的な性格でした。でも、王子という立場である彼は人前でスピーチをしなければならない事が度々ありました。何人もの言語療法士の治療を受けても状態は改善されず、彼自身ほとんど諦めていたのでした。

 国王である父が亡くなり彼の兄が王位を継承したのですが、離婚歴のある女性と結婚したいと言い出した兄は王位を捨てると言い出したのです。

 この映画に登場するのは、すべて実在の人物です。ジョージ6世の娘エリザベスはとてもかわいい少女だし、のちに首相となるチャーチルも、現在もお元気な皇太后も、こういう映画を作ることを許してくれるイギリス王家って、本当に開かれているんだなぁって思いました。

 主演のコリン・ファースは、気弱で癇癪持ちだけど、芯は強いジョージ6世を見事に演じていました。そして、彼をいつも支えていた妻を演じていたヘレナ・ボナム・カーターが、いつもと全く違う色を出していて良かったですねぇ。

 この作品が第83回アカデミー賞で作品、監督、主演男優、脚本賞を受賞したのは、当然だなと思える素晴らしい作品でした!

 この映画の中で強く感じたのは、王家の人たちの孤独感です。本当に心を開ける友達を持てないというのは、辛いことです。王位を捨てた兄だって、堅苦しい王様になるより愛する人との生活を選んだわけですよね。今となってみれば二男であるジョージ6世が王位を継いで正解だったような気がします。

 吃音を克服したこと以上に、言語療法士のローグとの友情をはぐくめたことこそがジョージ6世にとって重要なことだったのでしょうね。

キャスト:
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター、ガイ・ピアース、デレク・ジャコビ、マイケル・ガンボン、ティモシー・スポール、ジェニファー・イーリー
監督・脚本:トム・フーパー
脚本:デビッド・サイドラー
製作:イアン・キャニング、エミール・シャーマン
撮影:ダニー・コーエン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
原題:The King's Speech
2010年イギリス・オーストラリア合作
映画配給:ギャガ
上映時間:118分

大きなスクリーンで映画を観ようよ!
 ブラジル映画って聞くと、熱い太陽、サンバ、情熱、なんてイメージを持ってしまいませんか?

 この映画に登場する村は、そんなイメージからは程遠い、ドイツ系の人達ばかりが住んでいて、冬は寒く、道路は全く舗装されていないような田舎の村です。

 ブラジル南部なので冬は寒いし、こんな場所がブラジルにあるなんて思いもしないような静かな場所です。

 主人公の少年は母親との関係は何となくギクシャクしてるし、学校も楽しそうじゃないし、ネットへの書き込みと、友達との会話だけで生きているような子です。

 そんな彼がネット上で見つけたのは、死んでしまった少女の写真です。永遠に手が届かないところにいる人に恋してしまったのです。

 地球の何処で生きていようが、今はみんな同じような生活をしてるんです。地球の裏側の小さな村でも、少年たちは携帯電話を持ち、ネットで会話をしているのです。悩みも、妄想も、そんなに差はないんですね。

 まだまだ外国の事って知らないことばかりなんだなぁと思います。

 そして、ブラジルは多民族国家なのだという事を改めて認識させてくれた映画でした。

 様々な人種が混ざり合っている都会の人と、ほぼ単一民族でコミュニティが成立している田舎の人とでは、考え方がまるで違ってしまうのですね。

 UPLINK さんの試写会でこの映画を見させて頂いたのですが、ここで配給される映画はよそとは一味違ったものばかりで、いつも楽しませていただいています。ありがとうございました。
 映画冒頭の彼女との会話だけで、この主人公マーク・ザッカーバーグがどんな男なのか分かっちゃう!

 あんたがモテないのは、性格がサイテーだからよ!

 って言われてしまうシーンは、彼がこの後巻き込まれる訴訟騒ぎを暗示していたんですね。

 マークは物凄く頭がいいし、ひらめきがある人だから、これは面白そうだ!と思うとすぐに実行できてしまうのでしょうね。でも、人の心が分からない、そういう想像力は圧倒的に欠如している人です。

 彼にアイデアを盗まれたと訴えた人たちの気持ちは、マークには全く理解できないことだったのでしょうね。

 「あんなダサいものの真似なんかしないよ!」

 そう、彼にとってのヒントにはなったかもしれないけど、アイデアを真似するわけないじゃないかと彼は確信しているんです。

 この両者の間には、どうにも理解しあえない壁が立ちふさがっています。そう、センスのある奴とない奴。最初のアイデアだけで終わってしまう奴と、それを膨らませて何倍にも大きくしてしまう奴。両者の共通点は、自分の方が正しいと思っているということだけ!

 これが面白い!って思ったら、一気にアイデアを固めないと気が済まないところ、自分は絶対に正しいと信じているところ、そして思いついたアイデアを的確に形にする実行力がマークにあったからこそ、Facebook は短期間に出来上がり、あっという間に世界に広まっていったのです。

 みんなが興味あるのは、知らない人の事じゃなくて、自分が知っている人のことなんだ。それがどんなに些細なことであっても構わない。それがステキだと思えは「いいね!」と評価すればいいんだよ。というのがFacebookの基本的な考え方です。

 それを作ったマーク自身は、ほとんど友達がいない人だったってところに興味を持ってしまいます。彼に友達がたくさんいたら、こんなことは考えださなかったのかも?そして、何故友達がいなかったのかといえば、余りにもマイペースな彼の性格ゆえなんですよね。

 他人の気持ちなど無視して話をする彼、相手が話に付いてきていない時に、何故そうなってしまうのかなんてことは全く考えていません。こんなに筋が通っている話をしているのに、どうして分からないの?という態度をしてしまうんです。

 だから冒頭のシーンで彼女にフラれてしまったり、スポンサーになってくれるかもしれない企業から理解されなかったり、色んな不都合が起きてしまうのです。これこそが彼自身理解できない唯一の事項なのかもしれません。

 20代で億万長者になってしまった彼ですが、この人間音痴な部分が、彼を一生悩ませ続けるのかもしれないなと思います。

 テンポの速いセリフと美しい映像、デビット・フィンチャー監督はすごい映画を作っちゃいましたね。

 そして映画の最後、タイトルバックで流れた "Baby you are rich man"に、思わずニヤッとしてしまいました。
大きなスクリーンで映画を観ようよ!

 クリスティーナ・アギレラ初主演のこの映画、ダンスと音楽が満載で楽しかったんだけど、何かひっかかるんだなぁ。

 アイダホアイオワから夢をもってLAにやって来たアリ(クリスティーナ・アギレラ)がバーレスクというナイトクラブに巡り合い、そこで踊りたいとオーナーのテス(シェール)にかけあうのだけれど相手にされず、でも諦めきれない彼女はウェイトレスとしてこの店で働くようになったのです。

 ここのステージで踊るダンサーたちがみんな魅力的で、セクシーで、本当にステキ!

 そんな中にアリ程度のダンスで採用されるってのは、ちょっとね(^_^;) でも、彼女の歌は抜群!歌唱力で人気沸騰ってところは説得力ありましたよ!

 そして、圧倒的なのはシェールの存在感です。カッコいいわぁ!迫力ある歌声はもちろん、ただ立っているだけでもオーラが出てるのよねぇ!

大きなスクリーンで映画を観ようよ!

 衣装係で、テスが心から信頼している友人を演じていたスタンリー・トゥッチが素敵だったわぁ!

 昔のハリウッド映画のような音楽をたくさん使っていたところは良かったんだけど、1曲だけマドンナの曲を使ってたのは何故かしらん?

 などと言いながらもダンスシーンは楽しませて頂きました。

キャスト:シェール、クリスティーナ・アギレラ、エリック・デイン、カム・ジガンデイ、ジュリアン・ハフ、アラン・カミング、ピーター・ギャラガー、クリステン・ベル、スタンリー・トゥッチ
監督・脚本:スティーブ・アンティン
製作:ドナルド・デ・ライン
製作総指揮:ステイシー・コルカー・クレイマー、リサ・シャピロ
撮影:ボジャン・バゼリ
音楽:クリストフ・ベック
原題:Burlesque
製作国:2010年 アメリカ映画
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
大きなスクリーンで映画を観ようよ!

 井上ひさしと蜷川幸雄の描き下ろし時代劇「ムサシ」は、2009年に日本で上演され、さらに翌2010年には、ロンドン、NYでも上演されました。

 この「ムサシ」London & New York versionの日本凱旋公演(さいたま芸術劇場)を映像化したのが、この作品です。

 宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島での決闘から6年後、戦いに負けた小次郎は武蔵と再度対決をしたいという一念で、武蔵の居場所を突き止めました。そして再戦をいどみました。

 どいうところから物語が始まります。とはいっても井上ひさし脚本ですから、当然笑うツボ満載です。

 わたしも、この映画の予告編を見て、その可笑しさに思わず「観よう!」と思ったわけでして、こういう時代劇って楽しいです!

 配役も、なかなかの曲者揃いでしょ。特に沢庵和尚の六平さんと木屋まいの白石加代子さんが良かったですよ。

■配役
宮本武蔵・・・・・藤原竜也
佐々木小次郎・・・勝地涼
筆屋乙女・・・・・鈴木杏
沢庵宗彭・・・・・六平直政
柳生宗矩・・・・・吉田鋼太郎
木屋まい・・・・・白石加代子
平心・・・・・・・大石継太
浅川甚兵衛・・・・塚本幸男
浅川官兵衛・・・・飯田邦博
忠助・・・・・・・堀文明
只野有膳・・・・・井面猛志

■スタッフ(舞台)
脚本…井上ひさし
演出…蜷川幸雄
音楽…宮川彬良

 東劇では、こういったお芝居やオペラなどの映像の上映をいろいろやっています。今度はオペラもみたいなぁ!