2024・キックオフミーングング | ROKKO RUGBYFOOTBALL CLUB OFFICIALBLOG

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 情熱を呼び醒ませ!

 




 淡々と話す中にも、言葉のひとつひとつには熱さがこもっていた。


 2024年度・六甲ファイティングブル主将・安翔大のキックオフミーティングである。

 「実は大阪朝髙出身なんです」

 と周囲をニヤリとさせて始まったプレゼンテーション。

 



恐竜好き、地質・地層好き(相当スゴイらしい)なこと。(会社のある)姫路から練習や試合に通っていることなど、自己紹介をしてから、なぜ自分が六甲クラブに入ったのか、そのモチベーションを話した。

 「北大時代、北海道バーバリアンズと試合して、初めて社会人と戦ってボコボコにされました。バーバリアンズを調べていくうちに、クラブ大会の決勝戦で六甲とバーバリアンズの映像をみました(2017年度決勝)。よし、六甲で『ダブルリベンジしたろ!』と思って、去年このクラブに入りました」。

 



続いてサンデ主将は2つの写真を見せる。

 2022年10月30日、近畿リーグで千里馬クラブに敗れて、全国大会出場の連続記録が途絶えた写真。そして今年の1月7日、全国1回戦でやんばるクラブに1点差で敗れた写真。

 「思い出して下さい。去年は近畿リーグでも引き分けの試合があったり、千里馬戦も敗れた。これが今の僕たちのまぎれもない現在地だと思います」。

 ここ数年、近畿リーグの各チームも戦力アップなどでリーグ戦でも僅差の白熱した試合が続いている。事実、昨シーズンはなんとかドローに持ち込んだ試合や、千里馬クラブに2年連続で敗退するなど楽な試合はひとつもなかった。



サンデ主将自身「かなりキツい状況」と強調した上で、

「日本一」

と目標を掲げた。

「正直、今は少し遠いと感じるかもしれません。ですが昨年エイキが頑張ってくれた思いを引き継ぐことも含めて、この目標を決めました」。

 歴代の六甲クラブのキャプテンが目標に掲げる三文字。主将が誰に変わってもクラブの姿勢と覚悟は変わらない。

 



さらにサンデ主将は今季のスローガンを掲げた。

「復活」

 この言葉には二つの意味が込められているという。

 「ひとつは、これまで六甲クラブに強くて人を引きつけるイメージ。築かれてきた伝統。これをふまえてもう一度、この2024年から新しい歴史を作り上げていく、みんなで塗り替えていきたいんです」。



 全国大会出場が途切れた一昨年、全国に出場はしたが志半ばで終わってしまった昨シーズン。文字通り分かりやすいキーワードで選手、チームに浸透させていきたい。

  普段の練習や試合ではなかなか使いずらい言葉なので、昨シーズン使っていた「ENERGY」も引き続き使っていくつもりだ。

 もう一つの意味とはー。サンデ主将はひと呼吸おいてからメンバーに問いかけた。

 「多くの皆さんが、強豪高校、大学、社会人などでプレーして来たと思います。その中で最後に『やりきった』『のめり込んだ!』『アツくなった』と思えたシーズンはいつだったか思い返して下さい」。

 



クラブラガーマンの宿命でもある仕事や家庭…。それを承知で問いかけた。

「僕自身も本気でやったと、いうのは高校時代まで戻っちゃうかんですが、そういう意味でクラブでも、個人としても伝統、分化、やる気、姿勢をもう一度呼び起こそう、呼び戻して欲しく、『復活』の言葉を選びました」。

 その後リーダー陣の紹介、試合での選考基準、今季の戦術など具体的に映像を交えて、理想、こだわりたいことを説明していった。

 そしてメンバーにはもっともっとリアクション、自分からの発信を求める。

 「僕がこんな言い方するのは少しおかしいんですが、仕事とかでも最近の若い人達って、自分から提案する人って少なくなってきていると感じています。仲間の行動にリアクションすること、もっと自分から発信してアクションすること。これは必ず試合での厳しくシンドイ時に役に立ってくれるはずです」。

 



3月から始まっている練習でも、メニューの合間の集まりでも小さく固まり、ハドルを組み、互いに仲間の目をみることを浸透させている。シンドイ練習の後なら、なおさら強く呼びかける。

 「試合で独走トライを取られた時、ガックリバラバラになるんじゃなく、すぐに集まり呼吸を整え仲間を見る。そんな姿勢を作っていきたいんです」。

 どんな状況になっても、たとえ自分の心が折れそうな時でも、

そばに諦めていない仲間がいれば、元気や勇気や力が必ずわいてくる。

 「戦術も重要ですが、こうした細かい点、人間的に芯のところを互いに声かけ合ってやっていけば、絶対に負けないチームになると思います」。

 最後にサンデ主将はこうまとめた。

 「僕は選手としての能力は皆さんに劣ってる部分が多いと思いますが、六甲クラブに対する思い、モチベーションは誰よりも深いと自負してます。あと、昔から人にお願いすると何かしら実現できるという『特殊能力』を持ってます。笑

 選手としてチームを引っ張っていくこともそうですが、皆さんの力を借りて支えていただいて、個人としても、チームとしても成長して日本一の時を迎えたらと思います」。

 



仕事もある。家庭もプライベートも大事だ。ラグビー以外に重要なことはいくらだってある。

 だけどやっぱりラグビーが好きだし、もっとラグビーを楽しみたいし、六甲クラブの仲間と過ごす時間が大好きだ。

 情熱は明日へのモチベーションになる。それはラグビーだけでなく全てにつながっていくはず。

 新キャプテンの想いと分かち合って、六甲ファイテイングブルが新たなシーズンを走り抜けていく。

(三宮清純)