『楽しむ」想い
六甲クラブは2つのチームを持つ。
・近畿リーグに所属する「六甲ファイティングブル」
・兵庫県リーグに所属する「六甲レッドウイングス」
レッドウイングスはクラブのモットーでもある「楽しく、強く」の『楽しく』を前面に押し出している。選手層も様々で10代~50代中盤世代が世代が同じピッチで戦う。「クラブチームのひとつの理想」を追求するチームだ。
だが、今季のレッドウイング開幕戦となるはずだった伊丹シティハンマーズ戦だったが、相手人数が揃わない状況となった。
試合中止となってもおかしくはなかったが、なんとか試合はやりたい。各方面との調整の結果、『練習試合扱い・13対13』での試合となった。
六甲・ハンマーズ一緒にして、戦力的に均等となるように二つに分け、それぞれにゲームキャプテンを指名。六甲ジャージは「チーム山田」ハンマーズジャージは「チーム北畑」としてキックオフとなった。
練習試合とはいえ、随所に選手たちの懸命なプレーが見える。
普段は近畿リーグでサポートに入ることが多いメンバーがアピールする。19歳のFL山本将は懸命に走り、ラインアウトでは刷ろーワーも志願。トライを上げる活躍をみせた。
もう一人の19歳WTB・岩下もキック処理はややおぼつかなかったが、ランプレーには光るものがあった。試合中、他の先輩メンバーとのコミュニケーションでラグビーに対する意識を深めていく。
一方のベテランメンバーも負けてはいない。50歳のカッチカチおじさんFL西谷は変わらず思い突進と痛い当たりを繰り返し、99年度の日本一メンバーでもある53歳LO藤原も身体の強さをみせ、49歳となったGM榎村もFLで出場。往年と変わらぬ汗の多さで最後まで奮闘した。
ハンマーズメンバーも随所に素晴らしいプレーを見せる。元六甲メンバーでもあるHO加来もゴール前ラックの密集から相手ボールをさらう十八番「スイカ泥棒トライ」を決めた。
「チーム北畑」のゴールキッカーを務めたのは安。8つのコンバージョンを全てしっかり決めていた。
最終的には少し点差が開いたが、両チームとも即席チームながら最後まで奮闘した。普段近畿リーグに出ているメンバーが、タッチジャッジ、ビデオなどサポートに回った。
35分ハーフの70分。ほぼケガ人なく全員が70分戦い抜いた。「ラグビーを楽しむ」思いはチームの壁を越える。またサポートをすること、されることで互いに支え合う絆が深まっていく。次戦の近畿リーグPAくすのき戦に向けて、チーム力がまた一つあがった一日だった。
(三宮清純)