性の神聖さの医学的表現

性が生命の根源であることは常識的にも明らかであり、それ故に生殖器官が神聖なものであることは再認識されるべきですが、それは実は医学的表現にも表れているのです。

➀仙骨

まず、生殖器官の背後にある仙骨です。仙骨の仙は仙人の仙で人が山にいる意味で、人が谷にいる俗の反対語です。大槻玄沢が訳し直した『重訂解体新書』では護神骨と訳されていたのが、後に仙骨に変わったとされます。英語ではthe sacral vertebraeで以前はholy boneとも呼ばれていました。Sacralholyも“神聖な”という意味です。

➁腰と腎

仙骨のある腰は、「肉月+要」で、肉体の要であり大切なところです。要とは「西+女」ですが、西は太陽が吸い込まれる処であり、女は凹で男の凸が吸い込まれる処です。“扇の要”の言葉のように、中心帰一の中心点、求心力・引力の帰結点が要です。タオ(道教の道のこと)における玄牝の門(げんぴんのもん:深淵なる女性の門の意)がある処です。

漢方で、「腰は腎の府」と言われるように、腰は求心力で固まり堅(臤+土)くなる処なので腎(臤+月)の場所なのです。腎が堅い骨や歯、球形に水滴化する水、光を吸い込む黒や奥深い玄(玄牝之門)等々と関係する所以です。

➂肛門

 肛門も肉月は肉体のこと、工は辞典には載っていませんが、“天と地をつなぐ”意味があると考えます。巫女の巫や毉の巫の中の工です。これは知り合いの某大学工学部教授も、工学の工について同じことをおっしゃっていました、字形からも工が天と地をつなぐ神聖な意味を持つことが了解できます。これはクンダリーニ・ヨガで、尾骶骨付近の第一チャクラに宿るクンダリーニが覚醒すると解脱に至るとされることに通じます。 

つづく