先日のテレビ番組、「ザ・インタビュー ~トップランナーの
肖像~」での宇崎竜童・舘崎晴彦両氏の対談の中で、
宇崎竜童さんが高倉健さんから「念念歩歩唱唱」という
言葉を教えられたと仰っていました。
高倉健さんから贈られたペンダントに刻まれていた言葉
だそうで、健さんの『あなたに褒められたくて』という本の
中にも書かれているようです。
自身の音楽の行く末をずっと考えていた宇崎さんにとって
大切な道標となったそうです。つまり、「日本の音楽家として
プライドを持って日々音楽を作り、エネルギーの出し惜しみ
をせず、巡礼のように淡々と歌いながら各地を廻る心構えが
できた」そうです。
念念歩歩唱唱は私も初めて聞いた言葉だったので調べて
みたのですが、元々は千日回峰を成し遂げた酒井雄哉
大阿闍梨のような比叡山の行者さんが、山中での行の時に
唱える言葉だそうです。
「今の心、今の心に、一歩一歩歩く度に、唱えて唱える」と
いうことでしょうか。
この念念ですが、十句観音経にも十句のうちのニ句が
「念念従心起 念念不離心(只今只今に心より起こし 只今
只今に心から離さず)」です。観音経偈品にも「念念勿生疑
(只今只今に疑いを生ずる勿れ)」という言葉があります。
念だけなら、やはり観音経偈品にはキーワード「念彼観音力」
が繰り返し何度も出てきます。専修念仏(せんじゅねんぶつ)、
融通念仏(ゆうずうねんぶつ)もあります。六角田中医院の
テーマワード&キーワードの正念ももちろんそうです。
つまり、仏教では「念」というのは非常に大切な言葉なのです。
一昨年より呪文・融通念呪療法を始めて、多くの方々に喜んで
いただいていますが、何時でも何処でも常住坐臥で唱えましょう
とお伝えするのですが、ついつい忘れがちになるものです。
そこで、これからは、念念従心起 念念不離心に加えて、
念念歩歩唱唱をも皆さんにもお伝えしていこうと思います。