平安時代末期に、

天台宗の僧侶であった聖応大師・良忍によって

開かれた融通念仏宗というのがあります。

大阪平野の大念仏寺を総本山としますが、

京都では大念仏狂言で有名な

壬生寺や清涼寺などが融通念仏で知られています。


自分の念仏の功徳は一切の人に融通され、

他人の唱える念仏も融通されて自己の功徳となる、

つまり、自他の唱える念仏は

互いに融通し合うということを説いた宗派です。


大原の来迎院での修行中、

阿弥陀如来から

「速疾成仏(誰もが速やかに成仏できる方法)」の偈文

「一人一切人 一切人一人 一行一切行

一切行一行 十界一念
融通念仏 億百万遍 功徳円満」

を授かったことから開宗したと言われています。


この融通念仏ですが、

「念仏を融通するなんて、素朴で微笑ましいけれど、

昔の人はそんなことを信じていたんだなあ」く

らいにしか受け止められていないかも知れません。


ところが何と、融通念仏は、実

は全くもって素晴らしい効果を発揮する(功徳がある)ことが、

呪文療法を実践するなかではっきり分かってきたのです。


そこで、融通念仏を見直すとともに、

その原理を広く現代に活かすべく、

融通念呪としてまとめてみました。



1、融通念呪は融通し合って時空を超える


呪文については、

今年の4月21日のブログにまとめていますが、

(1)リラクゼイション、(2)元氣増進・免疫強化、

(3)瞑想・禪・直感・願望成就、

(4)温熱・頭寒足熱・電磁波防御 等の効果が認められます。


さらに、呪文は物にもペットにも人にも

プラスエネルギーを染み込ませることができます。


例えば、何か持ち物を一旦手放して机の上に置きます。

それに向かって、「ありがとう」でも「南無阿弥陀仏」でも

「南無妙法蓮華経」でも「南無大師遍照金剛」でも

「アーメン」でもかまいません、

一言呪文を唱えると、

その持ち物にはプラスエネルギーが染み込みます。

それを本人なり本人以外の誰かに持ってもらって

Oーリングテストをすると、

リングの指は強くクローズします。

また、持ち上げテスト

(当院ではパネルヒーターを使います)をすると、

重い物がスーッと持ち上がります。


ここまではこれまでのブログでもご紹介しているのですが、

ここからは融通念仏・融通念呪についてと、

呪文が時空を超えることのご紹介です。

一人の男性に、

「パネルヒーターを持ち上げて下さい」

とこちらが言って、

その方が持ち上げようとされるのですがびくともしない。

そこで、付き添いの奥さんに、

「ご主人に向かって、ありがとうを繰り返して下さい」

と言って奥さんが言い始めるや否や、

びくともしなかったパネルヒーターがスーッと上がります。


今度は、ご主人と奥さんが交代して同じことをしてみると、

やはり同じことが観察されます。

本人が呪文を唱えず、他の誰かが呪文を唱えると、

唱えていない本人に呪文の効果が及んでいるのです。


これは、正に、呪文は融通し合えるということです。


今度は、離れた所で奥さんに背を向けて眼を瞑ってもらい、

「ご主人を瞼に思い浮かべ、

そのご主人に向かってありがとうを繰り返して下さい」と言うと、

奥さんが唱えるや否や、

やはり同じようにご主人が持たれる

パネルヒーターが持ち上がるのです。

これは、相手が眼前に居なくても

思い浮かべるだけで呪文が作用するということです。

つまり、呪文は空間を超えるのです。

相手が眼前に居なくても相手を思い浮かべた時、

相手は眼前に居るということなのです。


次に、眼前に居なくても瞼に思い浮かべたご主人に

呪文が染み込むあるいは作用するということは、

今は亡きご先祖を思い浮かべて呪文を言っても

作用すると考えることも可能になってきます。


これは、Oーリングテストや持ち上げテストが

ご先祖に対してできないので客観的な確認は無理ですが、

呪文を唱えて感謝の念を捧げた自分の心は確実にスッキリします。

それは呪文がご先祖に通じているからなのだと思います。


日本三大盆踊りの一つである阿波踊りを初め、

念仏踊りとして始まった盆踊りが、

昔も今も、各地で行われてきた所以です。


と言うことは、呪文は互いに融通し合って時空を超える、

あるいは時空を超えて融通し合う

と考えても良いのではないかということです。



2、融通念呪で修身斎家治国平天下


融通念呪は自他ともなる健康で幸福な人生の

土台になり得るかも知れません。

効果が素晴らしいうえに、

お金もかからず場所を選ばず時を選ばず誰にも、

日常的に簡単にできるからです。


先ず、自分が唱えると氣血の巡りが改善し、

頭寒足熱に導いてくれます。ま

た、唱えて没頭すると、

その時だけでも分別知が消えて

禪定(ぜんじょう)状態になることができます。


念呪は、呪文を「今の心=念」とするわけで、

四六時中の念呪を続けていくと、

分別知の雑念が無くなる分、

直感(直観)が冴えてきます。


もちろん、同時に念呪とセットで、

観自在で正念工夫の実践も大切です。

観自在で正念工夫は、

吉凶はあざなえる縄の如しで、

ピンチはチャンス、失敗は成功の元と、

すべてを「一に止(とど)める今の心」つ

まり正念を工夫することで、

分別知の雑念を無くすのに大切なポイントです。


続けていくと直感(直観)が冴えてきて、

一石二鳥や三鳥、一石十鳥も起こってきます。

観自在と呪文によって宇宙大自然(神仏)と

感応道交(かんのうどうきょう)するからなのですが、

人生が楽しく幸せになります。

また、こうしたことは自分の悟りのバロメーターにもなります。

あーだこーだと言っても、所詮、

日常生活はどうなのですかという話なのです。


これが身を修めることで、修身(しゅうしん)です。

すると次にこれを家族で行うと家が斎(ととの)ってくるでしょう。

これが斎家(せいか)です。

さらに各家庭が国中で行うと国が治まってくるでしょう。

治国(ちこく)です。

さらにこれを各国で行うと世界が平和になるでしょう。

これが平天下(へいてんか)です。


これらを合わせたのが修身斎家治国平天下

(しゅうしんせいかちこくへいてんか)で、

昔はよく小学校で見かけた

二宮金次郎像が読んでいる『大学』という

書物に記されている言葉です。


融通念呪は、自分が変わり、家庭が変わり、

国が変わり、世界が変わる土台になるのです。