⭐️ある日のテリィの言葉


「焦らなくていい。遠回りに見える道が、一番近道だったってこともある。」




稽古を終えた帰り道だった。

珍しくケビンが黙り込んで俯き歩いている。

「どうした?ケビン」

テリィが声を掛けると、ケビンは苦笑した。

「何があった?言ってみろ。楽になるかもしれない」

「……同期はどんどん名前が売れていくのに、俺はまだ足踏みしている。今日も稽古で怒られてばかりだ。さすがに少し焦ってさ」

しばらく二人で歩く。

やがてテリィが静かに口を開いた。

「焦らなくていい」

ケビンが横を見る。

「遠回りに見える道が、一番近道だったってこともある」

「そんなもんか?」

「俺はそうだった」

テリィは少し笑う。

「裏方をやって、端役をやって、ようやく今がある。あの頃は回り道だと思ってた。でも振り返れば、あれが一番必要な時間だった」

ケビンは前を向いたまま、小さく息をつく。

「……お前が言うと、妙に説得力あるな」

「そりゃ実体験だからな」

その言葉に、ケビンはようやく笑った。



本日も読んでくださってありがとうございます😊

また「テリィの言葉」でお会いしましょう✨