一冊のノートが作られた。
それは、人間があまりにも過ちを犯すため、
その原因を追究し根本から直そうという前向きなものだった。
その本は、因果関係が記される本であり。
左のページに「起こった結果」を記すと
右ページに「その原因」が書かれた文章が浮き上がる。
左ページに書く結果が細かいものであればある程、
詳細な原因が記される。
使い方は、まず結果が起こった場所の
「緯度・経度・国・標準時間と日付・住所」を書き、
そして、起こった結果を追記する。
例えば、
(左ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 ○○家
西暦2007年1月20日 8:00
△△氏は出社する際に携帯電話を家に忘れた。
と記入すると
(右ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 ○○家
西暦2007年1月20日
3:40
会社の新年会から帰宅し、そのまま就寝。
7:20
△△氏はいつもより遅く起きた。頭が痛く二日酔いである。
7:35
いつもしている、「持ち物をデスクに並べチェック」することをせず、
あわてて出社する。
と浮き上がる。あまりにも的確に原因が記載されるので、
「ある人が神から授かったものだ」という噂まで生じた。
ちなみに、未来の結果を仮定して記入しても、
その原因は無限にありえるので、
それは無効となり、何も浮かび上がらない。
勿論このノートの価格は膨大なもので、
主に組織や大企業・国家が使用していた。
しかし、このノートにはもう一つの機能があった。
あるふざけた事から発見されたが、
それに気付いた時には世界にそのノートが出回っており、
仮に、その機能を発表し回収を促したところで
回収できる見込みは全くないので、
製作チームはそれを機密事項とし封印した。
その機能とは、ある一つの法則を満たすことによって、
「右ページに原因を記入すれば
左ページに結果が記された文章が浮かび上がる」
ということであった。
これは、未来においても適用される。
つまり未来の予測が可能なのである。
使い方はほぼ同じ。
原因を詳細に記せば記す程、結果は詳細に浮かび上がる。
例えば
(右ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 ○○家
西暦2007年1月2日 17:00:00←秒数まで記載すると尚よい。
家を出る。その際に右手でドアノブを掴んで開け、右足から出る。
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 △△コンビニ
西暦2007年1月2日 17:05:25
上記○○家の右隣にある△△というコンビニに入り、店内を見回す。
と記入すると、左ページには以下の文章が浮き上がる。
(左ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 ○○家
西暦2007年1月2日 17:00:15
右足の次は左足を出し、左手で外側のドアノブを掴み閉める。
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 △△コンビニ
西暦2007年1月2日 17:05:26
たくさんの商品が陳列されており、人がいる。
これを更に詳細に記す。
(右ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 △△コンビニ
西暦2007年1月2日17:05:25
上記○○家の右隣にある△△というコンビニに入り、店内を見回し、
店内にいる人の人数を数え、特徴と男女を識別する。
(左ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 △△コンビニ
西暦2007年1月2日17:06:12
店内には五人の人がおり、男三人女二人。
その内男一人と女一人はほぼ同じデザインの服を着ているので
店員と思われる。
ここに「服の特徴や表情、そして一人一人の居る場所を見る」
などを記すと、それに対しての結果も出る。
このノートの面白い所は
「在りえない原因を記入しても結果が出る」という点である。
例えば、現在、
どこかの国の首相がテロリストに誘拐され捕まっているとする。
(右ページ)
緯度 度 経度 度 ○○国……………(省略)
西暦2007年1月22日 17:00:00
テロリストの本拠地を発見し単身突入。
飛び交う銃弾を全てかわし、
向ってくるテロリストを全て撲殺。
首相を救出し無事帰還。
(左ページ)
西暦2007年1月23日 18:00:00
国民の勇者と讃えられ数々の名誉を受ける。
とか、
指名手配のテロリストを殲滅した為2億円の賞金をもらう。
などといった様に。
しかし、例え本拠地に行ったとしても
銃撃されて死ぬのが現実なので実際には起こりえない。
けれども、本当に達成した場合はその結果が待っている。
これを使用すれば、
競馬の結果や株の上がり下がり等がこと詳細に分かるので、
使い用によっては勿論世界を動かすことだって可能である。
このノートは、裏社会では違う名で呼ばれ、
国家でも一握りの人間しか事実を知らず扱うこともできない。
しかし、これはあくまでも「ある法則を満たさなければ」できないのである。
その法則とは
「語尾に必ず「デシ」を付けること」である。
(右ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 ○○社五階会議室
西暦2007年1月2日 17:00:00
石油の価格交渉を始め、一言めに
「この価格では到底応じることはできないデシ。
もし、この価格で押し通すのであれば、我々にも考えがあるデシ」
と言うデシ。
勿論左ページも
(左ページ)
緯度 度 経度 度
日本国東京都○○区○○丁目○番地 ○○社五階会議室
西暦2007年1月2日 17:02:34
相手は
「ふざけるなデシ!我々がどんな思いでここまで来たか解ってるのかデシ!!」
と答えるデシ。
と浮き上がる。
裏社会にての呼び名
その名も
「デシノート」
アホだね