アルゲリッチ(マルタ), モントリオール交響楽団, ショパン, デュトワ(シャルル)
ショパン/ピアノ協奏曲第1番ホ短調op.11

誰しも、「きっかけの一枚」ってあると思います。

歌を習うきっかけ、ピアノを始める転轍機となった一枚、一曲・・

 

今から紹介するCDは、自分がクラシック音楽にはまるきっかけの

 

一枚。

 

ピアノを習い始めて5年ぐらいたちましたが、当初は好きなアーティストの

 

曲を弾けたらいいなとか思って始めたピアノで、クラシック音楽については

積極的な思いが欠けていました。

 

子供の頃に親のオーディオを悪戯して聞いた、例えばシューベルト

 

の「魔王」とか、ピアノの自動演奏機能で聞いたベートーヴェンの

「月光」とかに強烈な印象をもった記憶がありつつも、もっと分かりやすい形で

響きをだす現代アーティストにはまっていた時期でもあって、クラシック

については、とんと疎かったんですが、当時をピアノを教えてくれた先生が

盛んにクラシックを薦めるのと、ピアノの世界がクラシックを重視してることも

相まって(当然なのですが(汗)、じゃ一枚・・と図書館のCDコーナーで

借りたのがマルタ・アルゲリッチと、シャルル・デュトワのショパン、

ピアノ協奏曲第1番ホ短調op.11でした。

 

このCDを聴くまでは、クラシックなんて眠たくて退屈でジジーの聞くもんだ・・

 

でも本音ではいつかは関わってみたい世界・・なんていう遠くておぼろで敷居の

高い音楽だったのが、一気に眼前に開けてきて、いつしかドップリと首まで

漬かることになるとは・・

 

気が違ったように図書館を往復し、クラシックCDを借りまくってはRで焼いてを

 

繰り返して、今ではCDが1000枚入るラックを買うかどうか悩むまでとなり、

その時から4年ぐらいは今まで好きだった音楽の視聴はストップしてしまいました。

 

当時はクラシック以外の音楽はクソだ!ぐらいまで行ったのだから、

 

我ながら極端だよなぁと思うのですが、今では音大出の人や当時の先生

がそうだったのですが、クラシックに関わる人の、ポップスやロックへの

蔑視は間違ってると思っています。

 

お嬢様系の音大卒業者が、音楽的な生の現場では、アドリブが全く

 

できず使い物にならないという話しも聞いたことがあります。

クラシック世界の厳格な作法も自己を磨くにはいいハードルだとは

思いますが、「生きた音楽」にならないと意味ないと思うので・・

 

話しがずれました(汗

 

それで、このショパンのピアノ協奏曲第1番もアルゲリッチ以外の

アーティストの何枚か聞いたのですが、やはり今のところ自分の中

ではリズム、速度、展開・・どれをとってもアルゲリッチのこの一枚が

最高にいいです。

 

離婚したとはいえ、デュトワとはかつて夫婦。でも今は音楽を通じた

 

親友で、ステージに入るときも手をつないで入ってきたのを自分は

見ました。それだけに息があっているというか。

 

やはりアルゲリッチ程になると、生半可な指揮者ではアルゲリッチに

 

遠慮して実力が出せないんだそうです。

 

彼女が鍵盤を叩く度に星が瞬く。情熱が奔流のように溢れる。

 

 

尚、ショパンのピアノ協奏曲第1番は、ショパンが故郷ポーランドを

 

去るその一月前にワルシャワで初演された。

故国を後にして、新しい世界への船出に供された曲。

 

自分にとっても、クラシック音楽という壮大で奥の深い音楽世界への

 

船出を開いてくれた曲。

クラシックって凄いんだぜ!

って、それは今でも思うし、おそらく人類が作り出した遺産の一つなのは

間違いない。一生共にありたいと思いますね。

 

クレヨン社

 

やはりというか、Amazonには画像がなかったので写真撮りました(汗

 

ほとんどが廃盤だったので、全部集めるのは結構苦労しました。

 

クレヨン社については、オフィシャル があるので、そちらで詳しく

 

正確に見ていただくとして・・

 

自分にとってクレヨン社の音楽とは、「大切なこと」につながる道標の

 

ようなもので・・

クレヨン社の音楽を聞いていると、大人になるにつれて忘却しつつある

大切な何かを思いださせてくれます。

 

そういえば子供の頃はこう考えていたな・・とか、昔の自分はもっと純粋

 

だったなとか。

 

そんなこといちいち考えていたらこの海千山千のずるがしこい大人の

 

社会ではやっていけない。でも本当にそうなんだろうか?本当にその

大事な何かを捨て去っていいんだろうか、ってそんな自問自答の末に

「自分は結構汚れてしまったんだな」と。

 

コールタールのように黒くくすんだ自分の心に「痛み」と共に浄化を

 

与える。クレヨン社の曲はいつまでもたっても自分にはそういう音楽で

あり続けています。

 

これはもう言葉と言うよりは、聞いていただく他ないのですが残念ながら

 

誰にだって朝陽は昇る 以外は、オークション等か中古屋で購入する他

ありませんが、こういうのって「縁」だと思うので、本当に必要としている

人の元にはいつしか在る・・それぐらい力のあるアルバムだと思うんで

すよね。

 

また以前紹介した宮本駿一 君がライブで、クレヨン社の『東京夜景』

 

という曲をカバーされていました。

 

癒し系の曲って多いですが、本当の癒しの曲って実は胸を痛くさせる

 

ものかもしれないです。

 

遊佐未森, 外間隆史, 冨田恵一
roka

子供の頃から、音楽を聴いてジーンとしたり、

音と情景を結びつけて、その世界で遊ぶことが好きでしたが

大人に成るに連れて、「響き」を出している音楽とそうでない

音楽が自分の中で、明確に区分けができてきました。

 

そうしたことに自覚的になってきたのは、この遊佐未森という

 

人の音楽に触れてからです。

 

オリコンに登場するような派手な売れ方はしないけど、常に

 

多岐に渡って仕事を持っていて、それらを着実にこなしながら

日々の生活の一こま一こま中で「響き」を見いだし、それを作品

に定着させてゆく。各業界や様々な年齢層に根強いファンが

いて、実に安定した音楽活動をもう15年も続けています。

 

彼女の音楽は「遊佐未森」というジャンルとして確立している

 

と言っても過言ではなく、癒し系とかニューエイジとか日本のエンヤ

とか言う人もいるけど、どれもマト外れかなと個人的には思って

いて、ロック、ポップ、クラシック、日本の伝統的な唱歌から童謡に

至るまで、あらゆるものをかすりつつ、なおかつその取捨選択は

「遊佐未森」としか言いようのない、独自の世界観がベースに

なって行われているという、実にとらえ所のない音楽。

 

また結果的に癒されることはあっても、最初に癒しを設定して

 

いない所が、あの何物にも囚われない風のような軽さに

つながっているじゃないかって思います。

「癒し」などよりもっと大きな、法則とか運命とか永遠とかそう

したものを、生活のちょっとしたひとこまの中から表現

したいんじゃないのかな。

 

そんな中で、この「roka」というアルバムは、自分が加速度的に

 

彼女の音楽に傾倒したきっかけをくれた一枚です。

roka・・濾過・・

ささやかなことが、自分を濾過するきっかけになる。

ふと横を見れば、すき通った水脈が隠れている。

 

ハワード・ショア, サントラ, ベン・デル・マエストロ, ビリー・ボイド
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

J・R・R・トールキンの『指輪物語』。その映画のサウンドトラック。

 

フルートの音の向こうに、フロド達の動きが見える。

 

暗いモルドールの闇であったり、ペレンノール野に射す日の光で

あったり・・

風景だけではなく、登場人物の内面や感情とスコアががっちり

絡み合って、場違いな音が皆無なんですよ。

 

この映画にここまで合致するサウンドは、果たして他の作曲家に

 

なしえたのか疑問。

 

聴くだけで頭の中に映像が再現できるもんね。

 

いつまでたっても、懐かしいアルバムであり続けるでしょう。

 

今日の心にしみる一枚は、声優として有名な桑島法子さんのアルバム。

 

 

 

桑島法子, 服部克久, 北川恵子, 宮沢賢治

 

Flores ~死者への花束

 

このアルバムを理解する上では、

 

 

 

 

 

 

桑島 法子

 

桑島法子フォト&エッセイ Another Frame

 

も同時に読まれることをお薦めします。

 

 

アルバム制作のためのロンドンへの旅。エミリー・ブロンテの

 

小説「嵐が丘」の舞台になった英国ヨークシャー州北西部の寒村、

ハワースの美しい写真。

 

アルバムのジャケットの写真はいつ見ても、何かの物語の続きを

 

伝えてくれるかのよう・・それは「永遠」という名の物語。

 

質の高いアートディレクションは、声優やアイドルが出す

 

アルバムとしては異質かもしれません。

 

声優萌えとか言っているヲタクファンをリストラしてるとしか思えない

 

作りに、その制作の過程において様々な軋轢があったのではないかと

想像してしまいますが、声優としての桑島法子さんをあまり知らない

自分には、アーティスト桑島法子を真っ直ぐに感じさせる一枚でした。

 

宮沢賢治の詞を歌に乗せた実験的な曲「原体剣舞連」

 

平安時代、鬼女と呼ばれ打たれた「紅葉(もみじ)」の恋愛を歌った

「陽炎~摩利支天女」

小説「嵐が丘」のキャシーとヒースクリフの恋愛をテーマにした

「水に落ちた葡萄酒」

服部克久氏の代表曲「ル・ローヌ」にプロデューサーの北川恵子さんの

詞をのせた「ル・ローヌ2013」など、曲と曲を支えるテーマが

独特で、「濃い」アルバムです。

 

薄っぺらくて、たいしたテーマもない曲に飽き飽きで、たまには重厚で

 

熱い「濃い」音楽に触れたい、生きる力を得られる音楽が欲しい、

そんな向きにはピッタリの一枚だと思います。