人民元変動幅拡大は米国配慮&米国の北京オリンピックボイコット対策! | 路上文化遺産と消火栓

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町を路上観察すると路上や木造建築物に、昭和レトロを感じます。
マンホールの蓋や、ホーロー看板、木製牛乳箱などが見つかります。
ここでは、路上文化遺産と消火栓・防火水槽を取り上げます。

みなさん、おはようございます。

 

定期的に「馬明の中国株で資産大膨張」をご覧いただきまして、大変有り難うございます。

 

中国人民銀行・周小川総裁が17日、「中国のマクロ経済の持続的な安定を図るためには、如何なる金融政策をも駆使する」と発言しました。

 

本日の話題は、人民元変動幅拡大の真の目的は、何かを取り上げました。

 

この周小川総裁発言を受けて、18日、中国人民銀行は人民元の変動幅拡大に加え、預金・貸出基準金利と預金準備率の引き上げを発表しました。
この「三種の神器」発表で、中国本土市場と香港市場では投資家の質の違いによる、売買判断に大きな乖離が生まれました。
上海市場は上海180が+0.51%、上海Aが+0.54%と好調であったのに対して、深センA株は反対に-0.39%と下落しました。このように中国本土市場においても、中国人民銀行の金融政策「三種の神器」発表で、買いサインと見なした上海市場と、売りと判断した深セン市場とにわかれました。しかし、中国本土市場の代表は総資産額が一番大きい上海市場ですので、個人投資家の中国株投資熱を冷ますまでには、至りませんでした。

 

一方、香港市場は至って大人の対応で、ハンセン指数は-0.43%、H株指数は-0.77%、レッドチップは-0.80%でしたが、新興株市場といわれるGEMは逆に+0.99%と上昇しました。一方、中国本土市場のB株市場では上海が-2.93%、深センが-0.46%と共に下落しました。

 

今回の大きな金融政策は中国経済のバブルのきざしを警戒したのはもちろんのこと、一番の目的は対米配慮です。

 

1 金融政策「三種の神器」の真の狙いは米国対策
  米国の議会では中国に対して、様々な批判が出ています。中国経済の継続的に安定化させるためにも、米国とは貿易摩擦を収めなければなりません。
  今日の日本経済新聞朝刊によれば、人民元の変動幅の拡大は、経済を不安定にしかねない二つの「外圧」を取り除くための狙いが2つあります。
① 米国との通商摩擦
  中国の4月対米貿易黒字は220億ドル。同時期の黒字総額の三分の一を占め、中国は米国が貿易黒字の最大の稼ぎ相手であり、米国との関係が悪化すると、通商摩擦で中国経済の雇用が不安定となることを、恐れているためです。
⇒ 米国は人民元安で巨額な貿易赤字の急増が大きな貿易障害となっています。

 

② 海外からの投機資金の流入
海外からの投機マネーは、「不動産」「株式」「人民元」の3つの対象を流入しています。これが中国経済のバブル化となる大きな要因でもあります。
  すなわち、人民元のレートを上下ともに大きく変動させて、収益の見通しを立てにくくすれば、流入をある程度はけん制できるとの期待があります。

 

・ 人民元利上げと預金準備率の引き上げ効果
今回の人民元利上げと預金準備率の引き上げにより、18日の上海外国為替市場では、人民元は米ドルに対して続伸しました。
  2日連続で一時1ドルが7.6679元まで切り上げ後の最高値を更新しました。終値は1ドルが7.6686元と前日比0.0021元(0.027%)高で取引を終えました

 

2 米国の北京オリンピックボイコット対策!
  中国は、11日付けの「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によれば、胡錦濤国家主席が、来年開催の北京オリンピックの開幕式にブッシュ米大統領を招待したと伝えました。
このように、中国政府は国家の威信をかけて、北京オリンピックを大成功させるためにも、米大統領を北京オリンピックに招待して、中国主席との首脳会談を期待しています。
これを受けて、ブッシュ大統領も北京オリンピックの開幕式出席に前向きとのことです。

 

これは、米国下院議員の北京オリンピックボイコット警告を防止する意味も、裏側に隠れていると思われます。
11日付けの産経新聞によれば、米国議会の下院議員108人が9日、中国の胡錦濤主席あてに書簡を送り、スーダンのダルフールでの虐殺を続ける勢力への支援の停止を求め、中国側が十分な対応をしない場合には2008年の北京オリンピックのボイコットにもつながると警告しました。
ほぼ同じ時機にこのような新聞報道があったのは、単なる偶然とは思えません。

 

なお、当ブログで3月に中国人民銀行が、中国株のバブル化で過熱している株式市場を冷やす金融引き締め、 中国人民銀行が0.27%の追加利上げを実施 について概要を掲載いたしましたので、ご覧いただければと思います。また、5月には中国人民銀行東京代表處を丸の内で発見! ~預金準備率の引き上げで株式市場のバブル制御は可能か?~
でも紹介しています。 
 
最後までご覧いただきまして、有り難うございます。下の写真は中国銀行東京支店大手町出張所の入り口です。
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みなさん、中国人民銀行による人民元変動幅拡大が、米国配慮&米国の北京オリンピックボイコット対策!について、どのように思われますか?


 

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