フランス製の可愛い時計を修理しています | 路地裏の骨董カフェ

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アートとふるもの好きが嵩じて、明治、大正、昭和初期のインテリアや雑貨を取り扱う古物商を始めました。また、古時計や蓄音機などを中心に修理・調整をしています。
引き続き情報交換をお願い致します。

めっきり気温も下がり、朝晩は冷え込んできました。秋の紅葉もじわじわと進んでいるようです。

ようやく、赤菱製の出テンプ式の丸グレシャム 時計とオール社の手回しミシンもメンテナンスが終わり、Shopの方にあげました。




日曜日には、ご依頼のあった、別の精工舎の丸時計とドイツ製の回転振り子時計も修理・調整が終わり無事納めてひと段落しました。


その合間も以前からの続きで、細かな修理を続けています。

まずは、デザインがお気に入りのフランスDEP社のちっこい目覚まし時計ですが、時間のゼンマイを巻くつまみが欠損で、あり合わせのつまみで代用していました。




多分、ネジのシャフトが途中で折れてそのままの形跡があります。代用の丸のつまみでは、力が入らず上手く巻けません。

径の合うつまみの両側に窪みの穴を開けて、真鍮の輪を噛ませて、ネジ巻き用のつまみを加工しました。


ところが、折れたシャフトのネジ山が少なくて、巻く力に負けて滑ってしまいます。

小型のタップとダイスのねじ切りを新たに入手しました。


小型のダイスで、深めのネジ山を新たに切りました。これで、ようやく、ゼンマイが滑らずに巻けるようになりました。



時間はかかり苦労はしましたが、漸くDEPのアンティーク時計もなんとか復活しました。
デザインが素敵なだけに一安心です。

さらに、上の時計と同じ頃の携帯目覚まし時計と思われますが、こちらもメンテナンスをしました。

文字板にフランス製とあり、メーカーは不詳ですが、似た形でバヤール製を思わせますが、詳細は分かりません。


こちらは、オーバーホールはせずに、機械を洗浄後にテンプの真を研磨し、調整しました。



ただ、長針の蛍光塗料が欠損していますので、蓄光パウダーで補修して戻しました。



外側の塗装の剥げが課題で気になりますが、これはこれで味としてそのままとしています。

この他、同じくフランス製のDEPの目覚まし時計も入手したのでこちらも修理をしています。
ベークライト製の1940年頃の製造と思われますが、アール・デコスタイルの時計です。



ヒゲゼンマイが切れた状態で、時間が全く合っていません。テンプを調整したのちヒゲを交換したのですが、長すぎて大幅に遅れます。

赤菱時計のヒゲの微妙な調整で時間を要したので、次に直ぐとはいかずにちょっと一休みしています。

こんな感じで、他の時計の修理の合間を縫って、フランス製の可愛い時計も修理・調整していますが、一台一台慌てずゆっくり…。

この他、精工舎の目覚まし時計の修理のご依頼もありましたが、文字板の塗装劣化で使えない状態です。文字盤を入手する事にして、到着待ちの状況ですので、続きはまた次回にご報告しますね。