ドイツ製 キンツレー のダブルベル目覚まし時計をオーバーホールしました | 路地裏の骨董カフェ

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アートとふるもの好きが嵩じて、明治、大正、昭和初期のインテリアや雑貨を取り扱う古物商を始めました。また、古時計や蓄音機などを中心に修理・調整をしています。
引き続き情報交換をお願い致します。


ドイツ製の戦前と思われるキンツレー の目覚まし時計をオーバーホールしました。
裏蓋も綺麗で、紙文字板ですが、蛍光塗料も綺麗に残っています。
状態が良いので、以前に簡易清掃と注油で様子を見ていましたが、テンプの振りに元気が無くて、原因を潰して全体を調整するために、オーバーホールしました。



機械は、ドイツらしく地板に斑点模様があります。一番気になるホゾは詰めて調整しました。

部品は洗浄液で洗い、乾いたら組み上げました。
ゼンマイは、解いて汚れを落とした後、油を引いて滑らかにしました。


テンプの芯も研磨して、回転が軽くなるようにしました。振り角も回復して、いい感じの振りに戻りました。


ベルの設定を元に戻して、全体を組み上げて完成としました。錆びがあまり無く、とても状態がいい目覚まし時計です。
24時間の稼働も確認が取れましたし、精度もプラマイ2分以内で合格ラインが出ています。




こちらは、早速、ショップの方にあげました。
次に、以前ご紹介したサーチライト型の置時計は、24時間以上駆動しなかったので、再度調整しました。



こちらも、テンプの芯を研磨して、振り角が出るように調整しました。
それでも、暫く様子を見ると、20時間位で止まる状態です。この時計は、24時間ではなく、12時間巻きかも知れません。ゼンマイを見ると、解けるとすぐ外枠に触れて、ゼンマイの解けるのを止めてしまいます。
どうもこの形の時計は、小型ゆえに長時間の駆動は犠牲になってるように思いました。
もう少し様子を見たら、この状態でショップの方にあげようと思います。
4月くらいから、ドイツの時計をまとめて入手し修理していましたが、これで漸く一区切りがついた感じです。