023 ホブスンの婿選び HOBSON'S CHOICE | 路地裏 誠志堂 懐かしの映画パンフレット  1950〜60年代

路地裏 誠志堂 懐かしの映画パンフレット  1950〜60年代

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邦画が続きましたので、ここらで洋画へ。

巨匠デヴィッド・リーン、1954年の作品『ホブスンの婿選び』

 


 

Tip-top comedy entertainment for all audiences 

と書いてあります。 

誰もが楽しめるサイコーのコメディ

なんだか、背景の渦が騒動を予感させますね。

 

原題の”Hobuson's Choice"とは、英語の慣用句で「(選択の余地がありそうに見えながら)えり好みの許されない選択」(goo辞書より)だそうです。

 

 

デヴィッド・リーン監督の10本目の作品です。

後に撮る『アラビアのロレンス』『戦場にかける橋』『ドクトル・ジバゴ』といった超大作を連発する前の107分の佳作です。

 

ところは、イギリス北西部の小都市サルフォード。三人の娘を抱えたやもめ暮しの老いたる靴屋の親爺、娘達の結婚を巡って巻き起こる騒動のコメディ。

 

ネットで調べたところ、けっこうコアなファンがいるようです。

 

寄稿文の中に、淀川長治の日曜洋画劇場を彷彿させる名調子の解説がありました。

 

★「見て驚きました。流石にディヴィッド、リーンだけあって実にいゝですね」

「ぼくはまた”超音ジェット機”のディヴィッド・リーンだから、もっとハイカラなアカ抜けした映画かと思ったのに、古くさい教訓芝居みたいで・・・・・」

★「どこが古くさいのです?」

「どこって云えませんが、とにかくモッサリしたのばかり出てきて色気がなくて・・・・」

★「こんな色気があって、こんなに粋な芝居が、貴方にはそう見えるの」

「粋ですって・・・・・それこそ、どこが?」

★「貴方・・・・・・おいくつ」

「何がです」

★「貴方のお年はいくつ?」

「いやですネ、あらたまって・・・・・二十三ですョ」

★「なるほど、二十三才の青二才では解らない」

「失礼ですネ、そんな云い方」

★「貴方、芝居や落語や講談や、そんなものをあんまり見たり聞いたりしないでしょう。もしも貴方はせめて、あの有名な”芝浜の革財布”という落語講談でも聞いていてくれると、この映画の味が解るのですが・・・・・・」

「だから、けっきよく古めかしいのでしょう」

★「古いとか新しいとか云う問題じやありませんよ。人情ばなしの魅力ですよ。人情ばなしの嬉しさなんて貴方には未だ解らない。せいぜい”終着駅”とか”愛の泉”の主題歌とか・・・・・・・そんなのがいゝのでしょう。可哀想みたい」

 

英国の”芝浜”のような味だって!

未見なボクにとって、居ても立ってもいられない気分にさせてくれます。

 

さらに解説は続き、江戸川柳や川口松太郎も登場、最後に「とにかくイギリスという国は嬉しいじやありませんか、ちやんと江戸小ばなしの味をもつているんですからねェ」

 

観た〜い。

 

ワンシーンがupされていました。

 

 

※尚、デヴィッド・リーン監督の表記は、パンフレットの中でも「デーヴィッド」「デヴィッド」「デヴイッド」「ディヴィッド」等、バラバラでした。


監督 デヴィッド・リーン
脚色 デヴィッド・リーン、 ノーマン・スペンサー、 ウィンヤード・ブラウン
制作 1954年

パンフレット制作 新世界出版社
あらすじなど、詳しくは→Movie Walker

 

 

 

古いパンフレットを見る楽しみのひとつに、当時の広告があります。

眼鏡店の広告が2点。期せずして、同じアメリカAOC自動検眼機が売りです。

 

 

近未来です、ね。

 

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