動画でよがる ~ 年末年始、悩みだらけで頭が痛いわい、でも映画は観ちゃうもんねー編③ ~ | つっちーの“ひとりでよがって”

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みなさん、こんばんは。
第三回目の今回はヒーロー物特集をお届けします。

我が国が誇る特撮ヒーロー物の一つである『スーパー戦隊シリーズ』、我が家の子供たちは『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』を観ていたので、わたしも一緒に観ていたはずなのですが、最後はどうなったのか全然記憶にございません。
先ほど息子に聞いたところ、やはり覚えていないとのこと。

それはいいとして、その次の戦隊からは観ていないのですが、さっき調べたら現在放映中の『ドンブラザーズ』を含めてすでに4戦隊が登場しているのですね。
ドンブラザーズが放映開始になる際、姉から「今度の戦隊は変な名前」と聞いていたから名前だけは知っておりましたが、確かスーパー戦隊の代替わりの時期は2月ころだと記憶していたため、そろそろ次回作も発表されているのではないかと調べたところ、今度は史上初の昆虫モチーフ戦隊のようです。

昆虫をモチーフにしたヒーローといえば、日本なら仮面ライダーシリーズ、アメコミならスパイダーマンやアントマンなどが有名ですが、今回最初にご紹介するヒーローも昆虫仕様なのですよ。
一体どんな昆虫なのか。
ではまいりましょう、街の安全を脅かすヴィランのごとく跳梁跋扈するネタバレにご用心を。

○『スパイダー・ボーイ ゴキブリンの逆襲』(フィリピン)
なーんだ、スパイダーマンのパクリじゃないか。
と思ったあなた、それは早とちりというものですぞ、この映画は「フィリピン映画史上最高の製作費を投じた」という触れ込みの大作ですから、同じクモヒーローとはいえ超有名人の丸パクリに終わるような代物であろうはずがありません。
その証拠に、スパイダーボーイの能力でクモを感じさせるものといえば壁を登れることくらいで、本家と差別化を図るためにオリジナリティあふれる能力を身につけております。
それは、自分の手から生じさせたピンク色のスライムのような物体で、傘とか花束とか胸像とか、自由自在になんでも創り出せるというもの。
これがクモとどのような関係があるのか、クモ素人であるわたくしには想像もつきません。
ヒーローに欠かせないコスチュームについては、センス抜群なスパイダーマンのそれを丸パクリするのは史上最高製作費のプライドが許さん、なので部分パクリに留めよう、という意思がヒシヒシと伝わってくる、センス最悪な仕上がりとなっております。
一方、サブタイトルにある「ゴキブリン」は、化学物質を浴びたゴキちゃんが潜伏している食パンを、そうとは気づかずに食べてしまった青年が怪人に変身してしまったもので、自分の意志で自由にゴキブリ怪人に変身し低空飛行も可能という、それなりのゴキ能力を発現しております。
彼は主人公の職場の同僚でしたが元々仲が悪く、彼らが戦う理由は「ヒロインの愛を得るため」であり、特殊能力を持つ者同士が同じ女性を巡って争っているにすぎません。
ゴキブリンは多少の悪さをしたとはいえ、彼が怪人と化した境遇から考えると「罪を憎んで人を憎まず」の精神で対応すべきところ、スパイダーボーイは「害虫は駆除されるべし」の精神に基づき抹殺してしまい、後味の悪さが残る結果に。
セットや特殊メイク、特殊効果などに史上最高製作費をつぎ込んだ痕跡は見られないことから、俳優陣がよほどの大物ばかりなのかもしれませんが、「史上最高の予算の無駄遣い」という評価に終わっていないことを願わずにいられません。

○『ヌイグルマーZ』(日本)
主演は「しょこたん」こと中川翔子。
正直、しょこたんは好きではないのですが、昨年秋頃に香港ネタを取り扱ったテレビ番組を観たところ、彼女がわたしなど足元にも及ばぬほどの香港通であることが判明。
ブルース・リーやジャッキーの映画はセリフの一つ一つまで覚えているほどのマニアっぷりで、わたしは過去のブログでしょこたん語を2~3回無断で使用させていただいたご縁(?)もあることから、勝手に師と仰がせていただくことにしました。
そんなわけで、今回のヒーロー物ネタを探す中で真っ先にリストに上がったのがこの映画。
ところがしょこたん師匠、地球外生命体が寄生したテディベアと合体してヌイグルマーに変身したところ、中身が別人に代わっているではありませんか。
で、この別人さんがハイレベルなアクションで悪者をバッタバッタとなぎ倒していくのですが、後から調べたところ、彼女は随分前に観た『ハイキック・ガール!』の主人公を演じた武田梨奈であることが判明、なるほど納得。
それにしても師匠、あなたほどの香港映画通であれば見よう見まねでカンフー技も習得していらっしゃるでしょうに、ここで披露せずしてどこで披露されるおつもりで?
と思いきや、終盤になっておもむろにヌンチャクを取り出した師匠、実はゾンビ映画なのかと思ってしまいそうなほど大量のゾンビを相手に華麗なヌンチャク捌きを披露なさいました、お見事、さすが師匠ーっ!
未公認弟子入りを後悔せずに済んだところで総括を。
しょこたん師匠、ヒーロー、テディベア、というキーワードから小さなお子様も楽しめるであろうと判断して本作の鑑賞をお考えの親御さんには、入念に下調べをしてから決断していただきたい。
だって、あんなところからビームを発射する敵が登場するんだもん。

○『ヴァレンタイン ヒーロー誕生』(インドネシア)
スパイダーボーイ、ヌイグルマー、の2作品を立て続けに鑑賞した後に観たためか、比較的出来の良いヒーロー映画に思えた。
主人公の名前がヒーローなのに「スリ」っていうのはちょいと気になるところだが、スタイル抜群の別嬪さんだし、東南アジアで盛んらしいシラットという武術を駆使した格闘シーンもイカしている。
さらにカーチェイスやカメラワークも香港映画を思わせるレベルであり、スパイダーボーイよりよほど予算をかけているのではないか、と思わず唸った。
ただストーリー的には、主人公は格闘技ができるだけの一般人であるにもかかわらず、凶悪な犯罪グループを相手にたった一人で戦わせるプロデューサーには、いかに悲惨な過去があろうとも全く感情移入できなかった。
そしてラスボスが主人公にとってはまさかの相手であり、動機も動機だったことからラストバトルの決着はつかず、警察の狙撃によるラスボス死亡で終了という、拍子抜けする最後だったのは残念。
なお、元ネタは『スカイラー・コミック』というインドネシアのヒーローコミック出版社から出版されているコミックのようで、マーベル・シネマティック・ユニバースのような世界観の実写化を企画しているらしく、本作はその第一弾とのこと。
今後に期待です。

以上、ヒーロー物特集をお届けしました。
御覧の通り、ヒーロー物にしてはなにか物足りなさを感じる顔ぶれに終わりました。
ならば次回はヒーローの本場、アメリカのヒーロー物特集といきましょう。