インドで出会う物乞いの人は何種類かいます。

① 本当に貧しくて他に方法がない人
② 隣国から難民として来ていて働き場所が見つからない人
③ 貧しいんだけど、物乞いの方が楽な人
④ マフィアに雇われ、身体を傷つけられているかわいそうな人たち
⑤ サドゥ(修行僧)のフリをしている人
⑥ 本当にサドゥの人

①~④を見分けるのは観光客の私たちにとっては至難の業です。

②は、パキスタンやバングラデッシュからの難民の人たちが多いそうですが、インド人からしたら顔を見れば国籍がわかるそうです。その外見の違いは日本人と韓国人、中国人の違い程でその文化にある人にしか見分けがつきません。

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①と③の見分けも難しいです。が、おそらく瞳の透き通り方が違うのだと思います。
①と④の見分けもかなり難しいです。足や手、眼がない人、小さな赤ちゃんを抱いている子供たちを見ると心を痛めずにはいられません。

④と⑤は慣れてくれば比較的に簡単です。特にリシケシュでは頭にドレッドを巻いてオレンジの袈裟を来ているサドゥ的な人たちがたくさんいますが、本当のサドゥはやたらに物乞いをしたりしません。空のお弁当箱を持って、「なにかくれ~」と言っている人たちは大抵これもバングラデッシュなどの隣国から来て、サドゥのフリをして生活をしている人たちです。眼を見ると結構いたずらっ子のようなお茶目な眼をしているので、ちょっとおかしいです(笑)。

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こういった人たちに会うと、お金をあげるべきなのか、それとも無視した方が良いのか私もかなり戸惑ってしまいます。本当に貧しくて方法がない人は助けてあげたいし、でもかえって自立を奪うようなことはしたくないし・・・。「この人たちが貧しいのには違いない、私の10円はこの人たちにとって一日のお金になるかもしれない・・・」

観光中、参加者のだれかがそういった人たちにお金をあげようとすると、私たちのガイドのヴィプールさんはきまって怒りだしてしまうのです。ヴィプールさんはハリドワールでサンスクリット語の助教授をしているすばらしい方です。

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*右がヴィプールさん。左は今回通訳をさせていただいたルスラン先生。

が、彼はとても正義感の強い方で、サドゥのフリをしている人、隣国から来ている人、怠けている人にはお金はあげてはいけない、と言います。彼によれば、実はそういう人たちはけっこう小銭を集めている場合があるそうです。区別ができない観光客を目当てに楽な方法で生活をしようとしている、と言います。

すべての物乞いがそうだとは言いがたいと思いますが、彼が怒るのには理由があります。インドを物乞いの国だと思ってほしくないのです。愛国心ゆえの正義感なんですね。

そしてマフィアに雇われ、手足を失って物乞いを強いられている人たちも確かにいます。涙なしでは通り過ぎることができない場合もあります。でも、彼らにお金をあげればマフィアに渡ることは確実。

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おそらくこの人は本当のサドゥ(笑)。カンカンを使って楽器にし、恍惚状態で歌っているのが印象的でした。

インドの文化を壊すことなく、彼らの生活を尊重し、本来の生き方の尊厳を取り戻してもらうためには、日本という物質的に豊かな国からやってきた私たちができることはなんでしょうか?

ただ「かわいそう」と思っていてもなんの役にもたちません。「かわいそう」と思うことで、その悲しみのストレスにかえって自分の神経を痛めつけてしまいます。一番いいのは、おそらく、その状況に心を痛めることなく自分のダルマ(義務、やるべきこと)をやっていくことだなのだと思います。

たとえば、いつも鞄の中にお菓子を忍ばせて子供たちにはお菓子をあげたり。または貧しい人に支援をしている団体、アシュラム、お寺に寄付をする(インドには一方でこういう団体や施設が限りなくあり、慈悲深さが国民に浸透している国です。このお話はまた後日)。

そして、日本に帰ったら自分のするべきカルマ(善行)とダルマをすること。インドにいる物乞いの人たちすべてを幸せにすることはできません。冷たく聞こえるようですが、実は彼らには彼らのカルマがあり、物乞いもそのカルマ(やるべきこと)だとする考え方もあるのです(このお話もまた後日)。

援助団体に寄付をした後は、さらに日本で出来ることがあります。それは自分の人生を生きること。幸せになるための方法を探すこと。自分自身を生かし、才能を伸ばし、人々と幸せと喜びを分かち合うことができることをすること。光を自分の内側から放つこと。

これは一見インドの物乞いの人とは関係がないように思えますが、実は一番の近道なのです。自分自身を生きることは神(宇宙、源、魂、真我、etc...)に向かうことです。そこからすべてが繋がっています。私たち一人一人が内側の光を放つことで、他の人々の真我(アートマ)に光を当てることができるようになります。

インドで物乞いの人に心を痛めたことがある方、後は神様に物乞いの人たちの祝福をお願いし、その悲しみや同情を手放してすべて宇宙にゆだねてください。ガンジスにその祈りを送り、新たな光を得てください。

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