スーパーな勢力にまで発達した台風(18号)がアジア極東を襲った。風速は70mに達し、その風雨によって台湾、中国、フィリピンなど広範囲に甚大な被害を齎した模様だ。ニュースで見る映像もこれまでにない凄まじいものばかりである。しかもこれで終わりではない。
《日本列島を襲った大型台風》

(画像はネットから借用)
❋(因みに、1951年の10月14日には統計開始以降で4番目に低い中心気圧(935 hPa)を観測したルース台風が鹿児島県に上陸し、西日本一帯に死者572名、行方不明者371名、負傷者2,644名といった甚大な被害を招いている)
この季節、地球温暖化もあって、まだまだ台風シーズンの真っ只中にある。実際、南海上には台風や、その卵が目白押しである。だがそれだけではない。秋から年末にかけては地震も多い。ことに北日本に多発する傾向が見て取れる。それも(巨)大地震ばかりだ。これまでには、どんな地震があったのだろうか。
今から31年前(1994年)の10月04日、北海道の根室半島沖を震源に、マグニチュード8.2の巨大地震が発生した。この地震は、2011年の東日本大震災(M9.0)まで、1923年に気象庁がデータを取り始めてから最大規模の大地震であった。しかも、こうした地震の前に現れる長きに渡る静けさといい、今現在と良く似ているのが気になるところだ。
〈道東に於ける被害状況〉
被害は震度6を観測した釧路市を中心に、負傷者437人の他、住宅全壊61棟、半壊348棟、一部損壊7095棟など広範囲に及んだ。最も甚大な被害は北方四島で、津波に襲われた択捉島では死者行方不明11名に達し、約1万人の島民がロシア本土への移住を余儀なくされた。
そもそも北海道東岸は地震が多い。下記の如く、20世紀以降でも日本列島に関わる巨大地震(M8超)の8割が集中しているのだ。
☆(北海道の東方沖を震源とする地震)
★(北海道東方沖地震)
☆1918年09月08日、択捉沖地震、M8.0
☆1952年03月04日、十勝沖地震、M8.2
☆1958年11月07日、択捉沖地震、M8.1
☆1963年10月13日、択捉沖地震、M8.1
☆1968年05月16日、十勝沖地震、M8.0
☆1969年08月12日、色丹沖地震、M8.2
★1994年10月04日《北海道東方沖地震》
☆2003年09月26日、十勝沖地震、M8.0
これ以外にM7クラスも満遍なく発生しており大地震の発生頻度は日本列島の中でも群を抜いて高い。平均すれば巨大地震だけでも10年に1度、M7超の地震を加えるなら約5年に1度にもなる。2003年の十勝沖地震から21年。いつあっても不思議ではあるまい。
一方、南海トラフ型ではどうか。こちらは、春から夏(4月~8月)に少なく、秋から春(9月~3月)にかけて多発する傾向にある。
☆《春から夏に発生した巨大地震》
★《秋から春に発生した巨大地震》
★684年11月26日、白鳳地震、M8.0~9.0
☆887年08月22日、仁和地震、M8.0~82
★1096年12月11日、永長地震、M8.0~8.5
★1099年02月16日、康和地震、M8.0~8.5
☆1361年07月26日、正平地震、M8.5
★1498年09月11日、明応地震、M8.2~8.4
★1605年02月03日、慶長地震、M7.9~8.0
★1707年10月28日、宝永地震、M8.4~8.6
★1854年12月23日、安政東海地震、M8.4
★1854年12月24日、安政南海地震、M8.4
★1944年12月07日、昭和東南海地震、M8.2
★1946年12月21日、昭和南海地震、M8.4
《参考/非南海トラフ》
★2011年03月11日、東日本大震災、M9.0
このように(南海トラフでは)歴史に残る巨大地震だけでも12回あるが、8回は11月下旬から2月に発生しており、しかも5回が12月に集中している。11月下旬の白鳳地震を加えれば“半数が年末”なのである。
南海トラフ型だけではない。元禄地震(1703年12月31日、M8.1~8.5)や安政江戸地震(1855年11月11日、M7.1)がそうであるように、大きな地震ほど、なぜか年末にかけて増える傾向にある。偶然に越したことないが、秋から冬は、なにやら不穏な雲行きに覆われてゆく。“台風シーズンの終わりは巨大地震の始まり”でもある。これからの季節、こちら(首都直下地震)も、いつあっても不思議ではないということだ。
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また、こうした地震の場合、その多くが荒天明けに発生しているから不思議だ。荒れ模様の天候が回復し「今日は何事もないだろう」と思えるような恙無い日和に限って襲われている。もしや下記のような理由からではなかろうか。
布の一部を強く引くと、その部分ではなく、離れた弱い箇所から裂け始める。地震も同じで、気圧の低い部分からの応力が、そのプレートで最も弱い箇所に及んで破断させるのではないか。大きな地震ほど風雨の最中になく、荒天明けの穏やかな日和に集中することからも、こう考えないと説明が付かない。ともあれ最大の『防災の日=厄日』は9月1日や3月11日だけではない。10月から年末(年始)にかけてが一番であることもお忘れなく。
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《余談》
【トラぬ狸の“票”算用】
自民党総裁選に見るステマ問題。真偽のほどはともかく、どこ(誰)からも追及の手が上がらないのは不思議だ。ニコニコ動画の討論会でも、大人の対応を演じているのかそうでないのか、立候補している他の四人は擁護するばかり。
そもそも、SNSには先乗り効果絶大らしく、いの一番のコメントに誘導される傾向にあるとか。其々の候補者の記事に寄せられるコメントも似たりよったりである。もしや「誰もがやっているから追及出来ない」「それを承知で仕掛けた巧妙な選挙戦術」なーんてことはないと思うが。
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《珍・総裁選展望》