【都道府県魅力度ランキング2025】
この(10月)4日、今年もまた都道府県の魅力度ランキングが発表された。映えある栄冠?は埼玉県である。これまでなら(佐賀県を除き)茨城、栃木、群馬の指定席であり、ことに茨城県の独壇場でもあった。2016年には、45位『群馬』、46位『栃木』、47位『茨城』と(下から)3位までを独占していた。でもどうして北関東は魅力がないのだろうか。しかも埼玉県まで加わるとは・・
そもそも、この3県は県名と県庁所在地が一致しない全国でも数少ない自治体である。茨城と水戸、栃木と宇都宮、群馬と前橋、この関係を、どれだけの者が認識しているだろうか。しかも代表的な名称に冠(県名)さえないのだ。
《茨城県》
茨城県などは最たるもので、全国区を数多く抱えるにも関わらず、どれにも県名が入らない。サッカーのアントラーズは「鹿嶋」で、学園都市は「つくば」だ。今をときめく海浜公園は「ひたちなか」で、県を代表する世界的企業まで「日立」であって茨城ではない。金融機関も「常陽」銀行である。誰もが知る「偕楽園」や「黄門」様は言うに及ばず「納豆」までが『水戸』なのだ。隣県の住人であれ「茨城」ブランドをまるで聞かない。
《栃木県》
栃木県にも世界遺産で名高い社寺仏閣はあるものの、これも「日光」であって栃木ではない。餃子で名を馳せた「宇都宮」も県都であり県名ではない。古都であり関東屈指の観光資源を有する県内第2の都市は「足利」である。数ある避暑地や温泉街も「那須塩原」に「鬼怒川」と言った具合いで、焼きものの里は「益子」だ。例外は蔵の街「栃木」市だが、まだローカルの域を出ていない。
《群馬県》
(2014年、ゆるキャラ日本一も、どこまで覚えているだろうか)
群馬に至っては、アレレ(失礼)? で県名と結び付くものが咄嗟に出てこない。人気NO1の「草津」温泉や、「高崎」の観音様もあるが、これとて群馬ではない。元より、上越や上信越地方と称するように、北関東ではないのだろうか。「草津、四万、水上、伊香保」と温泉巡りをしたものの「何県にあるのかまでは知らない」といった笑い話まであるくらいだ。ゆるキャラグランプリで日本一に輝いた、あの群馬ちゃんは、もう消えてしまった。
北関東3県には約658万人(2025年7月1日現在)が居住する。茨城県は全国11位の281万49人、群馬県は18位で188万9425人、栃木県が19位の188万2342人である。それだけ著名人も多く、五輪では茨城県を筆頭に金メダル(11個/全国3位)を量産し、首相に至っては群馬県だけで3人も輩出している。
問題は地元意識の欠如だろうか。何せ、群馬、栃木からは、新幹線で東京都心まで約50分であり、JRや私鉄でも都内の各ターミナルまで1時間30分もあれば到着する。車でも混雑さえなければ県南の多くが高速道路で1時間圏内に属する。だから消費者は都内に流れ、地元商店街は益々、シャッター通りになってゆく。
茨城県なら尚のことだ。県内人口の過半数が東京都内への通勤・通学圏に位置する。JRのみならず地下鉄が県南の衛星都市に分単位で乗り入れ、通勤、通学と多くの県民を都心へと運ぶ。そう、ここは茨城県ではない。茨城都民の住む、東京都“茨城区”なのだ。
北関東の住人は地元が表に出ない。かつての埼玉や千葉がそうだったように、今や北関東南部の多くが東京のベットタウンになった。新幹線通勤がその距離をさらに縮めた。昼間は都内で働き学び、就寝のためだけに帰宅する。これが実態といったところか。だから愛着が湧かない。
県民そのものの愛着が希薄で、どうして全国から認知されようか。先ずは意識から改革せねばならないと思うが。但し、メディアから注目を浴び露出度満点だった大井川知事や福田知事、かつて(2012年当時)の大沢知事からすれば抜群の宣伝機会を失い、こうした結果(最下位脱出)も「甚だ遺憾」といったところか・・ん??
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一方、市町村別の魅力度ランキングも発表されたが、こちらは・・・。
さすがに観光地の知名度は高い。県の魅力に反して日光市(栃木)が12位に付ける。これは奈良市よりも高い。だが心配な点も。函館、小樽、富良野、日光と、人口減少著しく『消滅都市ランキング』でも上位を占めているのだ。宿泊、輸送、そしてガイドまで・・。貴重な観光資源も、若者(労働力)不在にあって、どこまで頑張れるやら。
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《そして埼玉県までが仲間に》
戻って、関東地方の魅力度は北関東3県に加えて埼玉県までが栄光?の座を射止めてしまった。よもやの仲間入りである。名のある観光地や人物、プロスポーツだって多いのに・・。サッカーJリーグでは人気NO1の浦和レッズを有し、プロ野球には、リーグ優勝23回、日本一13回と抜群の実績を誇る西武ライオンズがある。観光地も川越に秩父など実に豊富だ。何より渋沢栄一の故郷でもある。
また、都市部の大半が東京に隣接し、それだけ人気も高い。最近の調査では、川口や浦和(現さいたま市)といった地域が『住みたい街ランキング』で上位を独占。それも世田谷や吉祥寺、横浜さえ凌いでいるから驚く。これでどうして最下位なのか。もしや埼玉県は東京都の一部、いや東京都が埼玉県の一部なのだろうか。まさか『琵琶湖』まで造っているだけに『滋賀県の一部』なんてことはないと思うが。





