異例の暑さから解放されたかと思いきや今度は『ラニーニャ現象』が猛威を振るいそうだ。前回のラニーニャは、世界的な天候不順や北半球での厳冬を引き起こし、農作物やエネルギー価格の急騰を招いている。このままなら、インフレといった経済活動への影響も必至で、大幅な景気減速は避けられないかも知れない。

(ラニーニャ現象を危惧した過去記事)
(日経紙より)

 それだけではない。こうした中では自然災害も多い。では一体、過去には、どんなことが起きているだろうか。

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 今年は例年になく地震が多い。能登半島だけではない。全国的にも満遍なく発生している。緊急地震速報も異例な多さで発令されており心配している方も多いのではなかろうか。この一ヶ月は比較的落ち着いているとはいえ、それでもM5超は下記の如くである。
     
◆9月26日、釧路沖、M5.7,最大震度4

◆9月24日、鳥島近海、M5.9

◆9月20日、硫黄島近海、M5.4

◆9月16日、日向灘、M5.2,最大震度3

◆9月04日、種子島近海、M5.8,最大震度3
          
 地球規模ではどうか。前回(2021年秋~2022/23年冬)のラニーニャ現象では、アリューシャンで巨大地震があり、その後も世界各地への伝播を繰り返し、南大西洋のサウスサンドウィッチ諸島近海(M8.1)の他、フィリピン付近(M7.2)、中米ハイチ(M7.1)、メキシコ(M7.4)と続いていた。ことに南太平洋で活発化している。

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 そう地震が多いのだ。過去記事「スーパーエルニーニョに続く大地震」と一部重複するが、歴史に残る大地震ほど、エルニーニョ現象の時期と一致しており、しかも続いて発生するラニーニャ現象とも深く関わっていることが分かる。この半世紀、エルニーニョから一転してラニーニャ現象に移行した時期の大地震を列記してみよう。

☆エルニーニョ期間 ★ラニーニャ期間

☆1963年夏~64年冬 ★1964年春~65年冬
◎1964年、新潟地震、M7.6

☆1965年春~66年冬 ★1967年秋~68年春
◎1966年、与那国島地震、M7.8

☆1968年秋~70年冬 ★1970年春~72年冬
◎1969年、色丹島沖地震、M7.8

☆1972年春~73年春 ★1973年夏~74年春
◎1974年、伊豆半島地震、M6.9

☆1982年春~83年夏 ★1984年夏~85年秋
◎1983年、日本海中部地震、M7.7

☆1986年秋~88年冬 ★1988年春~89年春
◎1987年、日向灘地震、M6.6

☆1991年春~92年夏 ★1995年夏~96年冬
◎1994年、北海道東方沖地震、M8.2

◎1995年、阪神淡路大震災、M7.6

☆1997年春~98年春 ★1998年夏~00年春
◎1998年、石垣島南方地震、M7.7

☆2002年夏~03年冬 ★2005年秋~06年春
◎2004年、中越地震、M6.8

☆2009年夏~10年春 ★2010年夏~11年春
◎2011年、東日本大震災、M9.0

☆2014年夏~16年春 ★2017年秋~18年夏
◎2016年、熊本地震、M7.3ほか

☆2018年秋~19年冬 ★2020年秋~21年夏
◎2018年、北海道胆振東部地震、M6.7

※〔いずれかが単発の場合は除く〕

 この中で各年次の下段(◎印)に注目して頂きたい。前回は「大きな地震ほどエルニーニョ現象の収束過程で起きている」と書いたが、一転してラニーニャ現象が発生するや、その狭間ではさらに多いことにお気付きかと思う。

 無論、全ての大地震が、こうした狭間で起きているわけではない。いずれかの単発下でも起きている。だが、発生確率は極めて高く被害地震の大半が該当することからも、これらの関わりをどう否定できようか。

 現在、観測史上最強とされたエルニーニョ現象の収束に伴い、ラニーニャ現象の行方が懸念される。そのせいか、早くも世界各地で記録的高温から一転、低温を観測するなど、各方面に影響が出始めているという。

(気象庁より)

 日本だって他人事ではない。数年来の異常気象が延々と続くことを意味する。ならば、この先は、どうなってしまうのか。影響は気象だけではない。地震・火山にも及ぶのではなかろうか。奇しくも、伊豆諸島の海底火山「須美寿島」周辺には噴火警報が発令されているが、この海域での変色範囲は1970年代(の観測開始)以降で最大の規模だとか。富士火山帯、ひいては○○○○型地震への影響は大丈夫なのだろうか。

 因みに、これまでが猛暑とはいえ、このまま高温で推移する可能性は限りなく低い。どこかで修復作用が働くもの。記録的な厳冬になることだってあるのだ。そして、スーパー台風と南海トラフ型地震の連鎖から政変に至った、あの安政年間の悪夢を呼び覚ますかも知れない。ともあれ、気象(天候不順&記録的厳冬)地象(地震・火山)の異変は、かなりの確率で戦乱景気後退とも時期を同じくしている。この(10月)2日に発生した大規模な『太陽フレア』だって過去例(下記参照)からもどうなることやら。中東情勢がきな臭いこともあり警戒に越したことはないと思うが。

《参考/太陽フレアと巨大地震》
https://ameblo.jp/rohitigu11/entry-12852053156.html
(2024.05.17)

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《余談》

🐙の養殖まで禁止に》

 先日、米国・カリフォルニア州で、タコの人工養殖を禁止する法案が可決された。理由は「タコは人の顔を識別出来るほど頭が良い。だから自然繁殖など以ての外」なんだとか。言い分は御尤もにせよ、どうも怪しい。その裏で蠢く怪しげな意図が透けて見える。

〈培養技術で生み出されたサーモンの刺し身〉
(NHK画像より)

  家畜大国がどうして、といった疑問だけではない。米国は今、人工肉の開発と、その市場を巡って開戦前夜の様相にある。魚肉とて例外ではない。植物由来の原料で見た目も味も変わらない魚肉そのものが開発されているのだ。ならば『人工養殖』なんて目の敵でしかない。何れ、我が国の得意分野でもある、マグロやフグ、そしてウナギの人工養殖にまで中止を求めてくるのではなかろうか 。

 石破政権が誕生した。これまで日本の首相は、半導体や家電といった工業製品、そして農・畜産物に至るまで交渉事は全て米国の言いなりであった。如何に理不尽な要求を突き付けされようとも、ただ『御意!』なのである。結果、どれだけの国内産業が衰退したことか。当選直後の株価急落。就任早々、市場からは「ノー」を突き付けられた形ではあるが、人の為、世の為に尽くすのがアンパンマン(総理のあだ名)なら、せめて「ノー」といえる外交で存在感だけは示して欲しいものだが。