◀▶どっちがどっち◀▶
あるところに昇大(ショウタ)と降大(コウタ)という幼馴染がいました。昇大は人一倍向上心が強く、いつも大成することだけを考えていました。一方、降大には欲などまるでありません。いつも、その日のことだけを考えていました。
月日が経ちました。
昇大は働きました。汗水流して一生懸命に働きました。こうした甲斐あって興した事業も大成功。その後、誰もが羨む世界的企業を創り上げたのはいうまでもありません。

人々は言いました。
「ありゃー実に立派なお方だわ。郷土の誇りでないかね」と。
降大も働きました。でも何かが違いました。汗水を流すどころか、公園や河川敷の片隅に住み、いつも寝ては起きてのその日暮らしなのです。そして棄てられた空き缶やペットボトルなどのゴミを拾い集めることで生計を立てていました。

人々は言いました。
「ありゃーもうどうしようもない怠け者だわ。郷土の恥でないかね」と。
またまた月日が経ちました。
一生懸命に頑張った疲れが出たのでしょうか。昇大は50歳の若さでこの世を去りました。
人々は口を揃えて言いました。
「こりゃー大変なお方を失ったもんだ。この際、功績だけは讃えてやらんと」
こうして街中には記念館が建てられ、そこには大きな銅像が置かれました。
降大はどうなったでしょうか。
なんと、百歳を超えてまで公園や河川敷で暮らし、そして天寿を全うしてこの世を去りました。
人々は口を揃えて言いました。
「こりゃーもう良かったんでないかい。郷土の面汚しがいなくなったんだもんな」
こうして街中はやっとの厄介払いに安堵する声で溢れていました。
その時です。どこからともなく天地創造の主が降りてきたではありませんか。そしてこう呟きました。

「昇大には酷い目に遭ったわい。人類の欲望を満たすために生み出された品々が大地を汚し、この天空にまで有害物質を撒き散らしおって。自然界の破壊者が、どうして郷土の誇りなんかのう。
「その点、降大には感謝せんと。彼のような世捨て人がいなければ大地はもっと汚れていたはずじゃからな。きっと天空の里に連れ帰り手厚く弔って進ぜよう。また生まれ変わる日まで・・」
こうして、昇大は人類史に名を残し、降大はその功績から天主の下へと旅度っていったとか。
〈 おわり 〉
現在、自然保護と環境保全を題材に、こうした寓話は世界各地に存在します。でも子供たちに話すことだけはタブーとされています。皆さんはどう思うでしょうか。
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《参考記事》
https://ameblo.jp/rohitigu11/entry-12778953226.html
(2022.12.14/しんかのかんし)
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《おまけ》
「○○ンジスタラジオも○○○ー魔法瓶も、オイラの名称でないかい」
「これほど有名なら、オイラにも銅“像”が欲しいなー」
「お主、本当は“象”だったんか」
「すると、○○に入る言葉は、『ゾウ(象)印魔法瓶』と『イメージ(像)ンスタラジオ』になるんかいな」
「ん??😫」