《暑中お見舞い申し上げます》



「アッアッアヂー🔥」

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「忙しい、忙しい。この暑い中、どうしてこんなに忙しいんだい」


  職場だけではない。外出すれば移動中の交通手段のみならず得意先との商談の場にさえ各所からの刺客(連絡)に追い回される日々。帰宅しても変わらない。それは、食事や入浴時は言うに及ばず、トイレの中にまで及ぶ。これでは体が幾つあっても足りない。でも実際のところはどうなんだろう。この中に、緊急を要する用件は、どれだけあるのだろうか。


 《そして、ある日のこと》 


  大切な打ち合わせ中にも関らず、「A社の○○様より問い合わせあり。至急返信されたし」との指令が入る。直ちに連絡を入れると、そこには「投資のご案内です。弊社では選ばれし方のみに将来有望な金融商品を販売しております。○○様も如何でしょうか」なーんていった重大?事案が・・。


「トホホ!」 


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 こうした経験は誰しもお持ちではなかろうか。代表や大代表(電話)方式も遠い昔。今や担当者が窓口業務まで負わねばならない。如何に情報化社会で便利になったとはいえ、これでは堪ったものではない。職務権限の強化(実は合理化)を理由に其々の担当にまで集積回路並みのキメ細かな職務遂行を求めるのだから。 


  アナログの時代ならどうだったろう。「只今○○は出掛けておりますので、もし宜しければ御要件は私○○が承りますが」で一件落着である。そして緊急を要する場合のみ連絡があり、そうでないなら机の上にメモ書きが残される程度であった。そう、万事総力戦であり、連携プレーで成り立っていたのだ。 


  それが今、情報化社会だからと、スピードだけが求められる。結果、非効率になっていることも知らずに。日本人は『良く働く』、だから『勤務時間も長い』いうが、それならさぞかし経済も右肩上がりで順風満帆かといえば、それもない。人手不足を理由に余計な雑用を宛がわれているだけではなかろうか。


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《以下、過去記事と一部重複》


【労働時間を主要各国と見比べて頂きたい】


 〈OECD加盟国のみ〉 


 (01)メキシコ、2246(時間)

 (02)韓国、2113 

 (03)ギリシャ、2042 

 (04)チリ、1988 

 (05)ロシア、1978 

 (06)トルコ、1832 

 (07)米国、1779 

 (08)イタリア、1725 

 (09)日本、1719 

 (10)カナダ、1691 

 (11)スペイン、1676 

 (12)英国、1674 

 (13)オーストラリア、1665 

 (14)フランス、1482 

 (15)ドイツ、1371 


 (ランキングはフォーブスより)


 このように、これまで「働かない民族の代表格」として見られていた国々よりも少ないのだ。これでも日本人は本当に働き過ぎなのか。ただ単に効率が悪いわけではないのか。確かに、医療や介護、サービスに運輸と、どれもこれも大変であろう。しかし、こうした残業を当てにして組んだ住宅ローンの返済や、子供の教育(費)にまで支障をきたしているといった現実も忘れてはならない。お上はどこまで認識しているのだろうか。

 

《人手不足の割合》
(画像はネットから借用)


 現在、コロナの反動からか人手不足もピークにある。運転手は足りない。オペレーターも足りない。公共交通機関の減便が地域住民の足を直撃する。これでは通院が出来ない。いや、その前に医者すらいない。旅館やホテル業界に至っては、サービスの限界から、キャパの半数しか受け入れられないところまであるという。建設・土木などは最たるもので災害時の復旧作業すら困難な状況にある。これで働き方改革(残業規制)なら堪ったものではない。縮小する社会は、これまでにも増して活力を失ってしまうだろう。


 ならば、この時期に何故、働き方改革なのか。どうしてあと数年待てなかったのか。目減りする残業代を賃上げで補える業界など僅かでしかない。この背景には、これを機会に経費削減、そして経営の安定を図るべく○○陣の思惑までが見え隠れする。だがそれだけではない。究極の目的が人気取り、それも選挙対策であるなら、それこそ由々しき問題だと思うが・・。


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《余談》


《AI信奉に潜む危機》


 近頃ではどこにでもあるセルフレジ。人手不足もあって益々拡大普及する傾向にある。確かに便利だ。当初は戸惑ったものの、覚えてしまえば何とかなるもので、もう一般レジには並びたくなくなるから不思議なものである。でも効率の面ではどうなのだろう。本当に役立っているのだろうか。


〈欧米で相次ぐセルフレジの廃止を伝える記事〉

https://news.yahoo.co.jp/articles/969d86d3b5c356fc24bc88c3cb21f19cef9467e4

(日本経済新聞&日経オンラインより)


    つい先日、こんな記事があった。セルフ先進国の欧米では、こうしたシステムからの撤退(従来の対面式への回帰)が相次いでいるという。理由は他でもない。効率の悪さにある。従来の対面式に比べて遥かに時間が掛かるらしい。結果として、客離れが進み、売り上げも落ちてしまっているとか。


     日本の場合はどうだろう。全てが欧米から数年遅れて帰結することから同様な事態を招くことも予想される。だが日本には問題が山積する。元に戻したくとも枯渇著しく人材がいないのだ。これではこの先が思いやられる。それも、効率を見誤った結果になるなら、もう収拾はつかない。救世主のはずの『AI』が業績悪化の元凶にもなるのだから。これが日本の近未来図でないことを願うばかりだ。