(1)ルアング山の噴火は○○○○の予兆か


〈前回記事から一部重複〉


 インドネシアのスラウェシ島沖に位置するルアング火山でまた噴火があった。気象衛星ひまわり9号の観測によると噴煙は高度約19000mにも達しているとか。文字通り稀に見る大噴火である。インドネシアは世界屈指の火山地帯とはいえ、こうした噴火は怖い。津波や火砕流といった直接の被害だけではない。日本列島の鳴動にも深く関わるからだ。先ずは下記を御覧頂きたい。


〈インドネシアであった火山噴火〉
(ロイターより)


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《インドネシアに於ける近年の大規模噴火》

◆《同時期にあった日本列島での大地震》


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2024/04/30、上記/ルアング火山噴火

◆・・・・・・??


2023/12/06、インドネシア.ジャワ、大規模噴火 

◆2024/01/01∶能登半島地震、M7.5 


2014/02/13、インドネシア、大規模噴火2013/08/10、インドネシア、火砕流 

◆東日本大震災の余波から全国的に揺れる
◆2016/04/16∶熊本地震、M7.3


2010/10/26、インドネシア.ジャワ、火砕流 

2010/08/30、インドネシア.スマトラ、400年来 

◆2011/03/11∶東日本大震災、M9.0 


1982/05/17、インドネシア.ジャワ、VEI-4 

◆1983/05/26∶日本海中部地震、M7.7 


1963/03/17、インドネシア、VEI-5
◆1963/10/13∶択捉島地震、M8.3
◆1964/06/16∶新潟地震、M7.6 


1951/08/31、インドネシア.ジャワ、VEI-4
◆1952/03/04∶十勝沖地震、M8.2 


1919/05/19、インドネシア、VEI-4、火山泥流 

◆以降、全国的に地震か増え関東大震災(1923/09/01)に至る 


 ❋=VEI/火山爆発指数

 このようにその多くが数ヶ月以内には発生していることにお気付きかと思う。遅くとも1〜2年の範疇である。直近では、2010年8月、そして2023年12月の噴火だろうか。言うまでもない。『東日本大震災』はこの『半年後』であり『能登半島地震』に至っては『1ヶ月未満』の発生であった。偶然かも知れない。だが歴史に残る地震は何れも時期を同じくしているのだ。今年は地震が多い。緊急地震速報だけでも異例な多さにある。何やら嫌なな予感がしないでもないが。


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(2)新緑は大地鳴動の季節


 また、大きな地震ほど桜の季節に(少)なく、新緑になるや増える傾向にある。8年前(2016年)もそうだったが花見も終えた頃合に熊本地方を大地震が襲った。そして桜前線を追うかの如くに地震も北上。6月には内浦湾(北海道)に到達して最大震度6弱を観測している。


〈五月雑景〉
(鯉のぼりの季節になるや)

(関東地方も新緑の真っ只中に)

 理由はともあれ、桜花シーズンに大地震(M7超)はなく、新緑と共に巡ってくる。あくまで震源域であり、遠方で発生した(巨)大地震の余波は除くものの桜の開花期に合致した大地震は見当たらないのだ。

 だから、この新緑の季節に大地震が、、というのではない。過去から導き出しただけで科学的根拠もない。しかしこれから増えることだけは確かだ。大地震は年末から3月に多く、4〜5月は少ないとはいえ、それも歴史に残る巨大地震であり、善光寺地震や熊本地震といった規模では4月から5月にかけて発生している。

 1800年以降(4月から5月)にあった規模の大きな被害地震を見てみよう。そして、これらも新緑の季節である。

☆1847年05月08日、善光寺地震、M7.4
(山崩、河川決壊など、死者1万から1万3千人)
☆1925年05月23日、北但馬地震、M6.8
(豊岡市で最大震度6。死者428人)
☆1939年05月01日、男鹿地震、M6.8
(死者27人)
☆1974年05月09日、伊豆半島沖地震、M6.9
(南伊豆町、最大震度5。死者30人)
☆1983年05月26日、日本海中部地震、M7.7
(日本海に大津波、死者104人)
☆2013年04月13日、淡路島付近、M6.3
(淡路島で最大震度6弱)
☆2016年04月14~16日、熊本地震、M7.3
(最大震度7、死者258人)

『ことに伊豆地方はこの時期に多い』

『この50年を遡っても・・』

★1974年5月9日、伊豆半島沖、M6.9、震度5
(〈重複〉南伊豆町で最大震度、死者30名)
★1980年6、7月、伊豆東方沖群発、M6.7
(熱海市で最大震度5)
★1989年6月~、伊豆東方沖群発、M5.5
(伊豆東部火山群の海底火山が噴火)
★1998年4~5月、伊豆東方沖群発、M5.9
(伊豆大島、熱海、伊豆市で最大震度4)
★2000年6~8月、新島、神津、三宅島で群発
(三宅島で7月に噴火、最大震度6弱)
★2006年4月21日、伊豆東方、M5.8、震度6弱
(伊東市、伊豆市など伊豆半島で被害多数)

 このように4月から6月にかけては富士火山帯(諸島含む伊豆地方)に目立って多い。こうした中では関東地方もよく揺れる。歴史に残る関東の大地震は伊豆地方を起点に動くのだろうか。行楽シーズンになるや防災意識も薄れがちになるもの。油断は禁物ということか。

 因みに、意外と知られていないが、1293年05月20日にはM8超の巨大地震が南関東を襲っている。鎌倉地震と称され死者は2万3千人に及んだ。当時の人口規模からして稀に見る被害地震でもある。

 この地震の数年前(1290年9月27日)には中国・河北省でも死者10万人に達する渤海地震があった。最近でも、2008年5月12日にはM8の四川大地震(2013年にも大きな余震)が発生しており、死者行方不明8万7千人という甚大な被害を生じている。インドネシアの火山噴火が日本列島に影響を及ぼす可能性も含めて『歴史は繰り返す』にならないことを願うばかりだ。