厚生労働省が(1月23日)発表した人口動態統計によると、2023年1~11月の出生数(外国人含む速報値)は69万6886人と前年から5.3%の減少であった。11月までの出生数が70万人を割るのは統計開始以降で初めて。年間の出生数(推計)は過去最少の72万7千人ほどであり、1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す合計特殊出生率も1.20と過去最小を更新する見通しである。

〈平均初婚年齢の推移〉
(ネットから借用)

 今や、第一子の平均出産年齢は30.9歳に達し、30の大台を超えた。晩婚化は、この先も平均(出産)年齢を上げ続けるだろう。近年の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳だが、この20年だけで約3歳も上昇している。現在、31歳の男性が66万人、29歳の女性が61万人と合わせて約127万人が存在するが、25歳になると約113万人にまで縮小する。しかも加速度的な減少傾向にあり、2020年代半ばにも出生数70万人割れが必至の状況にある。

 この先、晩婚化は更に進み、非婚率も一段と上昇するだろう。政府は『異次元の少子化対策』といった言葉遊びだけは繰り出すものの、これでどうして『近い将来の出生率回復』に結び付こうか。加えて若年層を中心に貧困層も増え続ける。改善の要素など何ひとつないということだ。

 国の試算では(合計特殊)出生率1.80で一億人維持を目論む。だがこれもおかしい。人口置換水準は2.07である。1.80は持続的縮小でしかない。現在、各々に250万人近い人口を抱える団塊の世代も不老不死ではない。10~15年以内には同等に近い欠落が始まる。

 一方、出生数はどうか。このまま減衰するなら一世代で半減する。例え1.80まで回復したにせよ、それまでのタイムラグは如何ともし難い。二世代も待たずに半減してしまうのだ。恐らく、あと10年もすれば出生数50万人(女性25万人)割れが現実味を帯びる。すると近未来の出生数はMAX(25万×1.80)でも45万人にしかならない。250万人(の団塊)世代の欠落と重なるなら、この期間だけで2千万人以上が消失してゆく。

 その後は、この45万人が人口ピラミッドの底辺となる。これで人口置換水準が(2.07で)安定し全員が百歳まで生きたと仮定しても総人口は4500万人にしかならない。1.80は一世代ごとの1割減を意味する。2.07を超えない限り絶り永遠に減り続ける。1.50以下で推移するなら日本の未来に25世紀は存在しないだろう。

(在留外国人の推移)
(法務省データより)

 こうした状況にあって唯一の希望は外国人(就労)であるが、これとて無惨にも潰える。日本は移民(帰化)を認めない。国籍取得者は年間10000人前後で推移し在留外国人に占める割合は0.3%でしかない。これは世界で最も少ない。しかもその大半が在日(中韓朝などの後継者)である。甘い言葉に誘われて入国しても不況になれば即座に追い返される運命にあるのだ。それも多額の借金を抱えたままに。こんな騙し討ちがいつまで通用するだろか。

〈移民認可数の推移〉

(法務省データより)

【上図の移民も、その大半は在日二世三世・・が占める。これらを差し引くと移民などないに等しいことにお気づきかと思う。最早、日本の移民問題は、流入(国籍取得)よりも流出(海外移住=離脱や喪失)を心配せねばならない状況にあるのに】

 しかも日本は今や先進国ではない。所得水準たるや、アジア諸国にも次々と抜かれ、それも後退の一途にある。一体、どこの誰が母国の明るい未来を棄ててまで、こんな貧しい国に来るだろうか。外国人で労働力の維持を目論む前に日本人の海外移住者続出で内部崩壊さえ招きかねない。

 この先、財政破綻が現実味を帯びる。南海地震や首都直下地震にでも見舞われば更に早まるだろう。医療費は全額自己負担となり年金や失業保険は支給されない。預貯金は保証されず、その前に勤務先を失えば家屋は抵当に没収され、家なし、金なし、家族なしのホームレス生活だけが待ち受けるのだ。

 では、少子高齢化の改善は、もう絶対に無理なのか。唯一、方法があるなら、それは貧困の極みに達することだ。それも少数派では意味がない。国民総貧困化である。人は貧しさの中で本能に目覚める。世界の極貧国のみならず、かつての日本も出生率は極めて高く「貧乏人の子沢山」の社会であった。

 トゥマス理論は、停電など「通常の生活が遮断されるような不測の事態を招くと必然的に出生率が上がる」とする説だが、これと同じで、貧困下では遊興思考が削除され、生物本来の本能だけが覚醒するといった具合だ。

 但し、これは禁句であり禁じ手でもある。それが今、専門機関や霞ヶ関の中には、これが『自然の摂理であり人口回復の切り札である』としてまことしやかに囁かれる。もしや永田町も内心は同じではなかろうか。昭和初期の極貧生活だけならまだしも、あの忌まわしい過去だけは呼び覚まさないで欲しいものだが・・。
 
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《2月22日は》

〈ニャンニャンニャンの日〉

「オイラ、キックバックなら小判がええニャー」

「・・・・・😩」