この8日以降、鹿児島県のトカラ列島近海を震源に地震が相次いでいる。震度1以上の揺れを観測した地震は13日までに350回近くに達した。一昨年の12月には震度1以上の地震が300回に及び悪石島では震度5強を観測している。また、モロッコでも強い地震があり大きな被害が生じているようだ。
一方、現在は地球規模で異常気象の真っ只中にある。平均気温も過去最高を大きく更新。文字通り『地球沸騰の時代』の様相であろう。熱帯低気圧も次々と発生。日本だけではない。より大型化して世界各地に深刻な影響を及ぼしている。往々にして、こうした自然災害は時を同じくするもの。何やら嫌な予感がしないでもないが、この先は大丈夫だろうか。
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鹿児島の南方域は火山が多い。当然のこと地震活動も活発である。トカラ列島だけではない。約7300年前にあった鬼界カルデラの巨大噴火では西日本の縄文文化を終焉させたとも言われている。神戸大学の研究グループ(下記参照)は、もし同規模の噴火が発生するなら犠牲者は一億人に達するであろうと警鐘を鳴らす。
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(以下、原文のまま)
数年前、日本に壊滅的な被害をもたらす「巨大カルデラ噴火」と呼ばれる火山噴火が100年以内に1%の確率で発生するとの予測を神戸大の巽(たつみ)好幸教授(マグマ学)らがまとめて発表した。現時点で差し迫っている状況ではないが、最悪の場合は日本の総人口にほぼ匹敵する約1億2千万人が死亡すると試算し、観測や研究の強化を求めた。
日本では過去12万年間に阿蘇(熊本県)、十和田(青森・秋田県)などで13回発生。これらの規模と頻度を統計学的に解析し今後の発生確率を算出したという。
巽教授によると巨大カルデラ噴火の発生確率を統計学的な手法で算出したのは初めて。100年以内に1%の確率は首都直下地震などと比べるとはるかに低いが、「いつ起きても不思議ではないと認識すべき数値」と警鐘を鳴らす。次にどこで発生するかは特定できないという。
(記事は産経記事より引用)
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これは日本国全滅に等しい。こうはならないまでも鹿児島南方域の鳴動は実に怖い。いずれも日本列島の大地震と関わっているのだ。口永良部島が噴火に至ったケースだけを見ても下記の如くである。
○《口永良部島での噴火発生年代》
●《同じ時期に起きた日本列島の大地震》
○1841年、新岳で噴火
( 集落焼失、死者多数)
●1843年、天保十勝沖地震、M7.5~8.0
(死者46人、厚岸に津波)
○1931~33年、新岳の西側で山腹噴火
(七釜集落は噴石で全滅、死傷者多数)
●1933年、昭和三陸地震、M8.4
(大津波発生、死者行方不明3064人)
○1945年、新岳火口東外壁で割れ目噴火
(水蒸気噴火)
●1945年、三河地震、M6.6
(愛知県で震度7、死者行方不明2306人)
●1946年、昭和南海地震、M8.4
(房総から九州津波、死者行方不明1443人)
○1966~68年、新岳で噴火し小規模火砕流
(負傷者3名)
●1968年、十勝沖地震、M8.3
(三陸沿岸で津波、死者行方不明52人)
○1980年、新岳東側斜面で水蒸気噴火
(マグマ噴火、爆裂火口多数形成)
●1983年、日本海中部地震、M7.7
(日本海に大津波、死者104人)
○1990年、噴気、地震、火山性微動
(地震計による観測開始)
●1993年、北海道南西沖地震、M7.7
(奥尻島で巨大津波、死者行方不明230人)
○2014~15年、新岳で爆発的噴火
(噴煙9,000m以上、火砕流、全島避難)
●2016年、熊本地震、M7.0
(最大震度7、死者273人)
○2019〜20年、新岳火口で噴火
(噴煙は7000m、火砕流発生)
●202x年、、、??
このように日本列島の大地震に結び付くことが多く(熊本地震を除き)東日本に集中していることが分かる。それも1年から3年以内である。悪石島(の地震)や諏訪之瀬島の場合、破局(巨大カルデラ)噴火になる可能性は限りなく低いとはいえゼロではない。九州とその南方には巨大カルデラが控える。トカラ列島や安蘇山には過去の形跡もある。疫病に自然災害と、50年に一度、100年に一度の想定外が日常茶飯事になる昨今、何が起きても不思議ではないということか。
大地震は年末に多い。ことに12月に多い。口永良部島の噴火(2020年1月)から3年。西之島新島に続いた福徳岡ノ場の海底火山のみならず内陸でも揺れ動く日本列島。トカラ列島の群発地震との関連は不明ながら、そろそろのようにも見える。富士山(火山帯)は大丈夫だろうか。防災の日は9月だが『震災の日』は12月でもある。くれぐれもお忘れなきよう。


