【ChatGPTは神か悪魔の囁きか】


 ChatGPTの試験運用が始まった。和訳すると『生成可能な事前学習済み変換器』といった堅苦しい名称ではあるが、とにかく便利らしい。何より、これまでの検索とは違い、会話でのやりとりを可能にする。AIの波はどこまで進化するのだろうか。だがちょっと待って欲しい。こうした心配も。。


【税金の戻り(還付金)について質問すると】


「・・・・・・・・・・」


「○○さん給付金は受け取りましたか」


「・・・・・・・・・・・・」


「えっ、まだ貰っていない? うーん困りましたね。近くのコンビニでも簡単に受け取れるのに」


「・・・・・・・・・・」


「でも心配いりませんよ、この私が操作方法まで懇切丁寧に指導しますから」


「・・・・・・・・・・・・」


「では、コンビニに着いたら『ChatGPT』で

御連絡下さい」


「😱・・・・・・」


 な〜んてことにならねば良いが。


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【AI信奉の果てに】


 それだけではない。近頃は、人手不足のみならず景気後退まで、全て『AIが解決する』一色である。前者は省力化であり後者は技術革新による新たな産業の創出ではあるが、果たして目論見通りに行くのだろうか。


 (世界の人工知能(AI)市場)

(画像はネットから借用)

 確かに市場規模は凄い。しかも、人手不足を解消し新たな産業を創造出来るなら、これに優る妙薬はない。しかし・・。


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 かつて高度成長からバブルにかけても人手不足は深刻だった。日系人だけではとても足りない。アジアの低開発国を中心に200万とも250万人ともされる人々が助っ人としてやってきた。日本中、津々浦々まで外国人で溢れ、田舎の町工場でさえ、こうした労働者なしには機能しない状況に置かれた。違法就労も多く、その数を含めて今の数倍はいたのではと見られている。

 こうした中、囁かれたのが「ロボットが日本を救う」である。当時は工業用ロボットの先進国だけあって瞬く間に浸透。精密加工といった先端産業から身近な加工業まで省力(自動)化が進んだ。だが喜んでばかりはいられない。製造業は次々と海外生産へシフト。国内は空洞化し、その後の景気低迷も相まって国力の衰退は目を覆うばかりになってゆく。


 そして今、どこもかしこも『日本の未来はAIが救う』一辺倒にある。少子高齢化なんて関係ないとばかりに、あたかも全能の神の如くに崇めている。でもAIに関する限り日本はトップランナーではない。中国や米国に3年から5年の遅れは致命傷に等しい。これで本当に万事解決するのだろうか。

(画像はネットから借用)

 この数日だけでも○○銀行に○○○と相次ぐシステム障害。日常茶飯事と言っても過言ではない。AIが普及したところで、この問題は如何ともしがたい。限界集落対策に、無人運転やドローンによる集配サービスを導入したにせよ、こうした不具合にはどう対処するのだろう。そもそも、過酷な労働からの解放ならいざ知らず、人手がないから、の無人化には無理があるのだ。不測の事態も大きくなるほど人海戦術でしか解決しないもの。AIの不具合(システム障害)にAI(鉄腕(iron)アトム)の出動でも考えているなら話は別だが、そうもいくまい。


〈映画・バック・トゥ・ザ・フューチャーより〉
(画像はネットから借用)

 (少子高齢化(人手不足)対策の切り札としてAI化を推し進めるニッポン。当然のこと、こうした空飛ぶ自動車も基本は無人だ。もしも、システム障害で機能不全にでも陥ったら、どうなることやら。太陽フレアによる磁気嵐だっていつ襲ってくるか分からないのに)

 結局は万能に思えるAIも人の助けなしには機能しない。トラブル続出なら未曾有の危機に直面してしまうだろう。人手不足を解消するはずのAIが少子高齢化社会の切り札どころか我々に危害を及ぼす凶器にさえなり兼ねないのだ。


 そもそも人工知能(AI)開発の原点は人口爆発にある。不足する食糧や住環境、それに移動手段を科学で解決するのが目的であった。それが真逆の少子高齢化に適応するか否かの壮大な実験が始まろうとしている。高齢者は開発も保全も出来ない。あくまで利用者に過ぎない。丁と出るか半と出るか。若者不在の社会にあっては失敗など許されない。次はないのだ。あの頃の「ロボットが日本を救う」と同じく、AI崇拝が国力の更なる衰退を招かねば良いのだが。


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【アイ(AI)は🐵の惑星??】



🤔「ChatGPTって何のこっちゃ?」


🙄「猿の惑星のことかいな??」


🤫「アイ(AI)なら言葉を理解した世界最初のチンパンジーなもんで」


😩「・・・・」


*(京都大学霊長類研究所)