【時間てなに】
〈早速、ピッチクロックの洗礼を受けた大谷〉
大リーグが試合時間の短縮にピッチクロックを採用した。確かに長い。延長ともなれば日を跨ぐことさえ珍しくない。だがちょっと待って欲しい。時短が「ファン離れの抑止に結び付くから」とはいえ、どう解釈すれば良いやら。そもそもメジャーのチケットは高い。普通席でさえ平均30ドル(約4千円)はする。クラブシートなら150ドル(約2万円)などザラである。ヤンキースには20万円超の席まで存在する。愚生なら、これだけ高い料金を払った以上、少しでも長く観たいと思うが、、はて?? これって貧者の思考だろうか。
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一昔前、発展途上国から子供達がやってきた。東京から大阪まで新幹線に乗った。その速さに驚いたのは言うまでもない。だが、もうひとつ驚いたことがある。それは「どうして8時間も乗れる鈍行列車よりも3時間しか乗れない新幹線の方が料金が高いのか」と言うことだ。さぞかし案内役も返答に窮したことだろう。
〈営業運転予定の改良型LO系〉
リニア中央新幹線の工事開始(2014年12月17日)から8年と数ヶ月。まだ紆余曲折はあるものの予定では2027年の開業を目指して東京~名古屋間を約40分で結ぶ。2045年には大阪まで伸延する予定だ。とにかく速い。最高時速は500キロに達し、航空機並みのスピードで走り抜ける。開発に伴う関連事業を含め、その経済効果は計り知れない。反面、問題も山積する。
確かに経済効果は大きい。技術面でも各分野に貢献するだろう。とはいえ人的輸送の面ではどうか。景観は期待できない。東京、名古屋間の走行距離(286km)に対して、86%は地下かトンネルになるという。車窓を楽しむなんて悠長なことは望むべくもない。「長い長いトンネルを抜けたら雪国、いや名古屋だった」が現実になるのだ。判断はビジネスマンや観光客に委ねるとしても冒頭の逸話を笑えないのではなかろうか。
今や日々進化の時代だ。だから早さを競う。でも、どこまで必用なのか。物流は時短が勝負とはいえ人の移動だけはそうとも限らない。国際会議は衛星回線で結ばれ、重要書類も瞬時に送信される。この先、飛行機や新幹線に飛び乗るケースは益々激減するだろう。ならば乗客は、暗闇愛好会の主催する、「リニアで行くトンネル弾丸ツアー」だけになりかねない。
東海道メガロポリスは想定される大地震の震源域に位置する。そこで第二新幹線構想が生まれた。第二とはいえ迂回するだけで危険には変わりない。しかも日本社会は加速度的に縮小してゆく。人口は減り続け、首都圏(東京)であれ、あと数年で減少に転じる。中部圏(愛知)はまもなく、近畿圏(大阪)では既に只中にある。一部沿線は無人の荒野に帰すかも知れないのだ。これで開業時、どれだけの需要が見込めるのやら。
この際、名古屋以西は、ゆっくりと在来線で良いではないか。急ぎは新幹線で十分。その財源を東北地方に振り向けるべきでないのか。原点に戻って福島県に遷都するなんてのはどうだろう。リニアなら東北地方に勝る適地はない。用地買収も容易だ。莫大な予算を組んで地下を走らせることもない。『東京発、つくば研究学園都市経由、新首都・福島中央駅行き』なんて如何だろうか。
震災の前、福島県の阿武隈地方は首都移転の最有力候補地だった。歴史的にも地震に最も縁のない地域でもある。原発事故で立ち消えになったものの、頑強な地盤に覆われた阿武隈山麓一帯は、大きな被害(直下地震)に遭った形跡すらない。危惧される南海トラフ型のリスク回避の上でも、一極集中是正の上でも、これに優る名案はあるまい。遷都、リニア新幹線、何より国会議員が移り住むならもう心配はない。窮極の復興事業になると思うが。
〘廃止になった夜行寝台列車の北斗星〉
因みに、公共交通機関が整備されるまで、お伊勢参りには江戸からでも1週間から10日を要したとされる。それが今、片道3時間であり、日帰りコースになってしまった。旅の楽しみには目的地だけではない。その途中や車窓にもある。この際、弾丸列車の対極に、超低速で長距離を結ぶ安価な鈍行列車を復活して欲しいと思うのは愚生だけだろうか。
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【時は金なり】
〈抜け殻マン〉
「タイムイズマネー、チュウなら、どうして長時間労働ほど安月給なんかいな」
「昔から『“働く”もの食うべからず』なーんて言うじゃろが」
「・・😖」