パラリンピックでも浮き彫りになった日本の障害者対応。福祉後進国と言われて久しいが、そうでないものもある。公共交通機関の音声案内は無論のこと、視覚障害者用の誘導用ブロックなどは最たるものだろう。音響装置の付いた信号機だってそうだ。だが、このところ視覚障害者を対象にした『音響装置付信号機』をあまり見(聞か)ない。一体、何があったのだろうか。
〈日本独自に進化した誘導用ブロック》
川崎市だったか、かつて美術館計画が持ち上がった。その名も岡本太郎美術館だ。我が国を代表する画家でもあり挙って大賛成かと思いきや、そうでもない。反対運動まで起きてしまった。理由は予算でも場所でもない。「風紀が乱れる」である。元来、金銭欲のない芸術家らしく、その遺志を継いで無償提供ということもあって国内外から引っ張りだこだっただけに、こちら(反対)の面でも大きな注目を集めた。
その後も、こうした反対運動は各地に波及して、エスカレートするばかり。やっとの思いで認可に漕ぎ着ければ、幼稚園はダメ。託児所もダメ。高齢者施設なんてもっとダメのダメダメ尽くし。街中の刑務所やゴミ集積場なら心情的に分からないでもないが、幼稚園や託児所はうるさいから、高齢者施設は汚いからが理由では、もうどうにもならない。
〈〈〈戻って、数年前のこと〉〉〉
こうした中、とうとう痛ましい事故まで起きてしまった。横断歩道を渡ろうとした目の不自由な方が交通事故に巻き込まれたのだ。これも原因は反対運動にある。なんと、視覚障害者に青信号を知らせるチャイムが、近隣住民からあった「うるさい」の苦情を理由に止められていたというから、もう情けないやら呆れるやら。悲劇を通り越して犯罪でしかあるまい。
子沢山の時代、障害者は○っこだの○○らだのといじめられていた。しかし、いじめた方もタダでは済まない。目には目をが待ち受けていた。発覚すれば見ず知らずの通行人からさえゲンコツの一つや二つは覚悟せねばならない。ドラえもんの中でその都度、のび太くんがタンコブを作っていることからも、覚えている方は多いかと思う。
こうして思い遣りを身に付けたのも遠い昔。今はそうもいかない。体罰は疎か言葉での注意すらなかなか出来ない。身勝手の蔓延は、こうした事情もあろう。だが、この手の反対運動に加担するのは高齢者、それも圧倒的に単身高齢者である。少子化が孤独を生み、そして悲劇を拡大させてゆく。やはり無縁社会の歪みが招いた国家レベルの病なのではなかろうか。
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《追記》
【因みに、公共交通機関では、こんなことも】
その昔、電車や地下鉄での車内放送が「うるさい」として問題になった。確かに、発車から停車、そして次の駅から行き先までと絶え間なく続くアナウンスは雑音である。しかも欧米先進国は静かだという。誰もがそう思った。だがこれも健常者の理屈であることに気付かされる。
その後、欧米から視察団が来日。当然のこと公共交通機関も利用する。するとどうだ。うるさいどころではない。障害者に配慮した「素晴らしいシステム」として絶賛された。そして「我が国でも取り入れたい」とする声が相次いだそうだ。やはり「○○がそうだから○○もこあるべき」は通らないということか。健常者がいらないと思うものほど役に立っているのだから。
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《余談》
【これって地震前兆、それとも】
千葉の海岸に32頭のイルカが打ち上げられた。最近、大阪や東京湾にクジラが迷い込むなど不思議なことばかり。一体、日本近海で何が起きているのだろうか。こうした中では様々な噂が浮上するが・・。
(1)地震の前兆
大地震の前触れとして語り継がれるものに自然界の異変がある。古来の地震でもこうした類いは多い。科学者で随筆家でもあった寺田寅彦の文献にも見られるように、とりわけ関東大震災に多い。永井荷風(断腸亭日乗)などの文豪も数多く書き残している。それも、これまでにない事象であり、その中には海洋生物も含まれるのは言うまでもない。やはり『前兆』なのだろうか。
(2)気象や海流の影響
そもそも自然界の生命体は危機回避能力に優れる。高度な生き物ほどそうだ。スマトラ地震では、その前に察知して避難したらしく、インド象への被害は見当たらないという。クジラやイルカも海洋界を代表する(進化した)生命体である。ならば沿岸に紛れ込むこと自体、不自然であり、やはり気象や海流の変化に影響されたのではなかろうか。
日本列島で頻繁する異変が南海トラフ型といった『大地震の前触れ』なのか、それとも『異常気象』に起因するのか、どちらだろう。何れにせよ、リーマンショック、東日本大震災、コロナと続く様は約100年前とソックリであるが、、はて??
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《おまけ》
【カタツムリ】
「おいおい、黄色いカタツムリなんて、おかしいんでないかい」
「もしや、エスカルゴだけに“黄”位が高いんかいな」
「寒っ!!🥶」