例年になく寒い冬だったにも関わらず今年も桜の開花は早い。4月上旬が相場の当地でさえ、もう満開の状態にある。鹿児島や宮崎、そして高知と、こうした南国では開花しないケースまでが相次いでいるという。この先は一体、どうなってしまうのだろうか。

【春の訪れと共に一斉に咲き始めた桜並木】

(3月23日撮影)

 温暖化による単なる早咲きなのか、そうでないのか、何やら嫌な予感がしないでもないが。

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〈戻って、桜の開花期には不思議なことも〉

 花見のシーズンは事件や事故が多発する。浮かれ過ぎもあるだろうが、それだけではない。車輌の暴走や残虐な事件も、この時期に限って突出して多い。年度替わり特有のストレスからだろうか。鬱といった精神的疾患も、この季節には急増する。四月病、五月病など呼び名は様々だが、季節の変わり目は体の異変にも注意、といったところか。

 不思議なのは地震だ。有史以来、M7超の規模では約3分の2が11月から3月に集中するのに、3月20日から4月中旬にかけての桜の季節にはない。あっても、昨日の茨城県北部を震源にした地震(M4.7)のように、どれもこれも中規模なものばかり。次の通り全くのゼロではないものの・・。

☆西暦416年から1519年まで該当なし

★1520年3月25日、永正地震、M7.0

★1677年4月13日、延宝八戸沖地震、M8.0

★1700年4月15日、壱岐対馬地震、M7.3

★1858年4月09日、飛騨地震、M7.0

★1968年4月01日、日向灘地震、M7.5

★2005年3月20日、福岡西方沖地震、M7,0

★2011年4月07日、宮城県沖地震、M7.2

 このように限りなく少ない。しかも桜の季節というより前後であった可能性が高い。2011年4月7日の宮城県沖地震だけは桜前線も東北地方の南部まで達していたと思われるが、これとて東日本大震災の余震だ。消去法で追っても極めて少ないことに気付かされる。

 (注)あくまで震源域に於ける開花シーズンあって遠方で発生した大地震の余波は含まない。

 自然とは良く出来たもので変化を先取りする能力に優れる。昆虫は豪雪の前年から産卵位置を高くし、暴風雨では予め安全な場所に営巣する。桜などの草木も同じで、揺れ落ちないことを確信した上で咲き乱れるのか、種の保全を前提に我々には無縁な予知力を内在するのかも知れない。

 例外は1968年4月1日に発生した日向灘地震だろうか。この時期には珍しい大地震(M7.5)であった。桜が咲いていたかどうかは分からない。だが、この年は3月7日から度々、20℃超えるような暖冬だっただけに咲き終えていた可能性は高いものの(時期的にも)歴史的に希なケースであったことに変わりはあるまい。

 この時期、厄介なのは(桜の季節の)前後だ。東日本大震災は開花の直前だった。熊本地震は花吹雪も去った直後だった。現在も異常気象の渦中にある。日向灘は南海トラフに直結するであろう大地震が危惧されて久しい。伊豆半島では有感地震さえ少なくなっている。1930年2月から5月にかけて発生した伊東周辺の群発地震も開花シーズンを挟んだ前後だった。

〈都市別地震危険度〉
(地震調査委員会より)

 桜の季節が、これまで安泰だったとはいえ、この先も安泰である保証はない。だが限りなく静かであることだけは確かだ。そして西日本から順に規模の大きな地震へと結び付いてゆく。この数年、小笠近海や霧島連山での火山活動が活発になっていることから地震活動への影響も懸念される。一昨日には浅間山の噴火警戒レベルも『2』に引き上げられた。ともあれ時期が時期だけに、これだけは御免被りたいものだが・・。

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【今年の地震危険日カレンダー】

 現在、西日本や南関東(の一部)は咲き終え、東日本では今週末から来週初めにはピークを迎える。東北(北部)や北海道も今年は、かなり早めに到達するだろう。

(桜開花マップ)
(日本気象株式より引用)

◆すると今年の地震危険日は・・▶▶

◇西日本=3月下旬から

◇東日本=4月上旬から中旬

◇東北=4月中旬から下旬

◇北海道=5月上旬から

▶▶・・となるが果て??

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《余談》

 岸田首相がウクライナを電撃訪問した。残念ながらWBCに席巻され、ニュースでも脇役に追いやられたとはいえ、そもそもが何のために行ったのたろう。聞けば、G7首脳の中で訪問していないのは日本だけとか。しかも、この5月に開催される広島サミットの議長国でもある。もしや「ボクちゃんだけ蚊帳の外なのはまずい」とでも考えたのだろうか。日本の場合、武器輸出三原則もあって、あまり役に立たない。資金援助にも限度がある。復興支援も、ウクライナは中国にとって一帯一路の要であり、どれだけ貢献出来ることか。

〈一帯一路で連携する中国とウクライナ〉
(画像はネットから借用)

 ならばどうだ。せめて、ウクライナに行ったのなら、ロシアにも出向いてほしいものだ。サミット首脳の中で仲裁の『ちの字』もないのは、バイデンを除くと『フミオちゃん』くらいなものである。だから、ウクライナ訪問後には、ロシアとも交渉している。米国は、軍需産業から食糧まで、戦闘の継続で得るものも大きい。でも日本にはそれがない。頼りのエルドアン(トルコ大統領)が南部で発生の大地震もあって動けない以上、ここは絶好のチャンスではなかろうか。但し、プーチンの『送り襟絞』に耐える覚悟があればの話ではあるが。